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【観劇記録】梅棒 16th showdown『曇天ガエシ』

2023.03.20 @ 新国立劇場 中劇場

 新国立劇場の中劇場は15列前後のセンターブロックが好きで、座席選択できるとついそこを取ってしまう(そして座席選択ができる舞台は大抵そこが買える 笑)。ゆえに、それなりの頻度で行っているのに2階席に入ったことがないし、端の席もあまり経験がないから意外と見え方を知らなかったりする。

"オウゴン"の採掘により発展した国「ジパングリ」で、王の妻によるクーデターが勃発。跡継ぎだったメツ王子は物心つかないうちに王宮を追われ、行方不明に。
それから十数年…
女王の圧政に苦しむ人々の救いは、国からオウゴンを盗み出し民に分け与える義賊集団「マサゴ」だった。その中に、成長し街を飛び回るメツの姿が。
一方、武力で圧政を覆そうとするテロ組織「クニクズシ」も怪しい動きを見せていた。
ある日、メツは女王の息子であるヌューダ王子と偶然街で出会い、運命の歯車が回り出す。
果たしてこの国の行く末はいかに…

http://umebou16th.dynamize.net より引用(2023.04.16取得)

 最近足りていなかったものが全てここにあった。正確に言うと、足りていないことにすら気づいておらず、見終わった後に「最近足りてなかったのはこれか……!」といろいろと腑に落ちた。
 例えばダイナミックに動く階段状のセットだったり、ステージ上や客席に張り巡らされる、照明やレーザーの光の線だったり。演劇よりも音楽ライブで得られるもののような気もするが、昔よりライブに行く頻度も下がっているし、足りていなかったのは事実だ。

 華やかな衣装で踊る人たちがいて、流れるのは耳馴染みの良いJ-POPで、話は敵味方入り乱れる三つ巴の戦い、というのはシンプルに派手で楽しい。もちろん細かい表現を追うのもいいのだけれど、私はあまり得意ではないので、先に書いたセットや照明のことも含めて、何も考えずとも楽しめるのはありがたかった(これもまた最近足りていなかった)。
 特に、黒いロングコートを着た背が高くてかっこよくて美しい悪役(=アヤトビ)なんてそれだけで必要十分。双眼鏡を忘れたのをちょっと後悔した。持ってきていたら多分ずっと追いかけていたと思う(笑)

 最後にこれは完全に余談だが、あまりによく知っている曲がかかると、意外にそっちに気を取られて舞台に集中できないということが分かった(今回1曲あった)。全く知らない曲よりは知っている曲の方が楽しめるけれど、何事もほどほどくらいがちょうどいいらしい。

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