Clubhouse【居酒屋半導体82軒目】~5月6日の気になる半導体ニュース
1件目:【Rapidus社長対談】Rapidusは今までにないビジネスモデルを構築する!
・概要
小池社長はシンギュラリティが起こると言っている。ChatGPTとか、そういったAI技術の囲い込みに半導体は必要不可欠だ。すると半導体を囲いこめ、という話になる。軍事的にも重要になる。日本で必要な半導体を用意できないとやばいという話なる。
超LSI研究組合は日本の成功事例。イノベーションはみんなで作り、生産は各社にて行う。とんでもないことを起こそう、みんなで考えようという人が集まったからすごかった。でも全部アメリカから持ってきた技術だったのに、自分でできたと思ってしまった。傲慢になってしまった。それが不味かった。
日本人はものづくりが得意な民族。研究開発はIBMとかでやってるけど、ものづくりのプロではない。EUは半導体をいかに推進するかというのをやっている。ところが遅れていた日本がLSTCとかラピダスを立ち上げたので驚いている。EUは27カ国あるためそれぞれに思いがあり複雑な状態。
2nmは難しいという声がある。TSMCはEUV装置がたくさんありレシピも豊富、AIである程度の歩留まり予測ができる。
・小池さんは短TATの製造と言っているけど、設計や検証に時間がかかるのに、そのビジネスモデルはいかがなものか、という声がある。総合的にどう考えているか?
→3つのポイントを早くしようと言っている。デザイン、フロントエンド、バックエンド。
→TSMCはデザインサポート力がものすごく強い。ラピダスは設計のサポートのスピード、フロントエンドも早く作る、チップレットなら色々なことを分散できるので早く作れる。
→お客さんが気にしているのはEDAベンダー。その答えは、ケイデンス、シノプシス、シーメンスともにうちにものすごく興味がある。一緒にやろうと言っている。彼らは設計検証ツールで色々やってるけど、AIとかディープラーニング使ったって本当に動くのかはわからない。その時にラピダスが全部じゃなくてキーとなるコアな部分をパッと作って1ヶ月かかるところを1週間で検証したらどう思うか?そのコンビネーションを組みたい。設計の精度フィードバックのサイクルをめちゃくちゃ速くしたい。どういう設計手法が良くて、どういうTEGを流してとか、アイディアがいっぱいある。
→分業よって、前工程と後工程を分けることによって、お互いの知見を活かした。後工程は東南アジアに行ったが、今自動化されつつある。そうなるとまた日本の得意分野になる。前工程と後工程を1つにするのが夢。
→最大の問題は分業で前工程の人と後工程の人は互いの技術がわからない。今必要な人は、総合的に見てあるべき姿が何かを考えられる人。だから前工程の人には後工程を、後工程の人には前工程を勉強するように言っている。
→TSMCや三星は強いので真っ向勝負する気はない。マーケットは広がっている。私がお客さんにお願いしているのは、とんでもないイノベーションを生み出す会社、バリューを産む会社と組むこと。
→前の会社でAIと半導体それぞれどっぷり浸かったプロがいた。AIを使ったものづくりを相当長い間研究した。ものの見事に失敗した。AIを学んだ人は半導体の物理原則とか無視して理論を作っていく。一方、半導体の専門家は忙しいと言ってAIの勉強をしない。分かったことは、この双方が互いに異なる専門性を勉強すること。そうすれば本当に何が必要なのかがわかる。
→昔の半導体やはお客さんのところに聞きに行けと言われる。そうすると、スピードが速くて、低消費電力で、安いことって言われる。そうするとコモディティ化しちゃう。そうではなくて、どれだけイノベーションを起こして、付加価値を作れる製品ができるか、これを使うことでお客さんがイノベーティブな製品を作る企業と組むというのが大事。
・いっぱい数が捌けるコモディティ化した製品はTSMCとかに頑張ってもらう。ラピダスは最初はイノベーションを起こす大事なお客様を狙って、そんなに数が必要ではないけどバリューのあるものを速く作るので、高く買ってもらう。そういうお客さんとのパートナーシップが重要。
→全世界を見て、半導体産業に力を入れようとしている国で、国がお金を出さなかったところはなかった。日本もこれに気がついてしっかり資金を配分するということになった。最初は研究開発でかなりの資金を投入するが国民の理解を得ながら進んでいって、丁寧に説明して民間として広く社会に貢献できる会社になっていくべき。
→人材教育は、LSTCを通して一緒にやっている。大学連携をバラバラにやっていたけど、ラピダスという1つの基準ができたので、産業界に役立つ研究をしようと動いてくれている。アメリカ、EUとコラボして学生の交換をして、彼らのイノベーティブな技術を日本の学生が学ぶ、海外の学生は日本でマニュファクチュアリングを学ぶ。そういう議論が始まっている。
→幼稚園とか小学校の時にこういうことをやってみたいという興味は始まっている。その頃に半導体の素晴らしさなんて誰も教えない(やってるよw)。そういう機会をラピダスとして社を挙げて作っていく。
→東芝の大幸さん(エバンジェリスト)が半導体の知見者がYoutuberとしてお役に立てることはないか?に対して、一般の人たちにラピダスのやっていることを理解してもらうのが大事なので、啓蒙してほしい。
→ラピダスは人が足りないんじゃないかと思われているかもしれないけど、毎月、毎週のように入社式をやっている。人がどんどん入っている。4月3日の入社式の新入社員の平均年齢は50.1歳。ベテランの目がギラギラして情熱を持っている。
→ラピダスに必要なことは志と一誠。