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ポテトチップス (35)

 二大政党というのは本当に良いのか。たまたま二つしかないから二大政党になっているのではないだろうか。大きな団体は分裂し弱体化していき、それに伴い新しい団体が出来る。結果、細かな勢力が次から次へとひしめき合うようになり、選択肢の幅が広がっていく。幼少時からずっとこの団体同士の戦いを見てきたが、文章に書くのは初めてであり少し萎縮してもいる。しかし、覚悟を決めてこの問題を書いてみようと思う。
そう、今日の題目はポテトチップスである。

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 スーパーやコンビニのポテトチップスコーナーで、カルビーか湖池屋(※敬称略)かどちらを選ぶべきかを決めるのは本当に難しい。うすしおならカルビーのり塩(カルビーでは”のりしお”表記)なら湖池屋というのがセオリーだが、たまには逆もいってみたい気に駆られる。そりゃあそうだ、どちらも美味しいのには変わりない。コンソメもあるじゃないかと思うだろうが、筆者は9割方うすしおかのり塩である。別に健康に気を遣ってるわけじゃない。芋の味がより感じられるのがうすしおかのり塩だと信じているのだ。とはいえ、たまに食べるコンソメの美味さも忘れてはならない。あの濃い味付けと甘い炭酸系飲料(ベストはコーラだがDr.pepperもあり)の相性は抜群である。ポテトチップス単体ではなく、甘い炭酸系飲料と合わせるならば濃い味付けのポテトチップスの方が、うすしおやのり塩より美味しく感じることもある。因みにうすしおやのり塩と合うのは炭酸水だと思っている。

 まだうすしおとのり塩についてしか書いていない。このままではうすしおとのり塩だけで文章が終わってしまうのではないだろうか。というのもカルビーのうすしおにはまだ堅あげポテトがあるし、湖池屋にはPRIDE POTATO神のり塩があるのだ。さらにいうならヤマザキビスケットのチップスターうすしおもあるし、ソシオ工房アメリカンチップスもある。大変だ、とても書ききれない。だって、まだ深川油脂についても書いていないのだ。何より恐ろしいのは今回うすしおとのり塩について書いてるだけで、これといったことを何も書いていないのだ。自分の好きなものを相手のことも考えずただひたすら喋り続けるというオタク特有の現象である。

 幼少時からポテトチップスを食べていた。我が家は親戚に芋農家がいたので、箱で買っていたのだ。季節になると客間に大きめの段ボールで7箱くらい積んであった。北海道でしか買えないであろう士幌のポテトチップス、その味はシンプルに塩、のり塩、コンソメの三種類であった。うすしおではなく塩であり、ガツンと来る味だったと記憶している。箱から何袋か出し、自分用のポテトチップスとして勉強机の中にキープしていたのを鮮明に覚えている。友達の家に遊びに行く時によくそれを持っていったのだが、スナック菓子をあまり子供に与えないようにしている家庭もあったのかもしれない。今となっては少し反省している。

 なんてことだろう、本当にうすしおとのり塩だけで文章が終わるようだ。まだピザポテトやわさビーフについても書けていない。カルビーと湖池屋だけではない様々な革新的ポテトチップスについても書けていない。仕方がない。これも全てポテトチップスをこよなく愛するがゆえなのだと諦めてもらいたい。我々ポテトチッパーはポテトチップスのことになると周りが見えなくなるのだ。最後に今日も美味しい芋を作ってくれている農家さんと、それを加工している製造者さん並びに日々新しい味を開発している商品開発チームの皆様に、最大限の敬意を表したい。

ポテトチップス
バンザーイ!
バンザーイ!
バンザーイ!

因みに万歳とは万年いつまでも生き栄えるという意味である。

ポテトチップスよ永遠なれ。

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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com