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【進撃の巨人という哲学書】36.エルヴィン団長というリーダー ~50話 51話~

アニメタイトル:第50話 はじまりの街
アニメタイトル:第51話 雷鎗

あらすじ

ウオールマリア奪還計画。
破られたシガンシナ区の外門と内門をエレンの巨人の高質化の能力で塞ぐ事が目的です。

廃墟となったシガンシナ区。敵の姿がいっさいありません。
アルミンが壁の上に焚火をした形跡と3名のカップを発見しました。
エルヴィンはアルミンを隊長とする調査部隊を編成し、敵が潜伏していないかを調査させます。
アルミンは敵が壁の中に潜んでいると考え調査します。
その通りに壁の中に潜んでいたライナー。その刹那、リヴァイが襲撃しますが、あと一歩殺しきれませんでした。
ライナーは鎧の巨人となります。
その瞬間にシガンシナ区を囲むように壁の外に獣の巨人と無数の巨人が現れます。

エレンの奪還と調査兵団の殲滅を謀る巨人チームと、壁の穴を塞ぎ巨人の殲滅を目論む調査兵団の大戦争が始まります。
巨人チームは調査兵団の馬を殲滅し逃げ道を塞ぐ作戦です。
エレンも巨人となり、進撃の巨人vs鎧の巨人の格闘です。
リヴァイは単独、鎧の巨人を打つ事を命じられています。
まだ、ベルトルトの姿が見えません。

しかし、調査兵団も賢明に戦います。
刃物での攻撃が効かない鎧の巨人様に編み出した新兵器「雷槍」を鎧の巨人(ライナー)のうなじに埋め込み吹き飛ばします。



あれこれ考えてみよう。

エルヴィン団長に理想のリーダーを感じます。
腕を落とし戦闘能力は失っても、現地で的確な判断と指示が実にカッコいいです。

エルヴィン団長
「今は敵の位置の特定を第一とする。アルベルト、君はその頭で、何度も我々を窮地から救い出してくれた。まさに今、その力が必要なときだ。必要な数の兵を動かし、内門周辺に敵が潜んでいないか探り出してくれ。これより、アルミン・アルベルトの指示に従い、捜索を続行せよ!」

先ず、新人のアルミンを隊長とする調査部隊を編成しました。
アルミンのこれまでの実績と頭脳を信頼したのです。
それでも直ぐには敵を発見できないアルミンですが冷静に考えます。

アルミン
「敵はいつも、予想外の方法でボクらを攻めてくる。ボクらがいつも不利なのは、いつだってボクらが巨人を知らないからだ!」

アルミンは、この壁の中に巨人がいることを思いだします。
その根拠を聞かれた時、アルミンは「勘です。」と答えます。
多くの兵士はアルミンの「勘です。」という曖昧な判断に懐疑的ですが、エルヴィン団長はアルミンの判断を支持します。

エルヴィン団長
「ときに厳格に、ときに柔軟に。兵士の原理・原則にのっとり、最善を尽くせ。指揮系統を遵守せよ。我々は勝利するために、ここに来たのだ」

エルヴィン団長の言葉に兵士たちの不安も吹き飛びます。
「了解!」全員がアルミンの指示に従い迅速に行動します。

次にリヴァイには単独で鎧の巨人を打つ事を命じます。
飛び抜けた戦闘能力を、巨人チームの要であろう鎧の巨人を倒す事だけに集中させました。

そして、調査兵団最大の武器であるエレンの巨人の能力をおとりとして使用します。
エレン巨人で鎧の巨人を引きつけます。
そこでハンジを現場リーダーとする第109期調査兵団の面々が新型兵器である雷鎗で鎧の巨人を倒します。

エルヴィン団長の指揮系統にそって、それぞれがそれぞれの特徴を如何なく発揮します。

松下幸之助はリーダーの条件を①愛嬌 ②運 ③後ろ姿と言っています。
出陣の時、民衆に答えて雄たけびを上げたエルヴィン団長は、愛すべき愛嬌がありました。
ここまでの激戦で生き残って成果を上げてきました。
腕を失ってもその威厳に満ちた姿勢はエルヴィン団長についていけば大丈夫だという信頼と自信に繋がります。

組織は一人では動きません。
適材適所に人材を配置し、それぞれの能力を引きだす事が最も大切なリーダーの能力です。
その為には部下を信頼しなくてはなりません。
でなければ部下が信頼してくれません。
信頼なき組織に勝利はありません。

役割を任せるという事は権限を与えるという事です。
アルミンの「勘です。」も権限です。
それをも享受できるところに初めて信頼は生まれます。

責任だけを押し付ける役割なら。そんな組織は崩壊します。

もう一度言います。
役割を任せるという事は権限を与えるという事です。


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