ポエマム

ポエマーのマムです

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最近の記事

くだもの

人の心って、くだものみたいだと最近思った。 真ん中に種があって、それを覆う柔らかくてあまい果肉がある。種は食べられないからそれを避けてかじったりする。 種をかじってしまわないように気をつけながら果肉を味わう。それが会話だ ともいえると思う。 種が大きくてあんまり食べるところのないビワみたいなのもあるし、スイカみたいに種が散らばってて常になんとなく気を張って食べないといけないものもあるし、りんごみたいに種が小さいから心おきなくかじりつけるものもある。 種に近づくにつれてど

    • なんとなく覚えていること

      日常のなかで、もう言葉にするほどでもないくらい自分のなかに馴染んでいる記憶がある。 何かにつけて思い出すけれど、いま自分これを思い出してるなあ、というのを自覚することも難しいくらいの何か。二つの石鹸をだんだんくっつけていくみたいに、いつのまにか自分の一部になっている記憶の断片。それは友達との会話だったり、テレビで見聞きしたことだったりする。 そういうことって、思い出さなくなっても気づかない。今までの人生で、そうやって自分の一部となって、もう思い出さないことってけっこうある

      • 夜の桜

        死の気配をぬぐうように、桜の下をくぐった。 いまの仕事は、看取りまでの時間を安らかに過ごす方たちと接する機会が多い。 命が終わることを待つ、その空間は言い表しがたい独特の雰囲気がある。言い方はあれだが、その気配を背負ったまま退勤している気がする。 最寄駅から自宅までに、3本の桜がある。 ひとつは警察署の濃いピンクの桜、ひとつはごみ置き場の前にそびえる桜、もうひとつはT字路のつき当たりで、どうだと言わんばかりにしだれている桜。 どれも水銀灯のつめたい光に花をさらしていて、静

        • 靴下と花束

          プレゼントは、人の心を形にする。

          有料
          300

          出町ろろろ

          出町ろろろのランチに行った。 京都の今出川らへんにあり、カテゴリーとしては「和食店」。 学生時代、食べることが大好きな大学の教授がおすすめしてたお店。 もう本当にね、とてもとてもとてもおいしかった………。ぜひ長々と語らせてもらいたい。 まずお店の雰囲気がよい。落ち着いたマダムもいらっしゃったし大学生のカップルもいた。 予約の時点でお弁当かミニ懐石か選ぶ。今回はミニ懐石にしてみた。 まず出てきたのがこれ。 各々の細かい料理名は忘れてしまったが、全部おいしかった。 ほとん

          出町ろろろ

          季節のあるある収録記

           なんやかんやあって、歳時記を読んだので感想を書く。  歳時記は、俳句をつくる人のために季語が季節毎にたくさん載っているものである。  言葉の趣を説明しているので、執筆者の主観もところどころ入っていて笑ってしまう。  (俳句はほとんど触れたことがなく、的外れなことを書いていたらすみません) 歳時記の魅力 ①いろいろな言葉の由来が載っている  手頃な雑学の本みたいだなと思った。  いちばん印象に残ってるのはこれ。 本当に…? 他に「春」「夏」「秋」「冬」それぞれの語源

          季節のあるある収録記

          日常の寄せ集め②

          見返したら去年もこれくらいの時期にやってた。これから1年ごとにしよう。 Xで呟いたものから。 エチュード弾いたときだけ生き返る美しい思い出たち ずっと行きたかったところ、ずっと欲しかったものがあるっていうだけで素敵ですよ 私はなーひとりで見た世界になー救われるしかないんだぜーそうだろ いまニックネームでLINEを登録してる人がそれを本名に変える時がいつか来ると思うと、怖い ハ音からへ音の読み換えくらいキモいんよなあの子のぎこちなさ しんどいけど、短歌にされるとち

          日常の寄せ集め②

          餃子をした日

          母も私も餃子が大好きである。 ちょうど昨日、家で餃子パーティーをしたのでその様子を記していきたい。 この先、餃子の足りていない日々を過ごすことになったとき、これを読んで心の穴が満たされることを願って…(むしろ広げそう) まず、「餃子」は買い出しに行くところから始まる、というのが私のポリシー。買い出しに行き、野菜を切り、タネをこね、包み、焼く。そして食べる。この一連の流れを「餃子」と呼ぶ。私の中では食べ物の名前ではなく、イベント名である。 と言いつつ今回は母が買い出しに行っ

          餃子をした日

          好きな曲②

          通勤中の地下鉄のホームで歳時記を開いた。 春 だった。 ぶわっと風が吹き上げたみたいに感じた。 というわけで、好きな曲第二弾。 世界の終わり/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 世界の終わりだけど、青空のような印象がある。伴奏は派手なのに、静かな午後が頭にイメージされる。 世界が終わりそうに赤い夕焼け とか言うけれど、快晴の昼下がりに世界が終わるような気がする。というか、そういう終わりだとドラマチックだなと思う。君と僕だけが世界の終わりを知っていて、

          好きな曲②

          マキちゃん

          素敵な友達がいた。 名をマキちゃんという。 とてもお世話になった。 高校の時から、お世話になりっぱなしだった。 就活激病み期の私を深夜花火大会に連れ出したり、あわやペーパードライバーになりかけの私を無理矢理運転席に座らせたり。 でも急に消えてしまった。多分生きてはいる。 LINEもSNSも、電話もなんも通じない。 かなしい。 よく夢に見る。 マキちゃんが何食わぬ顔で帰ってくる夢。 かなしいなー。 みんなに優しくて、もしかしたら優しかったのは必要とされたさの裏返

          のばら珈琲

          のばら珈琲に行った〜〜〜!!! まだ2回しか行ってないくせに、のばら珈琲に行くことを「のばらる」、のばら珈琲に行きたい気持ちを表すのに「のばらりたい」と勝手に造語するほどには大好き。 のばらは、お店の入り口までが良い。 となりのトトロで、メイが庭で遊んでるシーンがあるが、あんな感じの空気だ。静かで明るい。 中に入ると、男子大学生2名が先客だった。小さな席で、おおきい体をまるめて座っている。ジャルジャルのコントに出てくるタイプの大学生で、こそこそ喋りながらお互い小突きあっ

          のばら珈琲

          おいしいカレー屋さん

          ずっと行きたかったカレー屋さんに行った。 職場の近くにあり、普通の家っぽいところに小さな看板だけ出ている。前に職場の人とランチした時に通りかかって、次はここに行こう!と決めていた。 お店に入ると、なかなかカオス。 まず、合計10席くらいの小さな店内に時計が4つくらいある。ちいちゃいのじゃなく、おっきな掛け時計が。あと座ったり寝そべったりしてるまねきねこがたくさんいる。あと謎の小さな窓がたくさん空いてる。ちなみに窓からは隣の物件の壁が見える。 椅子の彫刻や布、照明がかわい

          おいしいカレー屋さん

          好きな曲

          5歳からピアノを習っていた。小学生のころは合唱団に入っていたし、中高と吹奏楽部、大学ではオケをやり、今でも細々と吹奏楽団に所属している。 なので、自分は音楽が大好きなんだな、とずっと思っていた。 でも、どうやらそうでもないっぽいことにさいきん気づいた。 いや好きなのよ?好きだけど、そこまで熱のある趣味ではない。続けられる程度には好き、って感じだ。 ちょっとでも好きって思うなら趣味って言っていいんじゃない みたいな考えもあるけど、私は「自発的な探究」がそこにあってこそ趣味

          ユラン キーファー

          ユラン! 私の大好きな古着屋さんの名前。 服を買う予定はないけど、なんかあの空間に行きたいな と思わせる、ありえない服屋さんだ。 その魅力を語っていきたい。 服  言わずもがな、置いてある服がめっちゃいい。 私の中で服屋さんは2つに分かれている。「求めている部品を探す店」か、「一目惚れしにいく店」だ。まったく対になってない表現なので自分であんまりしっくりきてないが、なんとなく伝わると思う。  ユランは圧倒的に後者で、及第点の服を買うことはあんまりない。「これぇ〜〜〜!

          ユラン キーファー

          着る脱ぐのうた

          たまにNHK短歌に投稿している。 岡野大嗣さんの週のテーマが「着る/脱ぐ」だった。これはかなり身近なことだし、なんか作れそう!と思って取り掛かった。わたし服好きだし。 めっちゃ難しい。 毎日やってることで、誰にでもある日常なのになぜこんなに難しいのか。なんか服の歌ばっかりできる。可愛い服を着るとき、オフィスカジュアルのとき…。でもそれは服の歌なんよ。 あるアイテムとワンセットになってる動作は作りづらそう。「食べる(食べ物)」とか。逆に「歩く」とかだと、周りの景色を自由

          着る脱ぐのうた

          マッチングアプリの話

          この前マッチングアプリで知り合ってデートした人にフラれた。 まあバレーボールの高橋藍選手似の男前だったので、何かの間違いだったのですよ、デートしたこと自体。 マッチングアプリはそういうバグが起こるから怖い。 すっかりお金の精算を忘れてて、私が払った美術館のチケット代をLINEギフトで返してもらった。 ローソンかファミマか選ぶよう言われ、スイーツがおいしいローソンにした。きょうのお昼に使おうと思ったら全然周りにローソンなくて、けっきょく15分くらい歩いて、わざわざローソン行っ

          マッチングアプリの話