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#12 〖自分の想いを"足"で描く芸術家〗

みなさん、こんにちは!
IG-FARMのインタビュー企画第12回目は、カフェバーを営んでいる『上田 和良』さんからご紹介頂きました『志水 直樹』さんにお話しを伺いました。
志水さんは芸術家...ですが、描く際に筆も絵具も使いません。なんと、GPSを用いて自分の"足"で走った軌跡のみで、様々な文字や絵を描かれているのです!志水さんはどのような想いを載せて地図上に描くのか、「RUN」×「ART」の世界を早速覗いてみましょう!

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Q1. 今、どのようなチャレンジをしていますか?

僕は世界初の”GPSプロランナー"という仕事をしています。それがどんなものかというと、世界中の誰もが大好きな【スポーツ】と【アート】を融合した、競わないランニング「GPS RUN」というものを作り、(現在)日本と世界中に広めるチャレンジをしているところです。

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※フランスのベルサイユ宮殿にGPSの軌跡で「隠れミッキーマウス」を描いた志水さん

- 「スポーツ」「アート」「競わない」といったキーワードが出てきましたが、なぜそれを始めようと思ったのですか?(石原)

「楽しいから」ですかね!
もともと小学校の教師を長年していたのですが、現場で子供たちに教えるのも、もちろんめちゃくちゃ楽しかったですけれども、教師をしながら4年ぐらいこの活動を並行してやっていました。このGPS RUNをやりこむ、一本でやることに"価値"を感じたので、教師を辞めて(現在は)こちら一本でやっています。

- GPS RUNは、競技のように大会があったりするのですか?(石原)

(大会等は)一切無いんです。僕が4、5年前に始めた時は、全く認知度がなくて、、、というか僕が勝手にやり始めたという部分もあるんですけど(笑)今でこそInstagramやTwitterで、ちょくちょくと日本や世界で(GPS RUNをやり始める人が)出てきたので、きっと大会みたいなものはこれから出来ていくのではないかと思います。
ちょうど今週末、僕が第一回の全国大会を開くところです!

- それはすごいですね!いまどれくらいの参加者が集まっているのですか?(石原)

今わかっているだけで15人くらいですかね。ただ、新型コロナウイルスによる影響もあるので、参加者を15人くらいしか集めないようにしようと制限していたのもあります。あとは連絡していない人でオンライン参加もアリにしています!

- オンライン参加って、どんな感じで進めるのですか?誰でも参加できちゃう感じですか??(石原)

出来る限り簡単にしたいなと思っているので、自分の地元で走って描いた作品を特設ページにポンとあげるだけ!走ってもいいし、歩いてもいいので、子供でも、おじいちゃんおばあちゃんでも、海外からでも(参加できるのが)オンラインの大会ならではですね。土壌としてポータルを僕がつくって、みんなに楽しんでもらうようなイメージです。それをどうせなら全国で1回やってみようという感じです。明石市の町おこしをしながら、全国の町おこしもいっぺんにしちゃおう!ということを現在やっています。

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※【神戸新聞より抜粋】今週7月25日(土)に兵庫県明石市を舞台に、初めての全国大会が開催されます。新聞の中の志水さんの作品「タコ」のように、走らなくても30-40分くらいで描ける作品もある。

- うわぁ、、なかなか壮大な計画ですね...!!(石原)

まだ1回目なのでどうなるかね、、(笑)
やってみなきゃわからない、それもチャレンジですね!!!

- イメージはオンライン上の美術展みたいな感じですかね?(大野)

あーそうかもしれないですね!フェイスブックにページを作成しているのですが、そこにどんどん作品をあげていってもらいます。そして最後に、市が貸してくれる駅前の施設で、3分間プレゼンテーションみたいなものを、作品を投稿してもらった皆さんにしてもらおうかなと思っています。

- なるほど!美術館って、絵の傍に解説文があったりしますもんね。(大野)

まさにそうですね!それを生の人の声でやってもらおうという企画です。

- へぇ~とっても面白そう!誰でもそれは見られるんですか?(大野)

もちろんです!
フェイスブックで公開ページにしていたと思うので、イベント参加してくれている人でも(そうでない人でも)。あとは僕が余裕があれば、僕のスマホを使ってライブ中継をしようかなと思っています。なので、参加していない人でも、この企画を知らなかった人でも、ライブ中継で作品展の様子をみんなに見てもらえたら嬉しいなぁ、、と思っています。

Q2.今チャレンジしていることがどのような未来をつくっていきますか?

「大人から子供まで」が僕のキーワードなんですけれど、みんなが一緒に楽しく社会貢献!いま社会問題っていっぱいあると思うんですが、大人から子供までみんながそれを解決できるような仕組みづくりを、、そんな未来を作るというのが僕の仕事かな。「スポーツ」と「アート」というのは誰でも参加ができるので、それを通してみんなが「楽しい!」って思いながら、社会問題を解決することが出来たらいいなと。
例えば、ゴミ拾いしながら僕はGPS RUNををやってたりします。

- はぁぁぁぁ...!なるほど!(石原)

例えば、ゴミ拾って言っても、僕もちっちゃいときは「絶対行きたくないな」と思っていたんですけど(笑)それを(GPS RUNと共に実施したら、)自分がゴミ拾いをした軌跡が、すごい地上絵になっていたりとか。そうすると、子供たちが最後まで絶対に描くと思うんです。そして、それを見た大人も「じゃぁゴミ拾い一緒に頑張ってやろう」と。そういった仕組みづくりをどんどんやって、素敵な未来を作れたらいいなと思っています。

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- 「社会貢献の功績を目に見える形で」という感じですかね!(石原)

まさにそうですね!目に見えるし、皆さんSNSを用いてどんどん拡散していくので、「こんな楽しい社会貢献があるよ!」というのをアートを通して広げてもらえたら嬉しいなと思っています。

- とても素敵な取り組みだと思いました。私も気になるので、時間があるときに是非やってみたいと思います!(石原)

Q3.二十歳に戻れたら、その未来に向かって何をしますか?

あぁ、、正直戻るという感覚が僕の中に全然無いのですが、、、20代でもっとやっておけば良かったと思うことは、もっともっと好きなことをトコトンやっておけばよかったなと。まぁ、やってたんですけども(笑)
もしやっていない人がいたら、好きなこと、興味あることを思いっきりやれればいいな、と思いますね。僕やったら英語とか、世界史とか、留学生との交流とか、サッカーとか、バックパック旅行とか、、、好きなこといっぱいあったんですけど、とにかく全部めちゃくちゃやりましたね。全部手を挙げて。けど、そのおかげでたくさん力がついて、いま世界中どんな人相手にしてもイベント企画出来るようになってきました。いま以上にもっともっとやっておけばよかったな、、、というのはあります。

- 志水さんって、大学をご卒業されてからすぐに、小学校の先生になられたんですか?(大野)

そうではないですね。新卒で僕は一度民間企業(航空写真の撮影や測量などを行う建設コンサルタント)に所属していました。日本の技術を学びたいという想いはあったので、一度就職しようと。ただ、3年以内に会社員を辞めようと決めていたので、(それから)教師になりました。

- なるほど、(辞めることは)決めていたのですね。小学校の先生はどれくらいやられていたのですか?(大野)

正規では6年間です。僕は資格(教員免許)を持っていなかったので、通信教育で2年間勉強している最中も、ボランティア職員のような形で、教育現場で小学校3~6年生を教えていました。

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- もともとランニングだったりとか、アートのところっていうのは、ずっと興味を持っていたのですか?(大野)

それが全然ないんです(笑)サッカーを27年間やっているので、もうほんとにサッカーしか興味がなかったっていう感じですね。ただ、サッカーでトレーニングをしてたことが、今のランニングに繋がっている、というのはあるかなと思っています。あとは、何となく中高のときから美術とか技術の授業は好きだったっていうのはありますかね。最初は「アート」ではなくて”東北ファイト”といった「メッセージ」だったので。この世界に入ってから「誰にでも出来る」というところに、段々と興味を持ち始めた感じです。

- あぁーなるほど。やりながらこれって誰にでも出来るから、もっと広まったらいいなぁ、、、ということですかね?(大野)

そうですね。最初から計算したりとかはしていなくて、イベントを開いたら、なんかめっちゃ子供もくるし、おじいちゃんおばあちゃんもめっちゃくるし、車椅子のひともくるし。これは、みんなが(参加)出来るっていうのは、きっと「スポーツ」であって「アート」だからだろうなぁ、ってところに落ち着いて。じゃぁ「広げてみようかな」となりました。

- じゃぁーまさに志水さんは「ずっと好きなことをやりつづける」というのをぶっ通している訳ですね。笑(大野)

そうですね、ぶっ通し過ぎていて、どれだけ周りに迷惑をかけていることか、、(笑)

- いえいえ、、それは「周りをどんどん巻き込んでいっている」の間違いですよ。笑(大野)

- 実際に街中に描く際に、どんなイメージ(手順)で進めているのですか?(藤沼)

僕はいつも地図を持って走っています。
例えば、今度8月に行う神戸のイベントで神戸牛を描くのですが…

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※インタビュー中に実際に描く「神戸牛」を見せて頂きました...!

- おおおおお、、、!!! すごい!!!(一同)

これは、地元の宣伝もしながら、町おこしもして、且つ、神戸の人に楽しんでもらおうというイベントで、8月2日に開催します!
まずはこういったMAPを使うというのが(手段の)ひとつですね。やっぱり頭の中の想像だけだとどうしても走れないので。。
じゃぁ、そもそもこの牛をどうやって出してきたのか?というところでいうと、2通りの方法(MAPの作り方)があって。
(1つ目は、)今回は神戸を盛り上げたいとすると、「神戸の町で描く」「神戸のものを描く」「じゃぁ何だ?」っていうので、"神戸牛"というのが出てきたので、あとは頭の中を牛だらけにしながら...(笑)Google Mapをひたすら見つめていると、なんかこれ、牛の顔っぽいなぁ、っていうところが地図に浮かび上がってくるんです。
もう1つは、皆さんがネットサーフィンするみたいな、子供らがYoutubeを連続で見るみたいな感覚で、Google Mapを用いて日本全国をスライド(俯瞰)していくんです。地図を見ていたら、いきなりうさぎの形が見えたり、いきなりどーんとマツコデラックスが見えたり(笑)
「計算して作る時」と「想像力だけで見える時」と2つの方法があります。

Q4.(ご紹介してくださる)素敵な人を教えてください。

素敵な人…忙しい人がめちゃめちゃ多いので、、それでも動いてくれそうというか、次に話してもらえる人ですよね。イメージ的にぴったりなのが、岩手県にいる元ビアジャーナリスト。今はビールの工場で、色々と新しい事業や町おこしをビールを絡めてやっている"タクロウ君"っていう方がいて。その彼は、皆さんと同じように年齢も若いのに、もともとやっていた会社を辞めたりして、誰もやっていない挑戦を頑張ってやっているところです。ビールの知識に関しても、マツコの知らない世界とかに出るレベルの、ディープな男なのでおすすめです(笑)

- ちなみに志水さんは、その方とはどちらで出会われたのですか?(大野)

まだ仕事にしてないときに旅で。たまたま東北の「遠野」(岩手県遠野市)というところに立ち寄った時に、ビールフェスみたいなお祭りを畑のどまんなかでやっていて、僕が飛び入り参加させてもらったんです。そこに(タクロウさんが)いて、話して仲良くなったところから、もう3,4年くらい。お互い家に泊まりあったりとか。さっきまでやりとりしてたところで、「この夏もまたイベント色々やろうか!」と話していたところでした。

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(インタビュー風景:右下が志水直樹さん)

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志水さん、インタビューありがとうございました!
インタビューを受けて、IG-FARMメンバーの感想です。

(Ishihara)
まさにこれが新しい価値を作ることなんだって思いました。
やったみたら出来た、反響があった、だから広めようっていうほんとに思いつきでしかないのかなと思うんですけど、その思いつきが素晴らしい形になっていて、面白いなぁと思いました。

(Fujinuma)
志水さんの人柄や持ち味を生かして、どんな人でも楽しめ、さらには社会貢献も出来てしまう「GPS RUN」は、今後とてもたくさんの可能性を秘めた素敵な取り組みだと思いました。また、プライベートでも仕事でも、ご自身のやりたいことを常に「本気」で貫き通してきた志水さんだからこそ、これまでの様々な場面や瞬間で、自分自身と向き合うタイミングがあったのかな...と思います。若手世代はもちろん、私自身も「いま本気で取り組んでる?」と自問自答していこうと思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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志水 直樹(2020/7/21)

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