見出し画像

監査業務で公認会計士が身につける俯瞰力

「俯瞰力」について

以下の画像を見て、なんだかわかりますかね?

スクリーンショット 2020-05-26 8.39.38


答えは、「ナスカの地上絵」。
今回の記事のトップ画像は、「suminomonicaさん」の「ナスカの地上絵」の画像を利用させていただき、当画像をnoteの機能で最大限まで縮小したのが、こちらの写真です。

一枚の写真を使って、「木を見て森を見ず」という状況を表してみました。

これは、ビジネスの世界でも重要な要素の一つだと思っています。

「結局何が言いたいんだっけ?」と言われたことありませんか。

私も、自分で説明していて「あれ、結局、自分は何を言いたいんだっけ?」とか、上司に報告していて、「で、何?」と言われることもあります。

うまく伝えたいという気持ちが空回りし、結局伝えたいことを正確に伝えられていないのではないでしょうか。

これは、「俯瞰力」「木を見て森を見ず」と通じるところがあり、
話しの全体感から入り、細部の話しを行うことが重要だと思います。

私も、社会人人生の中で、試行錯誤の毎日です。
どうやったらうまく伝わるのか?結論から話したほうが良いと本に書いてあるので試してみようか?など色々なことを考えています。

この点に関し、現時点での私の考えは以下の通りです。

<伝わりやすい説明のコツ>
◼︎全体→個別の話を行う
◼︎できる限りシンプルに伝える(話しの内容を難しくしない)
わかりやすい話しを意識すると、説明時間も必然的に短くなります
◼︎自分の言葉で伝える
資料を見ながら話すのではなく、自分の頭の中の言葉で、相手にイメージが伝わっているかを意識しながら話してください。
これは、上述の通り、話す内容がシンプルであることにも通じています。(内容が複雑だと、自分の頭の中でも理解できず、適切に伝えることもできません)

※私の記事も長くわかりずらい文章も多々あるかと思いますが、お許しください

監査業務を通じて鍛えられる俯瞰力

公認会計士の監査の仕事は、「企業の財務諸表が全体的に適切かどうかをチェックすること」にあります。

このように、財務諸表の数値で「小さな」誤りは監査上問題になりません。
財務諸表上の全ての数値に監査責任を持つ場合には、企業の何十万件、何百万件の取引を精査する必要がありますが、そんなことは到底不可能です。

監査実務においては、「僅少許容額未満のため詳細検討省略(通称:僅少パス)」という魔法の言葉があります。これは、「金額が小さいので、もし間違っていても投資家の投資意思決定に影響しないので、監査上は十分な検討はしません」ということです。

例えば、有名大企業の監査を行う場合には、10億円以上の僅少許容額を設定しているケースも多いかと思います。一般の方々からすると、「数億円の間違いを見逃すなんて、ザル監査だ」と思われるかもしませんが、監査法人の仕事は、上述の通り、財務諸表上の誤りを全て見つけることではありません。
具体的には、「1,115億円の売上高を誇る企業の売上高が本来は1,110億だった場合に、投資家の投資意思決定に影響はありますか?」ということです(もちろん、間違いの原因が不正等の重要事実に起因しているのであれば、コンプライアンスや内部統制に影響してきますので、話は別ですが)。

入社3年〜4年程度経過すれば(勘のいい人だと2年くらい)、当期と前期の財務諸表をざっと見て、企業環境の変化や重要な取引、そして監査上特に留意すべき点をすぐに認識することができます。

公認会計士として重要な資質要素はたくさんあると思いますが、私はこの「全体感を捉える」感覚値は重要だと思いますし、様々な仕事に活かせる能力だと思います。

「大局を失わない」、「大局から入る」ということは、色々なビジネスにおいて重要ですので、意識してください。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?