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出町ろろろ

出町ろろろのランチに行った。
京都の今出川らへんにあり、カテゴリーとしては「和食店」。
学生時代、食べることが大好きな大学の教授がおすすめしてたお店。


もう本当にね、とてもとてもとてもおいしかった………。ぜひ長々と語らせてもらいたい。


まずお店の雰囲気がよい。落ち着いたマダムもいらっしゃったし大学生のカップルもいた。

予約の時点でお弁当かミニ懐石か選ぶ。今回はミニ懐石にしてみた。


まず出てきたのがこれ。
各々の細かい料理名は忘れてしまったが、全部おいしかった。
ほとんどが青菜を煮たものであり、ぱっと見ぜんぶ似てるな…と思うが、それぞれ違う。でもすべてやさしい。やんわりした出汁で丁寧に煮浸しにされたのがわかる。よく知っている「家の味」を研ぎ澄ましたような感じで、口に入れるたび安心感がある。
右下は甘い九条ねぎを出汁でとろとろに煮たもので、肩こりがほぐれるかと思うくらいじんわりしたおいしさだった。
あとそのねぎの隣の揚げ物は、ごま豆腐の天ぷら。かりかりの衣からごま豆腐がとろとろ滲んでくる。

このお店の料理の感想に、強い言葉は使えない。慎重に言い表さないといけない。

2品目がこれ。
焼き物。見えている野菜の下には鱈の切り身がある。
かかってるのはお味噌。詳細は忘れてしまったけど、海苔か何かが入ってる味噌だった。
おいしかった。むかごって他に例えられない味がすることを知った。小さいじゃがいもをに野趣に富んだ味にした感じ?食感はホクホクしてるけどちょっと硬め。

3品目。
だし巻き卵〜!ふわとろ。だし巻き卵の枕詞レベルで「ふわとろ」が使われているためにこの言葉では伝えきれないのが残念だが、ほんとにふんわり、とろおり だ。でもちゃんとどっしりと重ねられてる。
そしてかき揚げ。具材までサクッと噛み切れるぐらい中までカラッと揚がっている。でも油っぽくなくて軽い。何がかき揚げにされてたかは忘れてしまった…!もう行ってみてください!このうろ覚えのレビューを読む前に!
そしてこの中でいちばん感動したのがごはん。
え、もうご飯すごい。土鍋で炊かれており、米のとても良いにおいがする。いつも食べているのより心なしか先が尖った米だった。それが分かるほど、口に入れてもくっきり輪郭がわかる粒立ちのよさ、ほどよい硬さ。硬さはありつつ、米のねばりもちゃんと出ている。
ほんでおこげ!おこげ本当に神。ここばかりは強い言葉を使わせていただきたい。計算されたおこげはせんべいのようにパリパリでおいしい。私が調理実習で作ったベリベリのかったいおこげとは似ても似つかない。すごいなあ…。
お味噌汁はセロリがはいっていた。

最後の甘味3種。
ひとつひとつのフォルムが◯△□と違ってかわいいし、配置のまとまりといい黒文字の添え方といい、丁寧。このお店の最後の一皿としての期待を裏切らない。
上はくるみがなめらかなあんに包まれている。左はほうじ茶クリームチーズ。これが何かで固められてるような感じで不思議だった。ひとくちで食べることもあってか、ほうじ茶の香りがぶわりと来た。
右はチョコレートと何かしらの柑橘のようかん。もうほんと、覚えてなくて申し訳ない…。この組み合わせはやはり間違いがない。


ほんとうにおいしかった。ちょうど腹八分目で、お店を出た後に「体にいいことをしたなあ」という気分になる。
どのお料理も見慣れたもので、視覚から味が想像できるものが多い。そしてその想像を裏切らない。裏切らない心へのしみこみ具合だ。

 あと、心を動かすものを自分で作り出せる人ってすごいなと改めて思った。料理人、パン屋さん、演奏家、歌人。サービス業で心地よい空間を作り出す人も。
 日常が、お店のBGMみたいに流れ続けるメロディーだとすれば、心動かされる瞬間は休符だと思う。思わず立ち止まってしまうものを作るためにはそれをひたすら追い求める地道な積み重ねが必要。心から楽しく追求をやることが必要で、このお料理はまさにそうだった。
そういうものにたくさん触れていきたいですね。

平日でも予約必須、是非!
最寄りは地下鉄今出川駅、京阪出町柳駅など。

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