洗濯ものの話

よくある洗濯の仕方の違いの話でしょ、と言われればそうです。しかし、洗濯をめぐって私は異文化適応のショック期を体現したのでそれを書きます。役に立ちそうなのは「イギリスでの洗濯の仕方」の項目だけです。
後半は恥ずかしいので、いずれ削除したり有料にして読めないようにしようと思っています。


イギリスでの洗濯の仕方

イギリスは硬水+温水洗い+ドラム式の叩き洗いなので、色柄物と白物は必ず分けて洗濯する必要があります。そして色柄物を洗うときにはカラーキャッチャーなるものが必要です。このあたりのことはネットで予習済(↓)だったので、特に困ることもないだろう、ふふんと思っていた私。

調べた通りに、低温洗い可+non-bio+液体洗剤(溶け残り防止)のPersilとカラーキャッチャーのみを購入。軟水化するwater softnerは購入せず。というのも、Persilにはそもそもwater softnerが含まれているからです。超硬水の場合は必要かもしれませんが、石鹸が泡立つなら大丈夫だろう思います。様子見て導入します。

1回目の洗濯

さて、いざ洗濯しようと思い、ランドリーへ(キッチンに洗濯機がある家が多いようですが、私の滞在先はお風呂場にあります)。洗剤の種類だけでなく、洗濯のコースも多いです。
私の持ってきた衣類やタオルはほぼ綿なので、cottonのコースでやってしまうか、delicateコースにするか、それが問題だ、と首を傾げていました。そこへフラットメイトの一人が部屋から出てきて「もしかしたら洗濯機の調子悪いかも、知らんけど」みたいなことを言いながら、使い方を教えてくれました。
洗いあがって出そうとするとロックがかかっていて取り出せず、電源のON/OFFを繰り返したり、スタートボタンを押してみたりしましたが開きません。そこへ再びフラットメイトAが通りかかり、「しばらく待ってから開けるんだよ」と教えてくれて、しばらく待ってから開けました。開いたはいいものの、うっかりスタートボタンを押してしまっていたので注水されていてベタベタ。フラットメイトAは「乾燥機に入れれば大丈夫」とそのまま入れてくれました。〈自分でやるから大丈夫だよ、ありがとう〉と言って、乾燥機に入れたくないものは引き上げて、手で絞った後、部屋に干しました。セントラルヒーティングのおかげで一晩で乾きました。

2回目の洗濯:異文化適応のショック期

まだ直ってなかった洗濯機

数日後、1回やっているのでもう自分でできると思い、再び洗濯機に向かいました。手慣れた感じでスイッチをセット。注水を始めた頃、フラットメイトBが出てきて「洗濯機の修理を頼んでいるところだから、洗濯しない方がいいと思う。多分3日以内に修理の人が来てくれるはずだけど」とのこと。いや、注水しちゃったよ。〈そうなんだ、脱水して出すね、ありがとう〉と言って脱水のボタンを押し、脱水が終わったころにランドリーにいき、ホウレンソウがイマイチだなと思って張り紙をしました。

また通りかかったフラットメイトAがその張り紙を見て「確かにね」と言いながら笑いました。笑いごとではないのだよ。私はベタベタの洗濯ものをまた部屋に持ち帰ろうとしたら「学内に洗濯機あるから、それを使うといいよ」と教えてくれました。お礼を言いつつ、ベタベタでは持っていくこともできないので一晩乾かし、洗剤をラップでくるみ、ジップロックにいれ、学校へ向かいました。

こんな状態

学内のランドリー

学内のランドリーでは、洗濯待ちしていた女子学生が「アプリをダウンロードして使うんだよ」って教えてくれました。しかし、アプリが新旧切り替え中で新アプリはなぜかダウンロードできず、旧アプリにチャージしたものの機能せず。ヘルプセンターに電話かけても解決せず。チャージしたお金の返金も手数料が取られるという自動応答のメールが来て、私は頭にきました。途方に暮れ、誰もいないランドリーで、洗濯ものを抱えて少し泣きました。
少し落ち着いた後、学内のどこかに相談しようと思ったものの、どこに相談すればいいかわからず、とりあえず一番近かった郵便担当のところにどこに聞きに行ったらいいかを尋ねました。すると、中年男性スタッフが「一緒に行くよ」と言って、担当部署まで連れていってくれることになりました。たかが洗濯ごときでなぜ自分はこんなにも途方に暮れているのか、こんなことすら自分は一人でできず、人の手を煩わせてしまっているのかと情けなくて、いい大人が人前でボロボロ泣きました(BRP回収の時も少し泣きました)。
彼はとても親切で「君は何も悪くないんだよ」とか「どこから来たの?」とか話しかけてくれて、親戚が日本人なのだという話もしてくれました。もう、迷子の子への対応。気持ちとしては迷子だったけれども。
担当部署でチャージ用のカードをもらって、チャージの仕方について聞いていると、彼は「She has language barrier.」と言って、誰かスタッフが代わりにしてあげた方がいい、と言っていました。私はそこまではどうかと思ったので、〈大丈夫です、自分で問い合わせてみます、ありがとうございます〉と言いました。そして、彼は自分の仕事場に、私はランドリーの方に戻りました。チャージした額をカードに入れてほしいと連絡してもうまくいかず、もう一度担当部署に行って聞いてみても、連絡したのなら自動でチャージされると思う、とのことでわからず。辟易としながらランドリーへ戻ると、アプリからチャージ金額が消えていたので、そっとカードを当ててみると洗濯機の操作ができるようになっていました。どうやらチャージに時間がかかっていただけのようでした(ここまでで1時間半経過)。

洗濯を終えて

洗濯中にDBSの書類について質問に行き、乾燥機に洗濯ものを移動させ、昼食を学食で食べて乾燥を終えました。まだ湿っていたもののくたびれてしまって帰ることにしました。
帰るにしても、郵便担当の彼にお礼を言ってからにしようと思いました。何かお礼を贈りたいときはメッセージカードにしましょう、と留学生ハンドブックに書いてあったので、手帳のメモページを使って鶴を折ってそれをカードの代わりにすることにしました。千代紙とかそういう気の利いたものがあればよかったのに、と思いました。

洗濯したものを持って郵便の窓口に行くと、彼はお昼を食べていました。〈あなたのおかげで洗濯することができました。本当にありがとうございました〉と、鶴をデスクに置くと逆にお礼を言われ、握手求められ面喰いました。

帰宅すると洗濯機はすっかり直ったようでした。なんだったんだ、あの時間は。

異文化適応過程について

臨試のときにも勉強したり、入学前のオリエンテーションでもカルチャーショックについてはレクチャーがあったので知識としては頭にあります。

  1. ハネムーン期(Honeymoon)

  2. ショック期(Shock)

  3. 調整期(Adjustment)

  4. 受容期(Acceptance)

この4段階がU字曲線を描くのですが、ショック期になると、抑うつ気分、不安、易疲労性、涙もろくなる、ひきこもりがちになる、ということも頭ではわかっています。そして、今の自分がショック期にいるんだな、と冷静に見ている部分もあります。とはいえ、まだ授業が始まっていないこともあり、自室にひきこもりがちなのは事実です。散歩したり観光したり、外に出た方がいいのかもしれないですが、どうにも気がすすまない。笑
ミルクティとTunnockのティーケーキ(数年前のイギリス観光の時に食べて大好きになった:エンゼルパイみたいな感じ)で自分を甘やかしながら、少しずつやっていきます。色々な人が声をかけてくれて、力になってくれようとしてくれていますしね。英語は不自由ですが、これからこれから。

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