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【観劇記録】女の友情と筋肉 THE MUSICAL -幸せの上腕二頭筋-

2024.06.01 @ 品川プリンスホテル ステラボール

 「○○劇場は冷房が効いていて寒い」は、わりとどの劇場でも言われている印象がある。私はそれで寒いと感じたことがなく、あまり気にせず薄着で行くのだが、ステラボールは本当に寒かった。季節の変わり目だったせいかもしれないが、本当に寒いことあるんだな……。

仕事もプライベートも筋トレも、すべてに全力投球の村上イオリには、2人の幼馴染がいた。アパレル勤務の小西マユ、商社勤務の神田ユイ、2人もイオリに負けず劣らずの全力女子!

マユはパティシェ見習いの恋人・泉マサノブといつもラブラブ。最近婚約を破談にしたユイは、次の恋に向かって気持ちを切り替えようとしていた。そしてイオリは……浮気性の彼氏、吉本ユウヤに手を焼く毎日であったが……2人の関係についに変化が訪れる!?初恋の相手とのまさかの再会や、双子の妹・シオリの登場、そして謎の料理人・味潤平も巻き込んで、恋も仕事も大波乱の予感!?

三者三様、それぞれの人生に全力で立ち向かうイオリ・ユイ・マユ。そんなある日、マユの妊娠が判明!

果たして三人は、鍛えたカラダで幸せになることが出来るのか――?

https://onna-kinniku.com/introduction.html より引用(2024.06.20取得)

 前作は未見、原作もプロモーション用に公開されていたところだけ斜め読みした状態で観劇。
 誇張するところはがっつり誇張して、しょうもないところはとことんしょうもない。コメディならではのスケールの大きさや、ネタ楽曲(パロディとかダジャレとか)の下らなさは、好きなタイプの笑いだった。
 ただ、やはり休憩なし2時間半で集中を切らさないのは相当うまくやらないと難しい、とも思った。私の集中力がないと言われればそこまでだが、曲が減ってもいいからテンポを上げて2時間強くらいで見たかった。

 この手の舞台は、歌も演技も手練れの者たちが真面目にふざけ倒して己の技量を無駄遣いするのが醍醐味だと思うのだが、それにしては物足りなかった。歌が上手い人、コメディが上手い人はいるけれど全体ではないし、特に歌は、面白さへのノイズになっている部分もあった。
 そんな感じなので、味潤平は歌い出す前から「待ってました!」な状態だったし、期待を裏切らなくてホッとした。それで言えば、ナゾビッチ先輩が立ち位置(?)のわりに歌の上手さが異質で、まさに謎だったので可笑しかった。

 "マッチョだけど女の子してる"ギャップだけでなく、そこを差し引いても3人のキャラクターの中でギャップがあるのがいいな、と思った。イオリはあんなにデキる女なのにそんなところでうじうじするんだ!?って感じだし、マユはやや幼めな言動するけどたぶん一番堅実でまとも。ユイはわりと雰囲気そのままだけど、「私かけっこ得意だから……!」は痺れた(笑)。
 その辺が妙にしっかりしているおかげで、どこまでも無茶苦茶なのに急にいい話になっている、みたいなことが起きていた。それがまた、"一体何を見せられているんだ"的な可笑しさを生んでいたような気がする。

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