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自転車撤去されてしまいモンモンとしたので改善策をブレストしてみたよ

最近、福岡市内のあるコワーキングスペースで作業することが多い。

朝、保育園まで電動自転車で子を送り、その足でそのままコワーキングスペースへと向かう。

到着するのは午前9時前。コワーキングスペースの入っているビルには専用の駐輪場がないので、周辺に設置されている「天神路上駐輪場」の中から空きを見つけて、駐輪する。1日100円。

目的地に最寄りの駐輪スペースに空きがあればラッキー!という感じで、空きが見つからなければ周辺をぐるぐる回って空きをチェックする。毎日が運試しのようなものだ。

* * *

その日もいつものように、周辺の駐輪スペースをぐるぐると周って空きを探した。だがタイミング悪く、なかなか空きが見つからない。どこもかしこも埋まっている。

あ、空いていた!と思ってみてみると、「使用中止」になっているなんてこともよくある(けっこうよく見かける上になかなか修理されないので、これは単純に早く直してもらえると助かるのだけれど)。

また別のところで、1台だけ空いていた!と思ったら、前輪を高くあげる所だった。イケるんじゃないか、と思ってトライしてみたが、子乗せ電動自転車、なかなかどうして重量も横幅もありすぎる。

いや、重量だけならまだエイヤ!となんとかなるのだが、さらなる問題は横幅である。駐輪スペースは隣との間隔が狭いため、両隣に停まっているのがママチャリタイプのハンドルの場合、こちらのハンドルが見事につっかえてしまい、前輪を上げることは不可能に近い。

うう、これはちょっと無理そうとあきらめ、別の場所はないかと探す旅を再開する。しかし見つからない。

(※ちなみに後日、やはり上段しか空いていなくて、隣のハンドルとの相性が奇跡的によかったのでムリヤリ汗だくで上段に停めた。が、解錠がうまくできず、結局倍の値段がかかった&降ろすのがひとりでは危険でケガしそうだった・・・)

確かに、足を伸ばせば、警固公園という公園の地下には広い駐輪場がある。そこには近年になって子乗せ自転車専用の駐輪スペースもできた。それは大変ありがたいことで、感謝である。

だがいかんせん、遠いのです。わたしの通うビルからは、歩いて10分ほど。この軟弱者が!と言われてもいい、30度を越す酷暑の炎天下、心が折れる。すでに家から自転車をこいできたこともあり、早く目的地のビルに入って水分補給してひと息つきたい、という気持ちだった。

何度か周辺の駐輪スペースを周ったが、空きが出る気配もない。だんだんと、100円払う意志はあるのに、スペースがないこの状況が悪いのでは、という疑問がふつふつと湧いてきてしまう。

あぁ、もうしかたない。満車の駐輪スペースの近くに、通行の妨げにならないように場所を吟味して、路上駐輪をした。

* * *

3時間ほど経って昼に下へ降りると、自転車がなくなっていた。おお、なんと、なんと。放置自転車として処理されたのか、そうなのか……。

自転車保管所を検索して、電話をして確認したところ、やはり放置自転車としてそこへ移動・保管されているという。保管場所まではバスの距離。さらに返還には移動・保管料として2,500円かかるそうだ。

うん、わかる。わかるのだ。

ある程度の都市になれば、集まるひとも多様で、そうやって一律のラインを引いて処理をしなければ収集がつかないだろう。それに、現場の人には罪がないのもわかる。撤去担当のひとは、規定に沿わない状態の自転車をただマニュアル通り、撤去したまでであろう。

だからこそ、気持ちの行き場がなくて、心の底からモンモンとしてしまった。思わず、私よりはるかに福岡暮らしの長い夫に、撤去されたよ…とメッセージを送ると、こう返ってきた。

「あらららら・・・。福岡の自転車事情はマナーも環境も整ってないからなあ・・・。」

ほんと、あららららである。学生時代から15年ほど福岡で暮らす夫がこういうということは、きっと当時からさほど環境は改善されていないということなのであろう(※本人に確認したところ、15年前に比べると「依然足りていないところはあるが、まったく改善されてないわけではない」とのこと)。

ちゃんと100円払って駐輪する意志はあるのに、駐輪スペースの空きがなくて停められず、邪魔にならない場所に停めたら撤去されて罰金を払わなければならないという状態は、どうしたらよいのだろう。

そんなモンモンとした思いを抱えたまま、その日の予定を変更して、炎天下をバス停まで歩き、家とは反対の方向へバスに乗って自転車保管所までとりにいった。

やむなく2,500円を払って自転車を引き取り、また灼熱の太陽のもと、もときた方向へ自転車を漕ぐ。ずうっとモンモンとしながら、自転車をグイグイ漕いでいた。

* * *

そして、あまりにモンモンとして消化しきれないので、どうしたらよいのかを考えてみたいと思った。

その日は勢いで、twitterに「放置自転車を禁止するなら駐輪スペースを増やしてほしい」と口走ったが、少し冷静になれば、それもまあ困難なのかもしれない、と思う。今と同じような形での駐輪スペースを増やすというのは、土地の限られた都市部においてあまり現実的ではないのかもしれない、と思ったのだ。

じゃあ、どうしたらよいのだろう。もんもんもーん。

夜、夫も巻き込んで(いつもありがとう)、「改善策ブレスト」をした。

前提として、そもそも現状把握が想像ベースなので、本気で改善をしようと思ったらデータが足りていない。どこで放置自転車が多いかとか、時間帯によってどう変わるか、どんなライフスタイルの人が多いのかなど、知らないとちゃんとした改善策は出せないと思う。

なので、今回のブレストはあくまでわたしたちの想像ベースの前提をもとにした、雑談の延長だ。

でもせっかくブレストをしたので、ネットの海原に置いておきたいと思う。そしてこのリンクを、福岡市の市政への提案ページにも送ってみたいと思っている。何かがすぐに変わるのが難しいとしても、このモンモンに無理やりフタをして押し込め、ただ愚痴っているよりはまだ健全な気がするからだ。

以下、ブレスト結果を淡々と書いておく。順序に優劣はない。

■ オフィスビルなど、ビル1階を駐輪場として開放すると補助金が出る
単純に、停められる場所を増やすというアプローチ。
■ 予約制にする(事前に検索・予約できるシステムをつくる)
・探してあちこちウロウロするという手間を減らし、どこの駐輪スペースが空いているのかがわかる&そのスペースを確保できる検索システムをつくる。
・利用時刻を設定し、料金は前払い。駐輪スペース自体は増えないが、利用者のストレスは減る。事前にスペースが使えるか使えないかわかれば、例えばその日は電車にするなどの対応もできる。
・また、検索データを蓄積することで、駐輪スペースが足りないエリアが特定でき、その場所には駐輪スペースを増設するなど中長期的な対策もとれる。
・予約制の場合、申請時刻をどう守らせるか?
→申請時刻どおりに自転車を取り出すと10円引きなど、なんらかのインセンティブ必要
■ 移動駐輪場をつくる
・予約制の移動駐輪場。「何時にここでピックアップ」を予約し、一時置き場に自転車を停めておくと、トラックなどの移動駐輪場がピックアップしていってくれる。
・朝とめて夕方まで自転車を利用しないなど、通勤用途の客を想定。月単位など長期で予約できるとよい。
・利用者側には「いつでも取り出せる」という利便性が減るため、なんらかのインセンティブを設定する。利用料金が安いなど。
■ すき間スペースを個人が見つけて、月極前払いで利用できるようにする
・街路樹と道路のすき間など、大きな駐輪スペースは設置できないが、1、2台分なら誰の邪魔にもならずに停められるスペース、は都市部でもこまごまとある。ここを長期利用者が利用できる権利を買えるようにする
・個人がその場所の住所と、写真を送り、申請が通ると前払いで「個人駐輪スペース利用ステッカー」みたいなのがもらえる。そのステッカーがあればその場所に停める権利がもらえる。
・オフィスなどの通勤利用者を想定。スパンが短いと管理が大変なので、半年払いや1年払いくらいでもよさそう。
■ そもそも、「放置自転車ゼロ」というルールを撤廃してみる
・このルールが何のためなのか?に立ち返って、別の解決策が考えられないかを、いまいちど担当部署で考えてみるなど。
・例えば「通行人の邪魔になる」ことが問題なら、取り締まる対象を「点字ブロックの上や道の真中など、通行の妨げになるように置かれた自転車は撤去」にするなど。
・何が問題なのか?をもとに、発想を変えられないか?

個人的には、ラストの、「放置自転車ゼロ」の発想の転換に期待している。「放置自転車ゼロ」は確かにわかりやすくキャッチーだが、それ自体が目的ではないはずだ。

* * *

以上、ブレストベースなのでまとまりはないが、「駐輪スペース増やして!」と叫んでいるよりは、少し前進できた……んだろうか。わからない。

「貴重なご意見ありがとうございました。今後参考にさせていただきます」的なマニュアル通りの回答しか得られないのかもしれないけれど。もしそうじゃなくて、何かが本当に改善に向かうと思える回答が来たら、嬉しい。

ああ、また明日も下段の駐輪スペース確保に朝から汗だくで奔走するのだろうなぁ。なんとかならないものかしら。ふぅ。

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。