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【あなたに贈る詩】眠る前にひらきたい一篇の詩

SNSで「どんな詩が読みたいですか?」と呼びかけたところ、リクエストをたくさんいただいたので少しずつお答えします!

▼これまでのリクエストはこちらから

今日のリクエストは「眠る前にひらきたい一篇の詩」、演劇役者さんをしている田淵瀬那ちゃんから。おやすみなさいって感じの詩はいろいろあるけど、幼子のようなみずみずしい感性をもちながら妖艶な役もこなす瀬那ちゃんのイメージにあう一篇を厳選しました!



なつかしい幻想

紹介したいのはまど・みちおさん「つきのひかり」。

「つきのひかり」
つきの ひかりの なかで
つきの ひかりに さわれています
おふろあがりの
あたしの きれいな手が

日常の「お風呂上がり」のひとコマを描いていながら、とても幻想的な。それでいてなつかしい気持ちにもなるのは、「ひらがな」がおうところが大きいですね。大人も入り込めない、子どもの想像世界を思わせます。「月光」「月の光」とすると、冴え冴えとクールな光を思いますが、「つきのひかり」とすると、きいろのあたたかそうな光が浮かびます。

詩のつづき。

うちゅうの
あんなに とおい あそこに さわる
みえない しらない おおきな手に
あわせるようにして

つきの ひかりの なかで
つきの ひかりに さわれています
つきの ひかりに さわられながら

つきのひかり…の最後のスタンザ。淡い光のなかで、白い手が動くイメージ。
瀬那ちゃんがダンスしているところを見てみたいなぁ。

とおい うちゅうに「守られている」

なぜだか、お月さまのきいろい光を見ていると、「守られている」って感じがいつもします。「うちゅうの あんな とおい」ところから届く光。それは大人になっても、いつどこにいても変わらない安心感。

この詩を読むと、「みえない しらない おおきな手」に包まれているような、あったかい気持ちになります。おやすみ前に、この詩を。

まど・みちおさん詩集、寝る前に読むのおすすめです!やさしいおだやかな気持ちでぐっすり眠れます。


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