お金というエネルギーは巡らせるもの

ずいぶん前になるが、ロサンゼルス経由でラスベガスへ行った。帰路、小銭が残っていたので、ラスベガスの空港内にあるスロットマシーンで使い切ってしまおうと思った。２０セントコインを入れてレバーを引き、ボタンを押したら、みごと高い倍率のマークがそろい、ジャラジャラと高らかな音をたててコインが出てきた。合計２０ドル。
小銭を使い切るつもりが逆に増えてしまった。

またいつアメリカに行くかわからないからお金を使ってしまおう、経由地のロサンゼルス空港でおみやげで買おう、と思い空港内を歩いていたら、
「貧しい子供たちへ募金をお願いします。こんなにたくさんの人が署名と募金をしてくれたんです、見てください」となんとか協会と名乗るスタッフに声をかけられ、名前、国籍、募金額が書かれたノートを見せられた。
「多くの方が２０ドル募金してくれています。＄２０で結構ですので」と言われたので＄２０を募金した。
不思議だな、私がラスベガス空港で＄２０儲けたのを見ていたかのようだと思った。

これが「あぶく銭」っていうものか。
自分の元に残らず、泡のようにすぐに消えてしまった。
使い道が決まっていたり、生活に困っていてどうしても必要というわけではないお金は、役立ててもらえるところに行った方が、お金も活かされるってことだ。

お金はエネルギーの一種。
エネルギーが循環するから、人は生活し生きていくことができる。だから、自分のところに留めておかないで巡らせてあげないと。

「金は浮き物」一か所にとどまらずに人から人へめぐるもの
「金は湧き物」思いがけず手にはいるもの
「金は天下の回り物」は英訳で、
Money is a great traveler in the world.

私が旅先で得た＄２０は、いろんなところを旅してまわり、成長して私の元に戻ってくることがあるかもしれない。

帰国してがっかりしたことがひとつ。
ロサンゼルス空港で募金した団体は詐欺だったと思われる。ネームカードをつけていたし、空港内だから、一切疑わなかった。旅にはトラブルがつきもの。なくなったのはあぶく銭、自分が無事であればそれでいいとしよう。