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「生活の中で楽しむ色文化:青」のまとめ

3月5日に「生活の中で楽しむ色文化:青」という企画を開催し、とても好評に終わりました。ご参加いただいた方々どうもありがとうございました。これはその時の記録のまとめです。

科学的な視点

人の目は現在のように色を認識するまでに長い歴史があったそうです。色は明るさから暗さまでのグラデーションで最初は認識されていたとのこと。色相環として色を認識するのは19世紀に入ってからだそうです。
日本では、明るい色を「あか」として暗い色を「あお」として認識するところから横長の帯状の形で色を認識しながら、色の概念を発達させてきたそうです。

色には科学的アプローチと哲学/心理学的アプローチの研究がある

色の研究は、ニュートンのプリズムのアプローチとゲーテの色彩論から始まりました。一方は、科学からのアプローチで、もうひとつは哲学、心理学的なアプローチです。どちらも今でも色の研究分野として存在しています。

各国の青

ノルウェーの青 (後ろの雪の部分が「あお」の始まりの青ですね)

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タイの青 アキハ族の民族衣装です。淡い青ですね。

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アフリカの青 とてもビビットな青です。太陽の光線が鮮やかなのが判ります。

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https://edition.cnn.com/style/article/african-textiles-dutch-future/index.html より

韓国の青 鮮やかなチョマチョゴリです。

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言葉としての青

言葉の中にも様々な青が使われています。

青のidiom

Out of the blue 「突然に」という意味です。たぶん、空(のように何もない空間)から降ってきたみたいな意味だと思います。

True blue 「本当の」という意味があります。フランス語から来たそうです。数ある青の中でも、本当の青だねという意味かなと思います。

Blue blood 「ちょっと変わった」という意味があります。高貴な家の出の人を指すそうで、もともとは、貴族が家の外に出て働かないことから、青ざめた色をしていたことをさしての総称ですが、今は、あなたはちょっと変わっているねくらいの意味で使われるそうです。

青を塗る
ハングルでは、色を塗ることを青を塗ると言ったり、色の総称を青とすることがあるそうです。これは、詳しくはもう一度インタビューして、後ほど、更新します。

様々な人にとっての青

北斎のベロ藍
北斎はその当時入ってきたばかりの化学染料のコバルトブルーを狂喜して使い、ベロ藍として好んだそうです。出展:「日本美術鑑賞」秋元雄史 大和書房

https://amzn.to/2Ph4B4w

アフリカの青の名前がないボディ部族の話
アフリカのボディ部族では、青に名前がないそうです。暗い色全部を青というそうです。つまり、名前がないということは、青そのものは存在しますが、他人とその青を共有できないということです。面白いですね。

色を楽しむいろいろなサイト

お話しの中で出てきたタイや中国の部族で作られている民族衣装は今はネットで買うことができます。こちらで売っています。一部日本語で買えます。英会話Oneのただにコンタクトをとってもらったら、お買い物をお手伝いします。

etsy 
アメリカのminneとかcreemaみたいなサイトです。
https://www.etsy.com/

下平晃道さんと多田玲子さんのショップリンク
https://goldenbutter.theshop.jp/

レモンカラーノート
下平さんの毎日描いている色ノートはこんなものもあります。
https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/tenohira/6773/
https://www.instagram.com/a_shimodaira/


itoshigotoさんのインスタ
https://www.instagram.com/itoshigoto/


皆さまの感想の抜粋

終了後、たくさんの感想をいただきました。一同とっても楽しく読みました。とっても面白かったので、皆さまにいただいた感想の中から一部をシェアしますね。

―なぜ青が好きなのかを改めて考えたら、プライベートに戻ったことを視覚的に感じられるからかもしれないと気付きました。(中略 食品を扱う仕事から帰ると)制服からデニムに履き替えて、気持ちを切り替える。青いマグカップで温かいお茶を飲んで落ち着くということを、無意識でしたがしていたように思います。

―建築家の友達が内装を担当した、深い深い青の壁のバーに遊びに行ったことがあります。まるで深海にいるように全身が「しーん」としたその感覚が忘れられず、同じ色のお皿を見るたびに買ってしまいます。食欲なくなるはずなのにさして欲望はなくなりもせず、そのお皿で毎日モリモリごはんを食べています。

ー色について、好き!くらいで深く考えた事がありませんでした。良い機会を頂きありがとうございます。 みなさまの探究心の深さに驚愕いたしました。

私たちも、皆さまが楽しんでくださってとても嬉しいです。どうもありがとうございました。


参考文献

当日お話しに出た参考文献です。

「新板 色の名前507」福田邦夫著 主婦の友社
https://www.amazon.co.jp/dp/4074231662
青は75色、対して赤は57色あります。
青を表す言葉が多いことがわかります。

「ヒトの目、驚異の進化」 マーク・チャンギージー著 ハヤカワノンフィクション文庫
https://www.amazon.co.jp/dp/4150505551/

「is 総特集 色」ポーラ文化研究所
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784938547028
「is 総特集 色」には、沖縄では黄色のことを青という話が対談の中で書かれている箇所がありました。

「NHK人間講座 東アフリカ・色と模様の世界」福井勝義著 日本放送出版協会
https://www.amazon.co.jp/dp/4141890286
ボディという民族が持つ、色の認識が我々とかなり違うという話が書かれています。彼らの青は適用範囲がとても広いです。他の色についても違う部分が多いです。

次回に向けて

皆さま、ご参加ありがとうございました。

次回は次の冬の開催を目指しています。ご注文いただいた毛糸は今、デザイン中です。お時間いただいていますが、いいものを作りたいと思って、試行錯誤しております。初めての糸のデザインなのでいろいろ考えています。もうしばらくお待ちいただければ幸いです。夏までにはお届けしたいと思っています。

これから3人で交換日記をこちらでやっていきます。このことから、次の会のテーマをきめたり、皆さんの質問に答えたり、色についてのよもやま話に花が咲かせられるといいなと思います。ぜひ、皆さんも、noteに参加してみてください。コメントお待ちしております。

その後もぞくぞくと青のお財布買いましたよーとか、青い体験しましたよーというお話を寄せていただいています。皆様の後日談もぜひ、よかったら、コメントしてください。

ではまた次回お会いしましょう。

ここからは以上のことをまとめた当日の様子を映像にまとめたものがあります。途中で一回映像が切れていますが、大まかなお話しはきちんとまとまっています。500円です。興味のある方は是非どうぞ。1時間ほどです。

ちなみに各国の青い話を聞こうと思ってした質問はこんなでした。

あなたの青のお話しを聞かせてください。
日常やお祭りで使っているあなたの青を写真に撮って送ってください。
・あなたはどういう青が好きですか?どうして?
・取り上げていただいた青はどんな時に使いますか?
・この青には言い伝えやお話がありますか?
・あなたの国では青はどんな色として使われていると感じていますか?
(あなたの意見でいいです)
一般的な話にしなくていいので、あくまであなたの好きな青の話を聞かせてください。楽しみにしています


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