歯医者と美容院で目をとじるか談義
ちょっと小難しいことを書こうとして、しばらく書いたり消したりしていたのだけれど、もう今日は圧倒的に時間がなくてそれをまとめるのは無理だということに気づいたので、究極にどうでもいいことを書こうと思い直した。
それがタイトルの通り、歯医者と美容院で目を閉じるか問題だ。
ほんとうにどうでもいい。どうでもいいけど、実はみんなどうなのかずうっと気になっていたことでもあるので、こんな日に書いてみたらいいと思った。
* * *
まずは美容院。
あなたは美容院でシャンプー台に座らせられ、イスの背もたれがジーーーッとゆっくり傾けられて、仰向けになる。美容師さんは慣れた手つきで、あなたの顔のうえにペラっと一枚、うすい不織布みたいなものをかける。
それから髪の毛を濡らしたり、シャンプーをして、流したりしてもらっている間、あなたは目を閉じているだろうか?それとも開けているだろうか?
いまの私は、閉じる派だ。
いまの、と書いたのは、「あ、これは閉じたほうがいいんだろうな」と気づいたのが、おとなになってからだったからだ。
中学生や高校生くらいのころは、なんとなく、うすい紙の下で目を開けていた。いや、べつにずうっと開けているわけでもなく、閉じてみたりするのだが、なんとなく落ち着かなくなって、結局開けたりしてしまうのだ。
しかもそれを、「ああ、美容師さん、うすい紙の下で目開けたり閉じたりしてるのが見えてたら変なやつだと思うんだろうなあ」とうすうす自分でも思いながらやっていた。他にどうしたらいいのかわからなかったからだ。
おとなになって、目を閉じるということを選択するようになったのも、この気持ちから。「もし洗っている側にも見えているとしたら、やっぱり開けたり閉じたりされたら気になるかなあ。ずっと目閉じてたほうが、落ち着いて洗えるかもなあ」
実際は数々のお客をさばく仕事中、だれもんなこと気にしてないだろう!と自分でも思うのだが、99%の美容師さんが気にしなくても、もしかしたら1%くらいの気にする美容師さんもいるかもしれない。
そう思ってしまうと、おとなとしてわたしは目を閉じておこうかね、と思うのだ。
* * *
似たようなシチュエーションが、歯医者でもある。
歯医者は顔の上に不織布がのせられるわけではないので、こちらは目を開けているというひとも多いかもしれない。
もちろん、基本的には目を開けて「何が起きるのか見ておきたい派」のわたしとしては、こどものころから、おとなになっても、ずうっと目を開けている派だった。
だった、というのは、最近になって、閉じることも増えたからだ。
先日、歯の定期検診とクリーニングに行ったのだが、そのときひさびさに歯医者へ行ったわたしは、なぜか閉じることを選んだ。
もちろん何が起こるか不安度の高い「治療」と、比較的穏やかに終わると予想できる「クリーニング」では気持ちがちがうというのもあるだろう。
それもあってか、今回のわたしは歯科衛生士さんが器具を使ってキュイー――、ジュゴゴゴゴーー、とやっている間、意識的に目を閉じていた。
自分が歯科衛生士さん側だったら、その方がクリーニングに集中できるんじゃないかなあと思ったからだ。もちろんこれも単なる想像なので、実際は仕事中、そんなこと気にもとめていないかもしれない。完全に自己満足レベルの話である。
だってね、ちょっと自分で口をがばっっと開けながら、ときに上唇をめくられたり、口に指を入れてぐいー!と引っ張られたりしている姿を、客観的に上から、第3の自分が眺めていることを想像してみたわけですよ。
そうしたら、それ絶対おもしろいじゃないかと思ってしまった。その図を想像したとき、目を見開いて、しかも真顔で、普通の表情でそんな口開いてあっちこっち引っ張られているさまを想像したら、なんだか自分で笑ってしまいそうになったのです。
歯科衛生士さん、たくさんの患者さんを見ているだろうから気にもとめないだろうけれど、100回に1回くらい、突然フッと冷静になって「くっ」とか笑いそうになる瞬間とか、あったりしないのだろうか。
そんなことを考えながら、おかしい図であることはおかしい図なんだけども、せめて目を閉じているほうがまだマシかなあとか、仮に歯科衛生士さんが笑っても見えないしこっちの方が平和かなあとか、だれも気にしないことをぼーっと考えて、目を閉じていたのでした。
口をがばっと、開けながらね。
* * *
ちなみに夫に聞いてみたら、「ええ?どうだったかなあ……」。もちろん、そんなこと気にもしたことなかった、という反応。うん、予想はしていたよ。たぶんそういう人のほうが多いんだろう。
そこをなんとか、と思い出してもらうと、美容院は閉じる派、歯医者は開ける派でした。こういうパターンが、やっぱり多いのかなあと思う。
いや、でもこの、「わかる、目を閉じるかどうか迷うよね」というわたしみたいなひとは、これを読んでくれた方のなかに、ひとりくらいはいたりしないものだろうか。はたして。
そんなわけで、あなたは、どっち派ですか。最近、家族以外とのおしゃべりに飢えているので、気が向いたらコメント欄で教えてもらえたら嬉しいです。
(おわり)
<翌日2018.08.17追記↓>
やさしいnoterのみなさんが本記事にいろいろコメントくださったおかげで、改めて思ったことがあったので別のnoteに書きました。よろしければこちらも。
<2018.08.20追記>↓
ハルヤギさん、まきかなさんが、この記事をもとに、シャンプー談義関連でそれぞれnoteを書いてくださっていました^^noteがnoteを呼ぶ、おもしろいですね。ありがとうございました!
いや、どれもちがう、まだまだ一言いいたいという方はいつでもお待ちしています。笑 noteを書いていただいた場合、twitterやコメント欄でお知らせいただければうれしいです^^
自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。