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地方都市のカフェの片隅で考える

お盆だからなのか? そうなのか??

ちょっと気分を変えて作業がしたくて、はじめてのカフェに入ったら、お客がわたししかいなくて衝撃を受けた。

これだけでは何が衝撃なのかぜんぜん伝わらないと思うので、今日のnoteはただ、わたしのこの衝撃について解説して終わる、と思う。

* * *

はじめて読む方もいらっしゃると思うのですこし補足をすると、わたしは関東出身だけれど数年前から福岡に暮らしていて、今日入ったのは福岡の薬院というところにあるカフェである。

薬院というのは天神(福岡の中枢みたいな感じ)の隣駅だ。都市部だけれど、天神の喧騒とはちょっとだけ距離を置き、住宅街の落ち着いた雰囲気もあり、それでいて裏通りのところどころに小さくてお洒落なお店がぽこぽことあったりする。個人的には東京なら表参道とか自由が丘とか、そういう雰囲気にちょっと近いと感じている。

……というイメージが自分の中にあったので、今日入ったカフェはまず、わたしの先入観としては、「表参道の裏通りにあるお洒落カフェ」というポジションなのだ。

午前中でも午後でもつねに人がたくさんあふれていて、時間帯によっては列をなして待つような、そんな表参道のお洒落カフェ。しかも電源とWifiがあることを、ネットで事前情報として得ていた。他の席は空いていても、電源近くの席は埋まっているかもなあ。そんな感じのイメージを持っていた。

この前提がないと、わたしの衝撃はたぶん絶対に伝わらないと思うので、ていねいに念を押しておこう。

* * *

そして来訪。

オープンとほぼ同時に訪れ、1時間ほどここで作業をしているけれど、テイクアウトなどはさておき、とりあえず2階席にはずっと、客はわたしひとりである。

広々としたお洒落なカフェ空間で、なぜか貸し切り状態でもくもくとPCに向かう。

ものすごい、違和感なのだ。

だって、お洒落で居心地もよいカフェなのだ。2階席はコンクリート打ちっぱなしの無機質で都会的な空間で、けれど中には背の高い観葉植物がのびのびと生息していて。ベランダには緑が見える。

テイストの違うチェアを並べたテーブル席が並ぶほか、電源やWifiが使える個人用のスペースもあれば、寛いで会話を楽しむための小上がりスペースもある。思い思いに、多用途に使えるカフェだと思う。

だからこそ、いち関東出身者として、こころの違和感がすごい。

だってこのカフェがもし表参道にあったなら。お盆で帰省シーズンだろうが平日の朝だろうが関係なく、満席に近い状態でにぎわっているだろうと思ってしまうのだ。

電源カフェを探して渡り歩いていた関東時代の自分を思い返して、呆然とせずにはいられない。もういっそ、他の国ならばこの違和感もないだろうに。同じ日本だからこそ、パッと見同じような文化圏だからこそ、違和感がものすごいのだ。

大丈夫? ねえ大丈夫? わたしこのスペースひとりで使ってて大丈夫? みんなどこにいるの。

そんな感じ。伝わるんだろうか、わからないけれど。

* * *

ちょっと前に見かけた、福岡移住の先輩、池松潤さんのこんなツイートを思い出した。

この、「既に東京は別の国だ」というフレーズが、しばらく心に残っている。

経済も情報も、たしかにそういう感覚あるよなあ、しかもそういう感覚って、地方都市で暮らしてみてはじめて見えてきたなあ、と思ったのだ。

なんだろう、わたしは感覚ベースの話しかできないけれど、個人の感覚としては「パッと見は同じ」なんだよね。同じ日本だし、同じチェーン店もあるし、ちょっと出張に行くくらいではあんまり見えてこない。

「パッと見は同じ」なんだけれど、よく見てみると、根をおろして生活してみると、圧倒的に違う。いや、ぜんぶ違うわけじゃなくて、違うところがある、という感じなのだけれど。だからよけい、違和感が際立つ。

まだ、わたしの中でもうまくまとまっていない。

* * *

書いているうちに、ようやく打ち合わせ用途らしい別のお客さんがひと組はいってきた。3人組なので、これで4人。ようやくカフェらしくなってきて、わたしのものすごい違和感がすこしだけ和らぐ。

ずっと、音楽が大音量で流れている。BGMというよりはガツンと主張してくる感じで流れているので、このカフェ、音楽が気になってしまう方には向かないかもしれないな。音楽とコーヒーを楽しむ時間を過ごしたい、という方にはうってつけだと思う。

そうして書いているうちに、もうひと組のお客さん。

ああ、よかった、みんな、いた。よかった。そうだよね、ここ「都市」だもんね、そうだよね……。

地方都市でぽつん、と取り残されたような感覚にひとり陥っていたわたしは、そんなことになんだかとても安堵して、ふう、と息をつく。

* * *

というわけで、本日の心が動いたベクトルは「めっちゃ空いとる!」でした。突然の衝撃から勢いで書いたので、また一眼レフ持ってきてないよ。スマホのある時代でよかったね。

ところで、消費者的にはめっちゃいいけど、お店的にはどうなんだろう。土地代も東京に比べたら安いだろうから、これでいいのだろうか。はたして。土日とか、イベントとかでバランスとれているのかな。微々たる力だけども、気分転換したいとき、また通って、応援したい。

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info
■ manu coffee(マヌコーヒー) クジラ店
福岡市中央区白金1-18-28
薬院駅徒歩2分
詳細は公式HPへ↓

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小中ぽこ(ぽこねん)

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。

うれしいなぁ。
伝わりにくいことを文章で伝わりやすくする仕事をしていますが、ここではなるべく脳みその違うきんにくをつかいたいなぁと思ったりしています。さいきんは絵本や短歌が好きです。読み方はおなかぽこ。4歳児に親育てられ中。