フォト&ショートストーリー ヒゲ爺 愛してます♡
初めての出会いはいつだっただろう。道端で偶然みかけた瞬間、私のハートは射抜かれてしまった。
キュートと渋さを併せ持ち、その表情はたいてい怒っているような、何かを深く考えているような。
名前はわからない。聞いたところで教えてはくれない。だから勝手に【ヒゲ爺】と呼ぶことにした。
幸いなことに、ヒゲ爺とはいろんなところで出会うことができる。横をビュンビュン車が通る交通が激しい歩道とか、なんでもない道端とか。公園とかで出会える確率は高い。
私はヒゲ爺を見たとたん、どこであろうが人目をはばからず、写メを撮る。
ヒゲ爺に笑顔を求めたところで無駄なこと。決してそのかたい表情を緩めることはない。
誕生日に公園を散歩していたら、視線を感じた。なにかたくさんの目が私に向けられているような感じ。横を見たらそれはもうたくさんのヒゲ爺が私をみつめているではないか。
「ハッピーバースデー」祝ってくれるの? でもその表情に笑みが浮かぶことはない。
この記事が参加している募集
いただいだサポートは、感動や喜びを見つける旅のために使わせていただきます。 インスタに身近にある素敵なものをアップしています。 https://www.instagram.com/poemist_akemi