±3落語会事務局

立川流二つ目 落語家・立川談吉さんの「煮込む日々」、立川志の太郎さんの「唄う日々」とい…

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立川流二つ目 落語家・立川談吉さんの「煮込む日々」、立川志の太郎さんの「唄う日々」というコラムを連載しております。。 「煮込む日々」:15日・月末更新(あくまで目安)、「唄う日々」:7日、23日更新です。編集は±3落語会事務局が行っております。

マガジン

  • 立川談吉の「煮込む日々」

    落語家の立川談吉さんによる、日々の気付きや頭の中で煮込みすぎてしまったことなど、心赴くままに綴る連載コラム。

  • 立川談吉の「年末放談」

    落語家の立川談吉さんと±3のスタッフがその年を振り返るインタビュー記事。2019年から更新しています。

  • 立川志の太郎の唄う日々

    落語家の立川志の太郎さんが唄うように綴る連載コラム。

  • アリクエナイくん

最近の記事

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煮込む日々(1)

 何かを煮込むのが好きだ。煮込んでいる内に味が良くなれば尚更で、ますます煮込みたくなる。 何故、煮込むのが好きなのか。ある種のフェティシズムのように思えるが、少し考えてみたい。  私が主に煮込むものは、肉類である。牛すじ、豚バラ、手羽元、時には鶏ガラなどをじっくり時間をかけて煮込んでいる。とはいえ、当然煮込みのプロ(料理人)ではないので、インターネットでそれぞれの煮込み方を調べてから煮込んでいる。 肉類独特の臭みを消す為に、青ネギや生姜などを入れると良いという知識を得たのも

    • 悲哀(115)

      悲しいと哀しいはどちらもかなしい。前者の漢字はヒ、後者の漢字はアイと読む。どちらの意味も”かなしい“なのだから分ける必要はないと思うが、調べてみるとニュアンスに違いがあるようだ。”悲しい”は泣きたくなるような気持ちで、”哀しい”は胸が詰まるような気持ちだそうだ。一瞬なるほどとは感じたが即座に思い直した。胸が詰まって泣いちゃう場合もあるし、泣きたくなるのを抑えて胸が詰まることもあるのではないだろうか。となると言葉の解釈とはその瞬間を表すものなのだろう。つまり状況によっては”

      • L (114)

        サミュエルエルジャクソンと口に出して呟いた刹那、サミュエルエルジャクソンの顔を思い出すより先に、サミュエルとジャクソンの間に挟まるエルにふと気を奪われた。調べてみたらなんてことなく、エルはミドルネームのLであり正式にはリロイなので、真本名はサミュエル・リロイ・ジャクソンであった。それにしても何故にサミュエルエルジャクソンと呟いたのか。サミュエルエルジャクソンの映画を見た後に、サミュエルエルジャクソンと呟いたのなら理解出来るが、ここ最近サミュエルエルジャクソンの映画を観た記憶は

        • 波〜〜!! (113)

          歩きながら放屁をすると、おならだけその場に罠のように留まり、自分は臭い思いをせずにその場を立ち去れる。これはマリオカートでバナナの皮を置くと、後ろの車がバナナの皮で滑ってクラッシュするのと同じだ。しかし単純に毎度そうはならない。自分のお腹の調子や服装によっては、そのままおならを衣服に含むことになる。結果、自分の周囲をおならのオーラみたいなものが包み、自分も臭い思いをする。現実とはそんなものである。 鳥山明先生が亡くなった。会ったこともないのに何故こんなに悲しいのだろう。Dr

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        煮込む日々(1)

        マガジン

        • 立川談吉の「煮込む日々」
          116本
        • 立川談吉の「年末放談」
          9本
        • 立川志の太郎の唄う日々
          35本
        • アリクエナイくん
          8本

        記事

          本当の天使 (112)

          天使の羽、小さい。あんなに小さな翼で空を飛べるわけがない。よほど体が軽いのだろうか。天使といってもピンキリで、子供型もあれば成人型もあるが、そのどちらかだとしても翼を動かす筋肉が足りないように感じる。その種の専門家ではないので詳しくはわからないが、独学で調べた(Googleで検索した)ところ、体重が60Kgだと仮定して胸の筋肉が2mあり片翼の長さが17メートル、さらにそれらを動かす心臓と消費する酸素を取り込めれば、理論上飛べるのだそうだ。これらを聞いて”いや無理じゃん”と思う

          本当の天使 (112)

          みかん (111)

          みかんを食べると、親指の爪が黄色くなる。これはみかんを剥く時に、親指の爪をみかんの皮に刺したことによる副産物のようなものである。とここまで書いてみたものの、ネットで改めて調べてみると、どうやらみかんの剥き方は人それぞれ違うらしく、様々な剥き方があるようだ。筆者はみかんのヘタではなくヘタの反対から指を刺す形式で剥いているが、このヘタの反対側のことを”果頂部”というそうだ。みかんのお尻のような印象を受けるが、こちらが本来は頭なのだ。何故に尻が頂なのかを簡単に説明する。ヘタの方が枝

          みかん (111)

          鬼は外 (110)

          鬼に金棒、鬼の目にも涙、鬼の居ぬ間に洗濯など、鬼にまつわることわざはたくさんある。鬼の起源は色々な説があるが、最も有力なのは、”何かわからないものの恐怖を表したもの”ではないだろうか。今よりも科学や化学が発展していない時代において、人間に理解出来ないものがたくさんあっただろう。地震はもちろん突然の嵐や雷などの自然災害については、規模が大きいので何らかの神様の仕業と考えたかもしれない。しかし夜の暗さの恐怖や疫病、不眠や突然の病などそういった日常のものは、鬼の仕業としたのでないだ

          チーターマジック (109)

          幸せは歩いてこない、だから歩いてゆくんだね、一日一歩三日で三歩、三歩進んで二歩下がる。水前寺清子(※敬称略)の代表曲『三百六十五歩のマーチ』の歌詞である。水前寺清子さんがチーターと呼ばれているのは赤ん坊からお年寄りまで周知のことだが、何故にチーターと呼ばれているかは知らない人が多いのではないだろうか。もしかしたら読者の中には、水前寺清子さんはとても足が速く、走り出してからわずか三秒で時速96Kmまで加速すると思っている人もいるかもしれない。断っておくが水前寺清子さんはサバンナ

          チーターマジック (109)

          御挨拶

          煮込む日々の貴重な読者の皆様、 新年明けましておめでとうございます。 今年も色んなことを煮込んでいきますので、 どうぞよろしくお願いいたします。 立川談吉

          2023 立川談吉年末放談

          立川談吉さんの一年を振り返る年末放談。 今年で5年目となります。 WBCの優勝で活気に湧いた春から暑く長すぎた夏を超え、いつの間にか 秋と冬が綯い交ぜになったまま年の瀬を迎えております。 この連載も2023年12月で108回を迎え これまでの記事をまとめた書籍を作成することと相成りました。 それに伴い、来年からは過去の記事を有料とさせていただきます。 今後更新される記事は、次の記事が更新されるまでいままで通り無料でお読みいただけます。 そのお知らせもあり、今年の年末放談は2

          2023 立川談吉年末放談

          祝 108回 (108)

          108は不思議な数です。大晦日、除夜の鐘が108回鳴るのは有名な話です。また108は仏教では人間の煩悩の数とされております。とはいえ一体どんな煩悩があるのか、108も本当にあるのか。気になって調べようとしたところ、仏教はある種の学問みたいなもの、とても難解で理解が難しいのです。煩悩の説明文を5文字読んだところで理解するのを諦めることにしました。 とここで終わってしまうといつも通り(別にいつも通りでも良いのですがせっかくだし)なので、難しいものを難しいまま書いてみましょう。 1

          祝 108回 (108)

          王様・姫・豚・乞食 (107)

          王様・姫・豚・乞食。これ何だっけとゆっくり考えてみたところ、指遊びのようなものだと思い出した。手のひらを前に出して、人の名前を振り分けていく。順番は親指、指の股、人差し指、指の股、中指、指の股、薬指、指の股、小指。具体的に例を出すと たてかわだんきち (た)親指(て)指の股(か)人差し指(わ)指の股(だ)中指(ん)指の股(き)薬指(ち)指の股 この場合”たてかわだんきち“は薬指と小指の間の指の股となる。 因みに指の股のことを指間腔と言うらしい。 魔閃光や気功砲のようだが

          王様・姫・豚・乞食 (107)

          脳みそプルン (106)

           この頃脳の衰えを感じる、と書き始めて気がついた。そもそも衰えるを感じるほど元々優れてねえ、と。つまりは「昔に比べて記憶力が落ちちゃったよ」なんて台詞を吐く前に、そもそも昔から記憶力が良い方ではなかったと、自ら気が付いたのである。短期記憶は強い方ではあると思う。根拠は高校のテスト勉強を全て一夜漬けで済ませてきた実績があるからだ。しかし長期記憶に関しては壊滅的である。一度観た映画や読んだ小説など、数ヶ月経つと丸っ切り忘れてしまう。それだけなら良いが、日常生活においても掟上今日子

          脳みそプルン (106)

          SAN値ピンチ (105)

          お酢を飲むと体が柔らかくなる、そう聞いたことはないだろうか。確かに煮込み料理などでは、お酢を加えることでお肉のタンパク分解酵素が働き、圧力鍋を使わずとも骨付き肉やブロック肉を柔らかく仕上げることが出来るし、魚もまた然りである。お酢で酸性にし、ph値やSAN値が下がり、水分を多く保持出来るようになり、筋繊維の結束が弱まって軟化するのである。因みにパイナップルにもタンパク分解酵素があり、酢豚に入れることで味をサッパリさせるだけでなく、お肉を柔らかくしているのだそうだが、気をつけな

          SAN値ピンチ (105)

          SDGNTG (104)

          ”いろはす“という水を知っているだろうか。正式名称は”い・ろ・は・す”であり、由来は日本人が親しむ「いろはにほへと」の「いろは」と、環境や健康志向を意味する「LOHAS」をかけ合わせたものだそうだ。国産の天然水で飲みやすく、容器のペットボトルも原材料の使用量を削減し、環境負荷を最小限に抑えているため、非常に薄く柔らかいものになっている。東京五輪でもアスリート達を支えた、日本が誇る天然水の一つなのだ。 ところで「LOHAS」と「eco」はどう違うのか。もっと言うと「SDGs」と

          吾輩は (103)

          男は度胸女は愛嬌と聞いたことがある。男の大事なものは動じない胆力であり、女の大切なものは好感を催させる愛想であるとのことだ。こういう決めつけみたいな言葉は世間にいくらも溢れているので、さほど驚きはしない。そもそも度胸や愛嬌なんてものは、男女ともにあればあるだけあった方が良いとも思うし、人生それだけでは色々と足りない部分もある。因みにこの言葉には続きがあり、男は度胸女は愛嬌、坊主にお教となるそうだ。 女性というくくりにして良いかはわからないが、プロ野球西武ライオンズのマスコッ

          吾輩は (103)