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感想文部 #毎週ショートショートnote

「今日でこの部室ともお別れか」部長が寂しげに言う。

今日は部長と私が部室に来る最後の日。といってもこの感想文部には私たち二人しかいない。つまり、今日を持って感想文部は廃部になる。

今日が最後の活動だからか。自然と今までの活動を振り返る。「二年の夏にさ、野球部の最後の大会で感想文書いた時、野球部の部長が感動して泣いてくれたのは嬉しかったな」

感想文部の活動は本を読んで感想文を書くことから、他部活動の応援に行き試合の感想を部員に届けることもしていた。部長の文章は素直な言葉が連なっていてとても好きだった。私みたいに回りくどくなくて。

「なあ、折角だからさ、この感想文部で過ごした日々を感想文にしてくれよ。俺、お前の文章好きなんだ」「部長も書いてくれるならいいですよ」

『あなたは私の青春の全てでした』そう書いた紙を部長の紙と交換する。また回りくどくなっちゃったな。部長から受け取った紙には『好きです』その4文字だけが書いてあった。(410文字)

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