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「化学」は身近で面白い

技術者としての私は、材料工学が専門です。日本の大学では金属工学、米国の大学ではセラミック科学を専攻していました。

材料の研究をしている人は、ざっくり「化学系」と「物理系」に分けられます。最近では計算機を使って高性能材料を設計しようという「数学系」も加わりました。
もちろん、100%どちらか、というわけではなく、どこに比重を置いているか、ということですが。

私が仕事にしていたのは、酸化物や炭化物を合成したり、結晶を特定の方向に成長させたり、といった、いわゆる「材料プロセス」だったので、主に「化学系」の仕事、けれどできあがった材料の性能を評価する部分は、「化学系」と「物理系」の両方の要素がありました。
例えば、電池材料なら「化学的性質」、半導体なら「物理的性質」を調べるわけですね。

でも、そこで使う「化学」の95%ぐらいは、実は、中学か、せいぜい高校の化学の時間に習った知識です。
例えば、中学で溶液を使った「ボルタ電池」の実験を行いますが、身近な電池のほとんどは同じ原理で動作します。

「化学」ってとても身近なんです。

例えば、
「料理」のかなりの部分は「化学実験」に重なります。
食材/試薬の量を測って混合し、熱を加え、時に圧力を加え、料理/最終生成物を得ます。

アメリカ再勉生活中、同じ研究室にポスドク研究員として来られた先生(日本の大学で応用化学専攻)の自宅で天ぷらを初めとする和食料理をご馳走になったことがありました。
これがとてつもなく美味く、
「なるほど、優秀な実験化学者は、優秀な料理人なんだ!
と感動しました。

さて、化学実験に使う試薬を製造販売する、
高純度化学研究所
という会社があります。
どんな行きがかりだったか、ある時からこの会社から月に2回くらい、メルマガが届くようになりました。

これがけっこう面白い ── いえいえ、専門家じゃなくても。
話のネタは大きく分けて2種類、
➀ 元素の歴史(どんな経緯で発見された? どんな用途に使われている?)
および
➁ 化学に関する最新ニュース
です。

➀の例では:

この強力磁石(サマリウム・コバルト)を超える磁石(ネオジウム鉄ボロン)は日本人の大発明で、EV用モータに欠かすことのできない材料です。ずっとノーベル賞候補と言われ続けています。

➁は例えば、

こんな話題を大学の先生がわかりやすく教えてくれます。

HPからメルマガ会員登録すると、こういったニュースレターを送ってくれます。
ちょっと自分には合わないなあ、と思えば退会すればいい。

私はもちろん、この会社の回し者ではありません。

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