音の三大要素について 第一回
この記事を書いたのは 山岡さん.
0. この記事から理解できることは?
1. 音の三要素とは何かについて
2. 音の三要素の有用性について
1. 音の三要素とは?
音の三要素とは「音の大きさ」、「音の高さ」、「音色」です。
1-1.「音の大きさ」とは?
音の大きさは、「音波」における「波の幅の大きさ(振幅)」と比例します。波の幅が大きいと空気の圧力変化が大きくなり、波の幅が小さいと空気の圧力変化が小さくなります。この圧力変化の量を「音圧」と言い、音の大きさは音圧によって決まるとされています。
図1は同じ発話者、発話内容において音量が違う場合の波形を表しています。下の波形の方が波の幅が大きくため、音が大きいことが分かります。(違いが気になる方は添付ファイルをダウンロードして聞いてみてください。)
音圧の国際単位は、「Pa(パスカル)」です。だだし、Paは天気予報の気圧でも用いられる単位でもあり、一般的な音をこの単位で表現すると巨大な数値となってしまいます。そこで比較を容易にするため、対数に置き換える「音圧レベル」で表現するようにしています。その音圧レベルの国際単位が、「dB(デシベル)」です。以前日本では「ホン」で音の大きさを表現することもありましたが、現在使用されていません。
知覚する音の大きさによって、印象や感情が左右されるため、あらゆる場面で、適切な音の大きさを知ることはとても大切です。
表1で身近な音の音圧レベルをデシベル(dB)で表記します。
自分が普段話しているの時の声の大きさが50dBなのか、60dBなのか、怒っているときや落ち込んでいるときは普段と比べて音の大きさはどう変化しているかを知ることで話し方の改善に用いることが出来ます。
1-2.「音の高さ」とは?
音の高さは、「音波」における「波の数量」によって比例します。この波の数はいわゆる「周波数」と言われるものであり、周波数の数値が高い場合に「高音」として認識され、周波数の数値が低い場合に「低音」として認識されます。音の高さは、この周波数によって決まります。
基準となる音に対して2倍の周波数の音が「1オクターブ上」の音程になることやなど様々な特徴を持っています。
人の音の高さはこの周波数を変化させることで音の高さに変化を生み出しています。より詳しく言えば声帯が一秒間に何回振動するかによって声の高さが決まります。
図2では下の波形が上の波形の2倍の周波数となっています。この2つの音声においては下の波形の方が高い音に聞こえることを示しています。
(違いが気になる方は添付ファイルをダウンロードして聞いてみてください。)
周波数の単位は「Hz(ヘルツ)」を用います。1 Hzは1秒間に1回振動することと同値です。
人が認識できる周波数のことを可聴領域と呼び、可聴領域は20Hzから20,000Hz(20kHz)と言われています。可聴領域以下の周波数の音を超低周波音、可聴領域以上のものは超音波と呼ばれます。
人間が発声する音の周波数は80Hz〜1000Hz辺りと言われており、話す時の音声の周波数は120Hz〜300Hz辺りです。
声の高さも声の大きさと同じように、知覚する音によって、印象や感情が左右さます。例えば、男性でいつもより声が低い場合は怒っているように感じやすいなどです。
ほかにも聞き取りやすい音の高さなどの研究もおこなわれており、音の高さも話し方を評価する上で大切な情報です。
1-3.「音色」とは?
音色は、音波の質の違いによって生み出されるものです。同じ音圧、同じ周波数であっても、その波の形が異なることで、人はその音色の違いを区別します。
図3では同じ音圧、同じ周波数であっても、その波の形が異なる波形の例です。音声をダウンロードしてぜひ音色の違いを確かめてみてください。
声優さんのように音色を自分自身で変えるにはトレーニングを必要とする場合がほとんどですが、声質により印象を変えることもできます。
2. まとめ
・声の大きさは、振幅の大きさと比例する。
・音の高さは、周波数と比例する。
・音の音色は、波形の形と関係がある。
・音の三要素は、それぞれ印象や感情と関係がある。
次回の内容
次回は「音の大きさ」を音声波形から数値化する手法について紹介します
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