見出し画像

脳内イメージと現実世界とのギャップ(街で★深読み)

昨日、「突き指」をした。
何年ぶり、いや、何十年ぶりかもしれない。
その昔、工場でフロントサスペンションの溶接工程を担当した時、(たぶん)重さ5-6 kgのパーツを空中で旋回させるような「荒業」を使うのが標準化されており、指全部が腱鞘炎で曲がりにくくなったことがあったが、「突き指」自体はおそらく、小学校のドッジボールか野球の受け損ない、中学バレーボールのオーバーハンドパス失敗以来だろう。

高架線ホームに入って来た電車に乗り込もうと、階段を駆け上がって転んだ時に手をついたのが原因だ。
といっても、段につまずいて転んだわけではなく、『頭の中の速度イメージ』に『現実の体』がついていかなかったのだ。転ぶ直前には、上体だけが前につんのめって、
(あ、追いついていかない!)
という不思議な《浮遊》感覚を味わった。

その感覚は、これもはるか昔、娘の幼稚園運動会で、保護者が参加するリレーで味わったのと同じだった。
幼稚園の運動会でお父さんが「いいとこ」を見せようとして張り切り、アキレスけんを切ったりする、とはよく聞くが、そうではない。

30代になっていた私は、おそらく学生時代の体育授業以来久々に全力疾走した(しようとした)のだが、『脳内イメージ』に『体』がついていかなかったのだ。
この『体』とは具体的には、『足を交互に繰り出す速度』である。イメージどうりの速度で繰り出せない。
『なんでこんなにモタモタしてるの?』
という感覚。
そして上体だけ前に進み、浮いたように前につんのめって転ぶ ── 転ぶ直線に一瞬、上半身だけ《浮遊》感覚がある。

その、
《① 足がモタモタ》
《② 一瞬、上体浮遊》
という感覚を久しぶりに味わったわけである。
(痛かったけれど、懐かしくもあった)

ところで、幼稚園の運動会の時に、私よりはるかに若い、20代半ばのお父さんも転んでいた ── コーナーを回る時に。
若いので私のような《モタモタ》はないが、幼稚園のコースは当然、高校などのランニングコースよりもはるかに「曲率半径」が小さい。
彼らが『脳内イメージ』に従ってコーナーを回ろうとすると、『現実』コースがあまりに急カーブなので、外に飛び出してしまうのだ。

こうした《脳内イメージと現実世界とのギャップ》をひとりで味わっている分にはいいけれど、他人を巻き込んだ面倒に発展することもあるんだろうな……。

例えば、会社の取締役だった人が、退職後に町内会に関わり、『脳内イメージ』はエライヒトのままで……。

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,470件

#この経験に学べ

54,275件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?