”Pick Any Two!" 「うまい・やすい・はやい」全部叶えるってのはおかしいぞ、と言う大工さん (街で★深読み)
古い友人に、米国で小さな工務店を共同経営していた大工さんがいる。
彼が仕事道具を運ぶ小型トレーラーの後部ドアには、このように書かれていた。
《Good》《Cheap》《Fast》から、どの組み合わせでもいいから、2つ選びなさい、その2つを叶えるやり方で家を建てましょう、というわけである。
「3つ全部を要求してくる客がいるが、それはダメだ、というわけさ」
「日本には、《うまい》《やすい》《はやい》と三拍子そろっていることをウリにしているレストランがあるぜ」
そう言うと、
「それはおかしいぞ。ありえない!」
声のトーンを上げた。
そりゃ、そうだろうな。
それにしても、彼のトレーラーに書かれた《Good》《Cheap》《Fast》が、某牛丼チェーンの《うまい》《やすい》《はやい》と同じ順で並んでいるのは、偶然ではないだろう。
そこは、サービスを受ける側と、提供する側との、《本音》と《建て前》、《プライド》と《実質》との、複雑な方程式の結果として出てくる《順番》になっている気がする。
〈ここまでが投稿バージョンで、以下は蛇足ですが〉
某牛丼チェーンの《うまい》は《Good》と同一ではなく、むしろ《Tasty》なので、《やすい/Cheap》《はやい/Fast》との鼎立が不可能ではないのでしょう。
大工さんの言う《Good》は《良質》、つまり、《High quality》的感覚なので、料理のカテゴリーなら、素材を厳選していたり、栄養のバランスがとれていたり、なかなか《やすい/Cheap》《はやい/Fast》との鼎立は難しいはず、ということなのでしょう。
言わでもがな、ですが。
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