そして、つづく
暑さから逃れたくて車の中でアイスを食べていた。
そしたら星野源の『喜劇』が流れてきた。
「ふざけた生活はつづくさ」
と歌っている。
源さんは、よく「つづく」ことを歌う。
新曲の『生命体』でも「つづく」でその曲が終わる。
「止まない雨はない」
とよくいうけれど。
日々の暮らしは、続いてゆくこと・続けてゆくことばかりだなと思う。
止めたくても止まってくれないことばかりだ。
どんなに暑くても暮らしは続いてゆくし、どんなに苦しくても人生は続いてゆく。
どんなに寝てもまた眠くなるし、どんなに食べてもまたお腹は空く(ちょっと違うか)。
何かが終わったとしてもまた何かが始まって、結局は全てが地つづきで続いてゆくのだ。
わたしにとって「つづく」というのは、先が見えず果てしなく、我慢の未来が待っていそうで、どちらかというと「絶望」だ。
人間関係も仕事も趣味も熱意も「続けることが苦手」と自覚しているから、わたしには「つづく」ということが怖いのかもしれない。
だが、源さんの歌う「つづく」は、
「どうせ続くのだから肩肘張らなくていい」
という応援歌にも聞こえるし、
「終わらせないぞ、あきらめないぞ」
という決意にも聞こえる。
終わりに向かってゆくことじゃなく、続いてゆく・続けてゆくことに視線を導いてくれるのだ。
遠くの向こう側ばかりを眺めて不安になっているわたしの意識を、自分が今立っている足元にスンッと戻してくれるような感じだ。
こんな調子で、ここ数ヶ月は源さんの曲や番組に支えてもらってなんとか立てている。
いろいろあるけどひとまずは目の前の暮らしを続けてゆこう、と思わせてくれる。
なんてことを考えながらアイスを食べていたら、けっこう暑さを忘れられた。
そんなクールダウンをして、また車を走らせた午後だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?