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『虎に翼』⑯なぜ働くのか

「好きで働いてるんでしょ、女は」

直明の連れてきた男子学生が、女性が働くことについて疑問を投げかける。

第107回の今日は、自分が蓋をしていることを問われているような気がした。

私は寅ちゃんのように、家族を養うために働いているのとは違う。
特別な技能を持っているわけでもない。

そんな私は、働いてもいいし専業主婦をしてもよかった。
家族を養うのは男で、家の中のことをするのは女。
それが変わりつつある中で、選択する自由があったのは有難いことだと思っている。
もちろん制約がある中での選択だったけれど。

子どもが幼稚園に入ったころ、自分も社会に出たいと働き始めた。
夫の収入だけで今後どうなるのか、不安もあったし。

長く働いていると、何のために働いているのかわからなくなることがあった。

そんな時は「お金のため」「自分の成長のため」などと、その都度言い聞かせてやってきた。

そして本当に辞めようと思ったタイミングで、まさかの部署を打診され、冒険心や好奇心?もあり、辞めるのはその後にしようと受けることにした。

そして、約束の2年半が過ぎたところで辞めそこない、今に至る。

コロナ禍もあってずるずるときてしまった。

心底ばかばかしくなったり、やる気を失くすこともあるけれど、今働いているのは長年お世話になったことへの御礼だ。

お礼はもうした思うけれど(笑)、大学や個人に対してというより、社会の中で使ってもらえたことへの感謝だろうか。

いや、そんな美しいものでもないんだけれど。

「女は働かなくていいなら、そっちの方が得だろ」
なんだか見透かされたようで、ドキッとする一言だった。

さらに小橋の「わかる!」

何がわかるんだ!?
やっぱり小橋なのか、いいことも言う小橋なのか。
明日が楽しみだ。


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