見出し画像

【Z世代のお金事情】現金派 vs キャッシュレス派、どちらが多い? PayPayの使用率は?

コロナ禍のこの2年で急拡大をしたキャッシュレス決済。財布は持たずにスマホだけを持ち歩く人も増えてきた印象です。キャッシュレス決済のみに対応したセルフレジなども多く設置されるようになってきましたね。クレジットカードに加えてバーコード決済や交通系ICも多くの選択肢があり、どれを使うべきか迷っている方々も多いと思います。

デジタルへの適応力は若い人の方が高いと言われますが、キャッシュレス決済についてはどのくらい浸透してきているのでしょうか。今回は「現金派 vs キャッシュレス派」というテーマで、Z世代のお金事情に迫っていきます!

【調査概要】
<調査対象>
15 ~34歳の未婚男女347名
<調査実施期間>
2021年10月19日~10月26日
<調査方法>
インターネット調査

現金派? キャッシュレス派?

画像1

まずはシンプルに、「現金 or キャッシュレス決済」どちらを使うことの方が多いのか見ていきます。男女年齢別に見ると、男女差よりも年代による差が目立つ結果となりました。若い層ほど現金派が多く、年齢が上がるにつれてキャッシュレス決済の割合が多くなっています。ボーダーラインは20代の前半と後半の間にあるようです。就職やクレジットカードの所有が一つのキーになっていると考えられます。

しかし、Z世代でも40%前後がキャッシュレス決済の方が多い、というのは注目すべき事実です。従来は「キャッシュレス決済≒クレジットカード」で、成人するまでは現金を使う以外の選択肢がほぼ無かったですが、バーコード決済や交通系IC決済などクレジットカードが無くても使える手段が増えたことで、未成年でも保護者の管理のもとで気軽にキャッシュレス決済ができるようになりました。

キャッシュレス決済、何を使っている?

冒頭に書いたように、一言で「キャッシュレス決済」といってもたくさんの決済サービスがあります。キャッシュレス決済を多く使っている人は、どのサービスを使っているのでしょうか。

画像2

全体で見ると、クレジットカードが最も多く、次いでPayPayが多くなっています。クレジットカード以外のキャッシュレス決済ではPayPayが頭一つ抜けており、30代前半男性では90%以上と最多です。

女性の20代後半~30代前半でクレジットカードを使っている人が60%台というのが、少し意外でした。20代前半は84%と高いため一概には言えませんが、クレジットカードの使用率は男性よりも女性の方が低いようです。

Z世代の男女を見ると、10代ではPayPayが最多で、次いでクレジットカード、交通系ICが多く使われています。男性では20代よりも10代の方がPayPayを利用している人の割合が高くなりました。クレジットカードを持っていない人は、交通系ICよりもバーコード決済で日常の支払いをする人が多いようです。

キャッシュレス決済のメリットをどんなところに感じる?

キャッシュレス決済を利用している人に、具体的に何にメリットを感じているのかを聞いてみました。

画像3

「支払いがラク」や「財布を持ち歩かなくて良い」という利便性の高さに一番メリットを感じているようです。特に女性が多く、「ポイントやクーポンがお得」も割合の高さと合わせて、賢く利用していることがうかがえますね。

バーコード決済が普及していく過程で「割り勘」のしやすさがサービス提供側からメリットとして打ち出されることが多かったのですが、実際にメリットを感じている人は一部に限られるようです。

現金とキャッシュレス、どう使い分ける?

現金とキャッシュレス決済を使い分けることがある、と回答した人に、どんな時に使い分けるのかを聞いてみました。

画像4

先の質問で割り勘にキャッシュレス決済のメリットを感じている人が少なかったことに比例するように、「友人と食事をした時」には半数以上が現金を使うと回答しました。理由としては、そもそも現金派とキャッシュレス派に分かれる、まとめて会計するときはそれぞれが現金を出さざるをえない、使っているサービスが人によって異なる、などが考えられます。

画像5

「友人と食事をした時」の内訳を詳しく見てみると、10代と20代前半の男性のみキャッシュレスが優勢で、それ以外は現金が多数です。男性の方が若干キャッシュレス決済の受容度が高いようですね。

今後の利用意向は?

現在、現金派(支払いは現金の方が多い)の人たちに、今後のキャッシュレス決済の利用意向を聞いてみました。

画像6

「現在使っていて頻度は変わらない」という人がもっとも多く、自分に合った使い分けの形を見出しているようです。次いで「現在使っていて利用を増やす」という人が多く、特に10代男女と女性30代前半で高くなっています。また、10代男女ともに「現在使っていないが今後使う」の割合も高めに出ています。10代ではまだ使っていない人が多い、という背景もあるかもしれませんが、これから利用を増やしたいという意向が多かったことも踏まえると利用意向が他の世代に比べて高いということには間違いありません。

まとめ

Z世代のお金事情について、ポイントをまとめると以下の通りです。

① キャッシュレス決済の受容度が高く、現在使っていない人も利用意向が高い
② 最も使われているキャッシュレス決済サービスはPayPay
③ 友人と食事をした時の支払いは現金

Z世代のキャッシュレス決済の受容度の高さを踏まえると、今後も世の中のキャッシュレス化はますます進んでいくでしょう。バーコード決済やIC系カードでは、クレジットカードをユーザー自身で持っていなくても、保護者の管理下で利用させることが可能、かつ、利用履歴も追うことができます。若年層向けにサービスを展開したりECの利用促進をしたりする際には、今回のリサーチ結果のようなユーザーが使っている決済手段まできちんと把握をして設計することで、より多くの人に利用してもらうことに繋がるでしょう。

※余談ですが、キャッシュレス決済が進んでカツアゲなどの悪い文化も無くなることを願っています...!

~おまけ~
今回のリサーチに合わせて、Boys BeautyのZ世代男子2名に、「現金派orキャッシュレス派」でフォロワーにストーリーズアンケートを実施してもらいました。その結果、
Aさん→ 現金 105:キャッシュレス 75
Bさん→ 現金 107:キャッシュレス 26
と、割合に差はあるもののいずれも現金の方が多くなりました。まだまだ一般的とまでは言えませんが、一定数の利用者はいるようですね。

画像7

堀 かおり
2014年、電通テック入社。2018年5月より +tech labo の研究員となり、“Z 世代”を軸として開発業務を行っている。Z世代男子に向けてメンズ美容の情報を発信するInstagramアカウント「Boys Beauty」のプロデューサー。