家にバリケードはいらない。
最近家族の雰囲気が悪い。
昔はぶつかり合うことの無い家族だった。
今はお互いぶつかり合わないように、
どこか距離をとってる感じがする。
原因は色々思い当たるところはある。
僕の試験勉強での孤立と、事業経営と失敗。
でも1番は、家に物が溢れていることだと思う。
物に囲まれている事で安心感を得る嫁さん、
物がある事で、イライラする親父と息子。
不安定な状況にしたのは僕のせいだ、
だから、嫁さんの物で安心感を得たい気持ちもわかる。
でも、荷物が多いと集中力が削がれる。
実際にそこに身を置いているから、よくわかる。
嫁さんとふとしたことから、
初めて一人暮らしをした頃の、
僕の部屋の話になった。
土日休みの僕と、
シフト制で平日休みの嫁さん(当時は彼女)。
よく僕の部屋に泊まりに来てくれていた。
東京で一人暮らしを始めたばかりで、
余計な荷物が何もなかった。
ベットとテーブルとテレビと洗濯機。
どれも前に住んでいた人が置いていった物。
じぶんで買ったのは、
150cm幅でカーブのある木のデスクと、
ハイバックのチェア。
エグゼクティブをイメージして、
随分と背伸びをしてた。
タオルは高島屋で奮発して買った、
今治製のホテル仕様の濃紺の物。
ベッドのリネンも、すべて濃紺。
当時トレンディだった渋谷のロフトで買った
アーム式の照明、2個。
もちろん部屋にはペンダント式のライトもあったけど、
全体を暗くして、関節照明にしていた。
当時、田舎の田園地帯から上京し、
社会人になりたてだった。
安月給だった僕にとって、
気持ちを揚げる、ちょっと贅沢な空間だった。
東京のアーバンなホテルの一室。
頑張ってそんなことをイメージしていた。
そんな時もあったなんて、
20年以上思い出すことはなかった。
でも、今思えば、しっかりシンプルライフだった。
全てが収納に収まり、スッキリしていた。
1人だから、簡単にできたことだ。
当時は、意思決定=結果だった。
今は、意思決定⇨画策⇨裏工作⇨提案⇨ボツ又は妥協。
家族といえども、人が集まると意思決定は難しい。
家族の荷物でも勝手に処分することはできない。
お願いしても聞き入れられることは難しい。
やれることは、自分管轄の荷物の整理と、
共有スペースの掃除をする事ぐらい。
減らす、整理する、磨くを、笑顔で。
この姿を見せる事で、家族への感染を狙う。
なんか楽しそう、スッキリ感羨ましいと。
満足げな笑顔と、親父の背中で無言で語る。
とりあえず、服も靴も、おおよそ処分したけど、
あったかくなったので、もうちょい処分しよう。
体積を減らす事に集中!
寒くなったら、急いで買いに行けばいい、
セール品は買えないだろうけど。
その前に、夏物も無い。
どうせ、定番の形で黒しか買わないから、
どうにでもなるけど。
シンプルになると、意思決定も早くなるからいい。
シンプルになる事に抵抗を覚える人は多いと思う。
でも、不都合だと思えばすぐに足せばいい。
料理とは逆で物は、
減らすのは難しいけど、
足すのは簡単だから。
減らしたからこそ、
“精査されたラッキー”が、
入る余地が生まれる。
家族という共同生活でも、守りたい物が生まれる。
それは攻守各々の、心のバリケードになる事もある。
十分なスペースがあれば、心を通わせる非武装地帯となるのに。
やっぱり物は、少ない方がいい。
明日からまた、豊かな余白づくりに集中する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?