武田こうじ

詩を書いています。 ポエトリー・リーディング・ライブをしています。 子どもの時はノート…

武田こうじ

詩を書いています。 ポエトリー・リーディング・ライブをしています。 子どもの時はノートにいろいろ書いていました。その頃のように、noteにいろいろ書いてみようと思います。 https://starry.shop/blog/park01/

最近の記事

note12 ごはんのこと/つづきを書くこと。

 ごはんのこと。ごはんを食べにくる、誰かのこと。そして、その誰かのために、ごはんをつくるみちよさんのことを考えます。  仙台に、2022年の12月にできた『KITCHEN DELICA meguru』。ここは以前、40計画をやっていたみちよさんのお店です。  40計画の時に詩の展示と、ライブをさせてもらいました。とても好きなお店で、もちろん、ごはんもおいしく、通っていたのですが、いつの間にか足が遠くなり、気づけば、お店はなくなっていました。  「喫茶meguruというのがで

    • note11 ごはんのこと/サラミッダのこと。

       ごはんのこと。朝ごはんのこと。お昼のこと。おやつのことを考えます。それは子ども時のことを思い出すことにつながります。朝になるだけで涙が出たこと。お昼になって、部屋の中に光が入ってきて、おばあちゃんとごはんを食べたこと。友だちの家に行くと、それぞれのおやつがあったこと。なぜか、自分の家で食べるのと、友だちの家で食べるのはちがうんですよね(同じお菓子が出たとしても)。そんな、あえて言葉にすると、なんかくすぐったくなるような、もう2度と戻れない時間を思って、体の奥の方がギュっとな

      • note10 ごはんのこと/映画とか、食卓のこととか。

         ごはんのこと。ごはんをどこで食べるか。どこに食べに行きたいか。そんなことをいつも考えています。おいしいだけではない、自分にとって落ち着ける場所。大切だと思える時間を与えてくれる場所。そんな「どこか」のことを考えています。  そんなことを考えているのは、ぼくだけではないですよね。だから『孤独のグルメ』のような名作が生まれたわけだし、『酒場放浪記』や『町中華でやろうぜ』などの人気番組もあるのでしょう。実際、ぼくも、かなり盛り上がって見ていました。  思わず、過去形で書いてしまい

        • note9 ごはんのこと/おいしいごはんが食べられますように、のこと。

           ごはんのこと。なにを食べるか。なにを食べたいか。そんなことをいつも考えています。そして、それはなにを食べないか。なにを食べたくないか、を考えることでもあります。子どもの頃から、なぜか、ごはんを食べることに真剣だったと思います。自分が子どもの頃は、祖父母と一緒に住んでいたこともあり、家でごはんを食べるのが当たり前で、外食することは滅多にありませんでした。ある時期から母も働きだしたので、ごはんが遅くなったりすることはありましたが、お弁当やお惣菜を買ってきた、というのはあまりなか

        note12 ごはんのこと/つづきを書くこと。

          note8 手紙 Ending

           ふと空を見上げると、小さな雲が「なにか」を書いているように、風に揺れて、空に浮かんでいる。白い紙の上を文字が進むのではなく、青い原稿用紙の上を白い文字が進むように、雲が「なにか」を書いている。そんなことを子どもの頃は、いつも考えていた。  実家のある中山は坂の途中に家が建っているようなところで、かなり遠くまで見渡せた。二階のベランダからは、海が見えた。夜になると、遠くの街の灯りが見えた。灯りはチカチカして、ゆらゆらして、滲んでいた。  そのチカチカも、ゆらゆらも、「なにか」

          note8 手紙 Ending

          note7 手紙 Opening

           いつも思うことだけれど、どうして、その時はわからないのだろう。繰り返し、立ち止まり、ふと自分の考えを整理したくなって、いろんなことを振り返る。きっかけもいろいろで、ぼくはそうしたことが得意だと思っていたけれど、気がつくと、またできなくて。物事を整理して、考えることがこんなに難しいとは思っていなかった。  誰かと話をしている時は、なんか、わかったような気がしてくる。うまくできないことを受け入れて、それが当然のことだと、理解できて、それを踏まえて話ができるというか。そういう意味

          note7 手紙 Opening

          note6 ラジオについて

           詩人として、いろいろな活動をしてきました。基本は詩をつくり、ポエトリー・リーディングをするというものですが、中には「えっ、ここで?」というところや、「これ、ぼくでイイの?」というものまで、いろいろなものがありました。  その中でも、自分が好きで続けてきて、自分で終わらせたものがあります。それはラジオ番組です。ぼくが活動を始めた90年代後半は、コミュニティエフエムが各地に出来始め、所謂キー局ではないラジオ局が自分たちで番組をつくり、放送を始めた時でした。子どもの頃はラジオから

          note6 ラジオについて

          【詩】#23 その次のレイン。

          ハチミツ色に 空は染まり ところどころ 深く緑に 街は欠伸する 傘とじゃれあう 雨の後ろを歩いて いつものバス停 絵本の中のような午後 きたないところも 愛してみたいけれど それは きれいにするのとは ちがうから そっとしておこう カーテンが揺れて いつも すれ違っていく だけど 伝え続けていこうと思う

          【詩】#23 その次のレイン。

          【詩】#22 レイン。

          灯りを細かく抱いて 雨を待つ夜 蛍が命を灯し ぼくたちは遠足にでかける 沈黙の中でカフェを開店しましたー 名前です 『雨を約束するカフェ』 夜はいつも 嘘をついて 過去に生きるから 思わず 点と点をつないでみたくなってしまう 雨を待つ夜 蛍は命を閉じて ぼくたちは歩くのをやめる 閉店しますか

          【詩】#22 レイン。

          【詩】#21 いつか

          もう一度 名前を呼んだのは 風邪をひいたまま の ぼくの くたびれた やさしさだった 幾度となく 雪崩が起きた その白い肩に 宇宙を見た 涙の意味がわからない だから たくさん泣くことができた 自分という暴力に 溺れていく アイ・ラブ・ユー いつか それは けっしてたどり着けない ふたり バスルームにポスト もう届かない ふたり はじめてできた さようならに シャンプーとリンスで 乾杯した いつか 泣こう

          【詩】#21 いつか

          【詩】#20 虹に、しまう。

          書いたことのある言葉 再び 募る想い 整理された季節 心の引き出しに しまう あきらめる というドラマほど たくさんの言葉をつかう 虹のとなりに 引っ越しするね スヌーピー しまう

          【詩】#20 虹に、しまう。

          【詩】#19 生きて、いく。

          空は低く 手を洗う いつも 太陽は強く 涙は カーディガン 羽織る つなぐ右手が はずかしい 五月 子どもでいつづけること 子ども扱いされたこと みんな アイスクリーム 溶けていく 大人の味 本を閉じるように 空を片づける 錆びている 今日の終わり 夜は小さく 髪を洗う いつも

          【詩】#19 生きて、いく。

          【詩】#18 街の詩を奏でる

          ぼくはこの、 さみしいところを知っている そこでは風と星がぶつかり チカチカして 見えないが見えてしまう もどれないことが今 気になって いつもより強く手を にぎり返した 夕暮れと黄昏 どうして謝ってしまうのだろう? まちは何年もかけてつくられていく そのことが 未来を懐かしく治してくれる たくさんの夜を超えて たくさんの寝言を紡いで もうひとつ先の 夜空ではじめてみよう 明日の雨は晴れを詩う だから待ってて うん ついたら電話して

          【詩】#18 街の詩を奏でる

          note5ミルクとうたと、iPhoneの中です。

           この連載ですが、いまのところ、火・土でなんとか続いています。作品はいままでに書いたものの中から、載せているので、良いのですが、写真がむずかしい。そもそも、いままでホームページも、ブログもちゃんと作れたことがなく、「じゃあSNSで発信」と思っても、まったくできなかった自分は、このnoteの連載に関して、いままでの反省も含め、それなりの覚悟をもってはいます。そして、その覚悟のひとつが自分で管理・更新をするのではなく、「任せる」というもので、自分はうまく距離を取りながら、続けてい

          note5ミルクとうたと、iPhoneの中です。

          【詩】#17 しっぽ

          ぼくたちは いつもベッドで寝ている ゾウさんは いつも地球で寝ている ぼくたちは いつもブルーを身にまとう クマさんは いつも白いまま黄昏れる ぼくたちは いつもなにかを引きずっている なのに なぜ しっぽがないのかな? ぼくたちは いつもシャンプーをしている ライオンさんは どこから どこまでが髪の毛かな? ぼくたちは いつもコンビニに行く キリンさんは いつも空を食卓にしている ぼくたちは いつも言葉と生きている なのに なぜ じょうずに泣くことができないのかな?

          【詩】#17 しっぽ

          【詩】#16 ginga

          この瞳にうつったものと 心まではどれくらいの距離があるのだろう この手でふれているものと 心まではどれくらいの距離があるのだろう 言葉という宇宙から こぼれ落ちて いつも「なんか」って言っている 大きいと 小さいは たくさんあるけど ちょうどいいのが あんまりないから 見えないものをいつも 確かめようとしてしまう 夜空に散らばる星たちが 意味とか 理解とかを 越えて 自分として 輝いている 過去が語りかけてくる 「未来になってしまおう」 だけど もう忘

          【詩】#16 ginga