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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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2022年12月の記事一覧

今年の振り返り企画:ナイスコメント第2弾/お考えをうかがいました

ナイスコメントの発掘第2弾を行います、と第1弾(↓)の終わりに書きましたが、今度は「名言」というより、「真面目に考えていただいた」コメントを紹介します。 (第1弾で紹介したnoterさまの個人サイトは重複掲載していません) モノカキが投げたボールを、読者が真っ向から受け止めて考え、投げ返してくれた時ほどうれしいことはありません。 ********** 483個です。これは、かつて化学の試験で出された奇妙な問題、 をご紹介したところ、 技術者・木の葉雫さんからいただい

通訳はつらいよ(再掲)

今も、たまに夢に見る: 走るバスの中で、 ➀ キルギスの現地ツアーガイドが、《ロシア語》で名所の説明をする。 「Здание оранжевого цвета слева от ……」 →➁ それを、ロシア人ガイドが《英語》に訳す。 「The orange-colored building on your left is ……」 →➂ その《英語》を、僕が《日本語》に訳す。 「左に見えるオレンジ色の建物は、‥‥」 →➃ しかし、そこにはもう、何もない。建物は、とうにバスのはる

今年の振り返り企画:創作自選5作

年の瀬らしい「ひとり企画」をやりたいな、と思いました。 世間では、今年の漢字、今年の流行語、今年のヒット商品……いろいろな切り口で《今年》を振り返っています。 まず、いただいたコメント中の名言特集を行いました: コメントは「個人的なチャットであって作品ではない」との考え方もあるでしょうから、私としてはほぼ100%感謝の表明なのですが、賛否あるかもしれませんね。 その次の企画が、 ・今年noteに上げた創作小説を振り返り、お気に入りのベスト5を選んでみよう! です。 小

今年の振り返り企画:ナイス名言 in いただいたコメント

創作やエッセイにコメントをいただくのはうれしいものです。 noteのコメントには「共感」が多いようです。 「共感」はもちろん大歓迎ですが、 『いや、こうなのでは?』 『これもアリでは?』 というような「提案」や「部分否定」にも《気付き》があって、とても有難い。 「全否定」パンチを食らったことはさすがにありませんが(たぶん)、それも《気付き》があればうれしく感じると思います。……Mか? その中で、 「お! これはいいフレーズ!」 と感じたものを、今年1年を振り返りつつ、勝手に

「本社・工場」ってどこ? (エッセイ/一括再掲)

学生結婚前後の話を、断片的に書いたことがあります。 ➀ 独身時代に愛用していた《キリンベッド》を、結婚で手放さねばならなかったこと、それに、 ➁ 大学院研究室の教授に頼まれて、息子さんに《将棋とキャッチボールの家庭教師》をしていたこと。 その時代に、もうひとり、書き留めるべき人物がいます。 ********** 妻は結婚前の1年間、北九州で教師をしていた。年度末の3月31日に入籍し、4月1日に結婚することになったため退職し、東京で仕事を探すことになった。 なお、入籍が結

続・「アトムの童」を視て想い出した新入社員実習中の『君は天才だ!』(エッセイ)

新卒で入社した企業での実習中、なんでもいいからひとつプログラムを作れ、と先輩に命じられ、《恋占いゲーム》を作ったエピソードを書きました。 実習指導者が出張を終え、私も元の仕事に戻りました。 3日間だけの臨時指導者の手もとには、半日で作った《恋占いゲーム》が残りました。 彼が、自分で作ったわけでもないそのゲームを外部企業の営業に見せびらかし、勝手にコピーさせた「ひどい話」は既に書きました。 今回はその後、「もっとひどい話」です。 女性読者の皆様、石をぶつける相手は私ではなく

「アトムの童」を視て想い出した新入社員実習中の『君は天才だ!』(エッセイ)

高校1年の時、平家物語の麻雀版パロディー「北家物語」 を書いた同級生を、 「天才だ!」 と感心した話を書きました。 今回は、私が人生で(たぶん)1度だけ、 「天才だ!」 と言われた話です。 (……自分では時々言うかな ── 誰も言ってくれないので) それを唐突に想い出したのは、日曜劇場「アトムの童」を見ていた時です。 このドラマは、主人公(山﨑賢人)が親友(松下洸平)と2人でゲームプログラムを開発し、小さな老舗おもちゃ会社のメンバーと共に巨大ライバルに挑んでいく、とい

「友人は青魚五兄弟」……いや「愛人は青魚五姉妹」かな?(エッセイ)

会社に勤めていた頃、「定期健康診断」なる行事がありました。 私が酒呑みなのは知られており、医務室的には肝臓関連の数値に注目が集まるのですが、例年、なんとかスレスレで《警告》を免れていました。 それと共に、いつも指摘されるのが、 「《総コレステロール値》が高い」 という点でした。 ところが、その下にある、 「《悪玉コレステロール値》が(非常に)低い」 および 「《善玉コレステロール値》が(異常に)高い」 という、よくわからない事情で、 《問題なし》 という結論に(勝手に)達

中学の職員室ってそんなにくだらないことが話題になってるの?と驚いた話(エッセイ)

「麻雀放浪記」で知られる作家の阿佐田哲也さんは《ナルコレプシー》と呼ばれる、場所や状況を選ばず起こる強い眠気に襲われる病にかかり、たとえば、麻雀をしている最中に、突然手が止まり、熟睡状態に陥ることがあったそうです。 ……他の3人は困ったでしょうね。 実は、私自身にも「その気」があり、学生時代は授業中、会社勤めを始めてからは会議中に、抗うことができないほどの強い睡魔に襲われることがしばしばでした。 中学・高校の頃はよく、おでこに赤いあざをつけていました。机の上に置いた手の甲