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新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』
2021年のお正月はNHK-BS放送の新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』に心奪われてしまいました…!!
ちなみに私自身は「風の谷のナウシカ」をリアルタイムで映画館に見に行った世代。原作も全巻読んでいますが、ここ20年くらい読み返してなかったので、映画になった3巻以降の展開はほぼ記憶にない状態。
歌舞伎については奥さんが歌舞伎好きなので、歌舞伎座や都内の劇場などで何度か観劇してます(5演目くらい?)。以下ツイートまとめ&補足です。
うっかりナウシカ歌舞伎見始めてるんだけど、和楽器で演奏される久石譲のテーマ、鳥肌…!! pic.twitter.com/Gv7D4ovt7N
— poetly (@poetly) January 1, 2021
あのエキゾチックな久石譲のテーマ曲と、和楽器の相性がまた最高…!!
ナウシカ歌舞伎のテーマ曲の和楽器との相性の良さはとりあえずこの予告編を観て…!!→
— poetly (@poetly) January 16, 2021
新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』ブルーレイ・DVD 予告編 https://t.co/fH7FXu27xf
と、トリウマ…トリウマ二本足だから、馬だけど中の人もひとり…!!
— poetly (@poetly) January 1, 2021
歌舞伎の馬は演者さんが二人入ってますけど、トリウマはひとりのせいか、菊之助さんが落ちて骨折したんですよね…さすがに重いよね…
テトにナウシカの研究室に案内されるユパさま、謎のファンサ
— poetly (@poetly) January 1, 2021
ここ笑いましたね。無駄に客席をグイグイ通るユパ様(尾上松也)。
王蟲の声が中車、というところに奥さんが反応している…香川照之が虫を……!! pic.twitter.com/cEaLj9JrSr
— poetly (@poetly) January 1, 2021
虫おじさんが蟲に…!!
クシャナ、ちゃんとクシャナじゃん……
— poetly (@poetly) January 1, 2021
皆さん絶賛していますが、中村七之助のクシャナが本当に素晴らしい!タフでクールで凛とした軍師…!!
「ナウシカ」を知らない奥さんにナウシカの物語概要を音声ガイドするおたく
— poetly (@poetly) January 1, 2021
映画版のあたりまでなら概要説明できました。土鬼(ドルク)とか出てこないし。
ミトじい、ほっぺが赤すぎるが、もともと時代劇の従者っぽいキャラクターなので完璧だな…かたじけない、というセリフが自然すぎる…
— poetly (@poetly) January 1, 2021
ミトじいの「姫さまァ!」完璧
— poetly (@poetly) January 1, 2021
ミトじいは元々が時代物の家老ですよね。
いかりで采配をバキッ!と手折るクシャナ!!歌舞伎って意外と手持ちの道具をリアルに壊すんだよね…!!
— poetly (@poetly) January 1, 2021
以前観た歌舞伎の演目では、「親の仇と杯を交わす」シーンで、怒りに震えて両手で持った三方をバキバキと破壊する演出があって度肝を抜かれました…
え、何で子供に?遠近法??
— poetly (@poetly) January 1, 2021
メーヴェに乗るナウシカが、急に子役になって遠近法を表現するというシーン。「遠見」というそうです
王蟲の精!!!!そうか大道具に芝居させるより王蟲の精を演者にさせる方が芝居になるよな………!!
— poetly (@poetly) January 1, 2021
蟲愛る姫
— poetly (@poetly) January 2, 2021
鳥の人
で、青き衣に早着替え!!
その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべしィィィ!!!
— poetly (@poetly) January 2, 2021
これを歌舞伎の口上で言われるのたまらん!!!
映画版はここまでだけど、この後の展開どうだったっけかな…
— poetly (@poetly) January 2, 2021
水場の殺陣!!めちゃくちゃあぶねえ!!!
— poetly (@poetly) January 2, 2021
王蟲の培養層のシーン、水を使った殺陣。舞台上が全部びしょびしょになり、どう見ても滑りやすそうで本当に危ない。でもこれ、歌舞伎のお家芸らしいです。水がかかっても、かつらの髪型が乱れないところもすごい。
おお…この展開……精神世界の空中戦……最期のジェダイじゃないか……
— poetly (@poetly) January 2, 2021
マニ僧正さま、良すぎる…ほぼオビワン……
— poetly (@poetly) January 2, 2021
スターウォーズみも出てきます
クシャナ、ハリウッドでやるなら絶対シャーリーズセロンだな…! pic.twitter.com/OO1aSEs74z
— poetly (@poetly) January 2, 2021
3巻最後の名シーン…土鬼の砲台を制圧し名馬を見送る…
— poetly (@poetly) January 2, 2021
メーヴェの飛翔シーンはさすがにアレだけど、そこは宮崎駿のしーんで脳内補完だよな……
— poetly (@poetly) January 2, 2021
ワイヤーで吊った「宙乗り」も、歌舞伎の得意技ですね…!
ナウシカ歌舞伎前半、観てしまった……
— poetly (@poetly) January 2, 2021
いやもう、早く歌舞伎・鬼滅の刃をやってほしい……竈門炭治郎は誰でもいいから長男で……
— poetly (@poetly) January 2, 2021
はぁ…歌舞伎につられて宮崎駿『風の谷のナウシカ』原作を読みはじめて、全7巻読み終えるまでに今までかかってしまった……お……重い……3巻以降の展開は断片しかなくて、通しで読み直すとその深淵におののくわ…… pic.twitter.com/R55mibrKMM
— poetly (@poetly) January 2, 2021
原作、去年たまたま買いなおしていたので良かったです。がっつり予習して二日目の後半に臨みます!!
『風の谷のナウシカ』原作版のストーリーは、いつか完全映画化されるのではないか……宮崎駿の没後かもしれんが……3時間×3部作とかで……本当に素晴らしい……ひとつの巨大な経典を読み切ったような脱力感だよ………
— poetly (@poetly) January 2, 2021
ナウシカ歌舞伎後編始まった!ヴ王もミラルパもカッコよすぎ…!
— poetly (@poetly) January 2, 2021
2日目入ります
4巻くらいまできた。森の人は省略かな…
— poetly (@poetly) January 2, 2021
順不同で、後で出てきます
ヒドラきた!ヒドラは出さないとね……
— poetly (@poetly) January 2, 2021
ヒドラ。人造人間ですね。後半、ある意味「神に近い概念」の存在になってゆきます。原作のこのへん、あんまり覚えてなかったですね…
お、ここで巨神兵!
— poetly (@poetly) January 2, 2021
巨神兵の登場、原作以上に後ろに引っ張りました
お、クシャナと兄の対峙。ちょっと戻ったな。クロトワの献身もあり、このシーン完全再現!! pic.twitter.com/mQ8lVf35T6
— poetly (@poetly) January 2, 2021
振り返ってみると、歌舞伎版はこのシーンがいちばん最高で最高でした!!!
クシャナの!!!子守唄!!!!!
— poetly (@poetly) January 2, 2021
漫画版では歌そのものは表現されないので印象に残りにくかったですが、蟲が飛び交う地獄絵図の塹壕で、瀕死のクワトロを膝に抱えて子守唄を唄うクシャナの心の静けさ…飛び交う蟲、軽自動車くらいのデカさで迫力!!
いやまさかこのシーンが舞台一杯に完全再現されるとはね…… pic.twitter.com/lwuvHfX0Ni
— poetly (@poetly) January 2, 2021
仇との対峙、歌舞伎だな〜!! pic.twitter.com/5Th7yd2YUI
— poetly (@poetly) January 2, 2021
ここも漫画だとさらっと描かれますけど、「仇との対峙」は歌舞伎ではお約束なので、こってり見せます
そもそもセリフが歌舞伎っぽい!! pic.twitter.com/NBDMHKF2et
— poetly (@poetly) January 2, 2021
時代物っぽい古風なせりふ回しが歌舞伎に合う~~!
5巻の最後を舞で終わる…!!
— poetly (@poetly) January 2, 2021
あ、森の人出てきた
— poetly (@poetly) January 2, 2021
え、蟲使いの11支族出てきたと思ったらまさかの舞
— poetly (@poetly) January 3, 2021
たしかにここは宴だった pic.twitter.com/kDsMdxzQaG
— poetly (@poetly) January 3, 2021
いやー腐海の果てもきっちり見せたなー
— poetly (@poetly) January 3, 2021
道化、まさに狂言回し pic.twitter.com/iJO7ksKw23
— poetly (@poetly) January 3, 2021
道化も期待通り、いや期待以上でしたねー
いやこんなに観てて飽きない歌舞伎もないよね笑
— poetly (@poetly) January 3, 2021
リテラシー、予備知識があるかどうかで面白さが全然変わるということで…
チククの念話、まさかの直接演説
— poetly (@poetly) January 3, 2021
念話(集団テレパシー)の演出はシンプルに「演説」でした
ママ…は母上……に
— poetly (@poetly) January 3, 2021
そして7巻に突入
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ユパ様の最期…ちょっと意外な改変
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ここは、「弁慶の最期」みたいになるかと思ったら、直接「串刺し」にはならなかったのでちょっと意外だな、と。
さすがに巨神兵の飛行は無しか…毒の光、というのは放射能のメタファだよな…
— poetly (@poetly) January 3, 2021
巨神兵は歩いて勝手に行ってしまうので、飛ぶか歩くかはあんまり関係ないんだな…
— poetly (@poetly) January 3, 2021
「ヒドラの庭」って言っちゃったよ!
— poetly (@poetly) January 3, 2021
こういう直接的な表現は原作にはなかったと思います。
おお、母の化身から庭の主への切り替わり…!歌舞伎にしかできぬ!
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ここねぇ、女形から男に演じ分けるんですよ…母親の姿を借りて、ヒトの心の弱みに付け込むという「清潔でグロテスク」な存在……歌舞伎フォーマットにドンズバかつ、演者のすごさがガツンと伝わる鳥肌もののパフォーマンスでした……
おお、火の玉!テトの魂!!
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ずっと共に旅をしてきたテトとの別れは原作でも丁寧に描かれましたが、「命が尽きてゆきながらも、ナウシカへの想いを残しつつ召されてゆく…」という演出を、古典的な火の玉でやるんです。最高ですね
歌舞伎とSFの相性の良さよ…!
— poetly (@poetly) January 3, 2021
荒唐無稽、なんでもありですからね…!
救われる皇子どもはちょっと見たかったな…
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ピアノに魅入られてゆくボンクラ皇子の兄弟は省略。見たかったけど、「まともな文化が失われた世界で、音楽のすばらしさに魅入られてゆく」…という流れなので、歌舞伎世界では難しかったかも。「歌や踊りが失われた世界」って前提は、歌舞伎の中では表現しにくいよね。
あ、最初からシュワの墓所が割れてる
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ここはけっこう飛ばしましたね。最後に一矢報いるミトじいのがんばりも省略。ガンシップとか出てきちゃうし。
ヒー、ここ完全再現! pic.twitter.com/cImqNtLBUy
— poetly (@poetly) January 3, 2021
まさに時代物の舞台。ここも見事でしたねぇ
うおお、乗り移られ豹変する道化…歌舞伎!!! pic.twitter.com/O7V7VuLMZb
— poetly (@poetly) January 3, 2021
下卑た道化に乗り移る神(ヒドラ)。一人二役。ここもまた見事でしたねぇぇ。役者冥利に尽きる。
え、墓の精出てきた 誰
— poetly (@poetly) January 3, 2021
あ、原作よりわかりやすくナウシカを庇うヴ王
— poetly (@poetly) January 3, 2021
原作でもヴ王はナウシカをかばうのですが、小コマでちょっとわかりにくいんですよね。
オーマの精!!!!!精と精の対決!!!連獅子!!!!!
— poetly (@poetly) January 3, 2021
王蟲もですけど、オーマ(巨神兵)、墓の精(ヒドラ≒人造の、神のような存在)、それぞれ擬人化というか「精」として出てくるのはいい解釈でした。人がやるから、ほかのキャラクターとの芝居も「人と人」になるので、芝居として盛り上がる。これが「人と大道具」になっちゃうと、ちょっと厳しい。しかしこの最後のクライマックスで、紅・白の連獅子で対決させるとは~~、アガる~~!!!
歌舞伎のすごさは抽象化とリアリティラインが完全にコントロールされてるとこだよなーー
— poetly (@poetly) January 3, 2021
コントロールされている、というより歌舞伎を歌舞伎たらしめている抽象化のフォーマットがはちゃめちゃに強いだけなのかもですが……何でも歌舞伎っぽくできるというか……(しかしナウシカはあらゆる意味で歌舞伎と相性が良かった…菊之助すごい!慧眼!!)
— poetly (@poetly) January 3, 2021
『道化、貴様が証人だ』
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ここねぇ、細かいんですけど、「王位の継承に証人を立てる」というのが時代物の説得力、くすぐりが効いてるのよね…そしてそこを端折らずに見せる歌舞伎…わかっていらっしゃる…
終幕!!!!!! pic.twitter.com/7buh2OW3gQ
— poetly (@poetly) January 3, 2021
ズバッと原作通りのこのセリフで終わるんですよ…お見事!!
いやー、お見事でした。尾上菊之助、「ナウシカを歌舞伎化したい」とジブリに相談に行ったら鈴木敏夫に「ナウシカ難しくないですか、もののけ姫では?」と言われたそうですが、やってみれば、ここもあそこも歌舞伎的フォーマットにビシバシはまる相性の良さ!!ここを掬い取った尾上菊之助の慧眼が光りますねーー。正月早々最高の体験でした。ありがとう歌舞伎!!!
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