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アーバンライフの老後

夜遅くに名古屋堀川周辺を歩いていた。

昼間はオフィス街のように見えて、夜になるとこんなにマンションがあるのかと驚く。

夫が「ここだよ」と指さした建物は、瀟洒なホテルのような…マンション?

レースのカーテン越しに、ロビーにはいくつもの胡蝶蘭が並んでいるのが見える。

数日前、このエントランスにある封筒を、夫は持ち帰っていた。

名古屋駅まで徒歩圏内、古い街並みも下町の商店街もある、そんな立地のマンション。
実は有料老人ホームだ。

カタログには、ワインを飲みながら夕食をとる老夫婦、読書のできる静かなラウンジ、うっとりするような生活風景の写真が並んでいた。

「私、ここでいいよ〜」と冗談を言いながら、上を見上げた。

夫が「まだ入居者は少なそうだな」とポツリ。

親の介護をしていて、自分たちの老後のイメージはまだない。
ただ親を亡くすたび、次は自分たちかぁ…と思うようになった。

先日NHKの『あさイチ』で、介護が必要になったらまず、市の地域包括支援センターに行くこと、次に介護認定を受け、その後はケアマネジャーに介護計画を立ててもらうという、ざっくりした流れを説明していた。

それは私も数年前に知ったばかりで、誰も教えてくれなかった。
でも今はわかっているので、義母の時も途方に暮れるような気持ちにはならなかった。

マイナスなイメージのあるお役所仕事も、介護サービスの段取りはとにかく早い!
私の出会った人は、どの職の人も皆さん親身になって対応してくれた。

しかしどの市に住んでいても、同じかどうかはわからない。

老後以前に、今の生活だって人それぞれなのだ。
どういう風に暮らしたいかって、これがベストというものはない。

帰宅後、もう一度そのパンフレットを開いてみた。

豪華な写真のカタログとは別に、2色刷りの料金表があった。

入居するだけで4、5千万するんだ。
あとは毎月30万だなんて、ねんきん定期便を出して確認するまでもなかった💧

ちょっと私には向いてないかな(と言っておこう笑)。

素敵な建物に幸せな生活があるとは限らない。

都会の夜に見た老人ホーム、私の老後はまだ見えてはいない。
そんなに慌てることないさと、今は思っている。

しかしさっきからずっと、🎵アーバンライフの老人ホーム(マンナンライフの蒟蒻畑〜🎵)が頭から離れなくて困っている。

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