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鳥の鳴き声をきくと

ツツピーツツピーツツピーツツピー。

自転車で信号待ちをしていて、ふと上のほうで飛び交う音が耳に入る。

瞬間的に、わたしは思う。

“あ、シジュウカラ“。

べつにとりたてて動物好きでもない自分が、反射的に鳥の鳴き声を判別してしまうのは高校時代のせいだ。

高校のときの理科教師は、ずばぬけて変――もとい、突き抜けて個性的なひとが多かった。

中でもわたしが1年のときに生物を教わったA先生は、風貌からして印象的であった。背が高くシュッとしていて、日焼けした黒っぽい顔に、ばさりと羽織った白衣。そのコントラストとそびえるような立ち様には迫力があった。

さらにいうと、生徒を引き連れて野鳥や野草の観察に外へ出かけるときは「白衣に竹籠を背負う」のが、A先生の定番スタイルだったのだ。

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どうでもいいことをすごくしんけんに書いています。

<※2020年7月末で廃刊予定です。月末までは更新継続中!>熱くも冷たくもない常温の日常エッセイを書いています。気持ちが疲れているときにも…

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