±3落語会事務局

立川流二つ目 落語家・立川談吉さんの「煮込む日々」、立川志の太郎さんの「唄う日々」とい…

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立川流二つ目 落語家・立川談吉さんの「煮込む日々」、立川志の太郎さんの「唄う日々」というコラムを連載しております。。 「煮込む日々」:15日・月末更新(あくまで目安)、「唄う日々」:7日、23日更新です。編集は±3落語会事務局が行っております。

マガジン

  • 立川談吉の「煮込む日々」

    落語家の立川談吉さんによる、日々の気付きや頭の中で煮込みすぎてしまったことなど、心赴くままに綴る連載コラム。

  • 立川談吉の「年末放談」

    落語家の立川談吉さんと±3のスタッフがその年を振り返るインタビュー記事。2019年から更新しています。

  • 立川志の太郎の唄う日々

    落語家の立川志の太郎さんが唄うように綴る連載コラム。

  • アリクエナイくん

最近の記事

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煮込む日々(1)

 何かを煮込むのが好きだ。煮込んでいる内に味が良くなれば尚更で、ますます煮込みたくなる。 何故、煮込むのが好きなのか。ある種のフェティシズムのように思えるが、少し考えてみたい。  私が主に煮込むものは、肉類である。牛すじ、豚バラ、手羽元、時には鶏ガラなどをじっくり時間をかけて煮込んでいる。とはいえ、当然煮込みのプロ(料理人)ではないので、インターネットでそれぞれの煮込み方を調べてから煮込んでいる。 肉類独特の臭みを消す為に、青ネギや生姜などを入れると良いという知識を得たのも

    • カナヅチンピック(121)

      蒸し暑さが続いて倒れそうだ。気温より湿度に弱い体なので、この時期は汗だくで落語をやっている。力を抜いて汗だくになっているので、何らかの病人のような佇まいかもしれない。立てばゾンビ座れば犬糞、歩く姿は夢遊病といったところだ。しかし反対に夏が好きなヤカラもいる。そういうヤカラは海だ水着だ日焼けだヒャッホーとなるそうで大変に羨ましい限りだが、人種が違うのだから仕方がないと諦めている。大体が冷房の効いた部屋で横寝になってアマプラやツールドフランスでも観ながら、ガツンとみかんを齧ってい

      • 一票の重み (120)

        巷では選挙で大変に盛り上がっている。そういったものに関心のない筆者でさえ、一体どうなるのか行く末が気になっている。何より今回、候補者の多さには驚いた。東京だけではとどまらず、あらゆるところからの立候補で、知らないものばかりである。さてどうしたものか、皆さまの一票はどこに行くのか、こっそり教えてもらいたいくらいである。おっとポカしてしまった。選挙に関心がないどころか、候補者も知らないなんて読者もいるだろうことを見落としていた。ポカしたポカした。そんな選挙初心者の読者のためにわか

        • クッキング地獄(119)

          ホワイトソースを作るのは難しい。いや正確にはホワイトソースをちょうど良いとろみや分量で作るのは難しい、だ。ホワイトソースの黄金比は調べたところ、バター1:小麦粉1:牛乳:10で毎回この通りやっている。しかし、何故か毎度牛乳が足りなくなる気がする。例えばバター20g、小麦粉20gとすると牛乳は200mlで合っているはずである。さて、これは先日のことだ。 【ホワイトソースの作り方】 ①フライパンにバターを溶かしてそこに小麦粉を投入、弱火でなめらかになるまで約5分ほど混ぜ合

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        煮込む日々(1)

        マガジン

        • 立川談吉の「煮込む日々」
          122本
        • 立川談吉の「年末放談」
          9本
        • 立川志の太郎の唄う日々
          35本
        • アリクエナイくん
          8本

        記事

          象鼻長屋 (118)

           象は鼻が長い。これは日本語研究者の中で長い間議論されているものである。あまりよくわかってないので簡単に説明すると、いやよくわかってないのに簡単には説明出来ないか。よくわかってないものをよくわかってないまま説明すると、主語が”象は”と”鼻が”のどっちなのかみたいな話。”〜は”や”〜が”みたいに主語を表す言葉が二つ入ることで、どっちが述語の表す”長い”なのかみたいな話。つまりは”象は長い”のか”鼻が長い”のかそれとも述語が”鼻が長い”なのか。よくわかってないまま説明したがおわか

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          象鼻長屋 (118)

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          甘栗むかずに宣伝しちゃいました (117)

          眠い。ここのところちょうど眠くなる室温と湿度な気がする。楽屋でも欠伸が出そうになり、気付かれないように欠伸を噛み殺そうと試みるのだが、いつの間にかこちらが欠伸に噛み殺されている。恐ろしいことである。人間は睡魔に勝てないし、さらに言うなら様々な欲求にも勝てない。いやある程度は理性でどうにか出来るのだが、欲求を抑えた姿が勝者に見えるかとなるとわからない。眠気に襲われながらも起きていなきゃいけない理由があるだけで、敗者なのかもしれない。 誰かが言っていた、眠気にはコーヒーが良いと

          甘栗むかずに宣伝しちゃいました (117)

          桜の散るころには(116)

          自分のことは自分が一番わかってるんだよ。嘘である。この台詞を言っている時は往々にして、自分はおろか周りも見えていないものである。推測だが唯一の例外は寿命に関してではないだろうか。病室のベッドで桜の木を眺め、「あの桜の花が散るころには生きていないだろう」などと言う。これは自分の寿命を悟っているからで、この時ばかりは周りがいくら言ってもしょうがない。専門家である医者だけが非常に客観的に判断しているのは間違いない。つまり心身が元気な状態の場合、自分で自分のことを理解するのは至難の業

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          桜の散るころには(116)

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          悲哀(115)

          悲しいと哀しいはどちらもかなしい。前者の漢字はヒ、後者の漢字はアイと読む。どちらの意味も”かなしい“なのだから分ける必要はないと思うが、調べてみるとニュアンスに違いがあるようだ。”悲しい”は泣きたくなるような気持ちで、”哀しい”は胸が詰まるような気持ちだそうだ。一瞬なるほどとは感じたが即座に思い直した。胸が詰まって泣いちゃう場合もあるし、泣きたくなるのを抑えて胸が詰まることもあるのではないだろうか。となると言葉の解釈とはその瞬間を表すものなのだろう。つまり状況によっては”

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          悲哀(115)

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          L (114)

          サミュエルエルジャクソンと口に出して呟いた刹那、サミュエルエルジャクソンの顔を思い出すより先に、サミュエルとジャクソンの間に挟まるエルにふと気を奪われた。調べてみたらなんてことなく、エルはミドルネームのLであり正式にはリロイなので、真本名はサミュエル・リロイ・ジャクソンであった。それにしても何故にサミュエルエルジャクソンと呟いたのか。サミュエルエルジャクソンの映画を見た後に、サミュエルエルジャクソンと呟いたのなら理解出来るが、ここ最近サミュエルエルジャクソンの映画を観た記憶は

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          波〜〜!! (113)

          歩きながら放屁をすると、おならだけその場に罠のように留まり、自分は臭い思いをせずにその場を立ち去れる。これはマリオカートでバナナの皮を置くと、後ろの車がバナナの皮で滑ってクラッシュするのと同じだ。しかし単純に毎度そうはならない。自分のお腹の調子や服装によっては、そのままおならを衣服に含むことになる。結果、自分の周囲をおならのオーラみたいなものが包み、自分も臭い思いをする。現実とはそんなものである。 鳥山明先生が亡くなった。会ったこともないのに何故こんなに悲しいのだろう。

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          波〜〜!! (113)

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          本当の天使 (112)

          天使の羽、小さい。あんなに小さな翼で空を飛べるわけがない。

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          本当の天使 (112)

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          みかん (111)

          みかんを食べると、親指の爪が黄色くなる。これはみかんを剥く時に、親指の爪をみかんの皮に刺したことによる副産物のようなものである。とここまで書いてみたものの、ネットで改めて調べてみると、どうやらみかんの剥き方は人それぞれ違うらしく、様々な剥き方があるようだ。筆者はみかんのヘタではなくヘタの反対から指を刺す形式で剥いているが、このヘタの反対側のことを”果頂部”というそうだ。みかんのお尻のような印象を受けるが、こちらが本来は頭なのだ。何故に尻が頂なのかを簡単に説明する。ヘタの方が枝

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          鬼は外 (110)

          鬼に金棒、鬼の目にも涙、鬼の居ぬ間に洗濯など、鬼にまつわることわざはたくさんある。鬼の起源は色々な説があるが、最も有力なのは、”何かわからないものの恐怖を表したもの”ではないだろうか。今よりも科学や化学が発展していない時代において、人間に理解出来ないものがたくさんあっただろう。地震はもちろん突然の嵐や雷などの自然災害については、規模が大きいので何らかの神様の仕業と考えたかもしれない。しかし夜の暗さの恐怖や疫病、不眠や突然の病などそういった日常のものは、鬼の仕業としたのでないだ

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          鬼は外 (110)

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          チーターマジック (109)

          幸せは歩いてこない、だから歩いてゆくんだね、一日一歩三日で三歩、三歩進んで二歩下がる。水前寺清子(※敬称略)の代表曲『三百六十五歩のマーチ』の歌詞である。水前寺清子さんがチーターと呼ばれているのは赤ん坊からお年寄りまで周知のことだが、何故にチーターと呼ばれているかは知らない人が多いのではないだろうか。もしかしたら読者の中には、水前寺清子さんはとても足が速く、走り出してからわずか三秒で時速96Kmまで加速すると思っている人もいるかもしれない。断っておくが水前寺清子さんはサバンナ

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          チーターマジック (109)

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          御挨拶

          煮込む日々の貴重な読者の皆様、 新年明けましておめでとうございます。 今年も色んなことを煮込んでいきますので、 どうぞよろしくお願いいたします。 立川談吉

          2023 立川談吉年末放談

          立川談吉さんの一年を振り返る年末放談。 今年で5年目となります。 WBCの優勝で活気に湧いた春から暑く長すぎた夏を超え、いつの間にか 秋と冬が綯い交ぜになったまま年の瀬を迎えております。 この連載も2023年12月で108回を迎え これまでの記事をまとめた書籍を作成することと相成りました。 それに伴い、来年からは過去の記事を有料とさせていただきます。 今後更新される記事は、次の記事が更新されるまでいままで通り無料でお読みいただけます。 そのお知らせもあり、今年の年末放談は2

          2023 立川談吉年末放談