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私が城主になる

夫とは仕事の都合ですれ違いが多く、週末一緒にいると「久しぶりだね」状態で友達のように話がはずむ。…ことがある。

たまに話題になるテーマは、

名古屋城の再建だ。

河村市長がこだわる木造で忠実な復元をすることとバリアフリーと、その二つが両立するかどうかが問題になっている。
絶対無理なんだよと言いながら、突然名案が浮かぶかもしれないと、会話が盛り上がる。

たいていは、建築のわからない私が案を考え、夫が却下するというパターンだ。
相手は技術的に武装しているから、歯が立たない。

先日の朝刊に、小さな記事があった。
名古屋市が、木造復元の名古屋城天守に上がれる昇降技術を、公募するというのだ。

ほーら、ほら。
いくら大手ゼネコンの設計者が考えても、木造建築の名古屋城に昇降機つけるなんて、無理なのよ。

週末の夫婦会議で、何度も堂々巡りをしてきたのに、結論が出ないんだから。
ゼネコンの技術者を、まるで自分と同じ水準のように言ってるけど、もう禅問答だ。

公募の記事を見ながら、これはそもそも論で考えればいいんじゃない?と言うと、珍しく夫が食いついてきた。
目を輝かせ、次を急かしている。

いや、私は素人だから、無理かもしれないけどねと謙遜しつつ、こうこうコレコレだと話す。

今回はなぜか意見が一致した。
夫も、それしかないかもしれないなと唸る。

その昇降技術、8月中旬までに提案書を提出とある。
応募してみようかな。
小学生レベルのプランなんだけど、ちょっとワクワクしてくる。

気分はすっかり現代の加藤清正🎵

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