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創造思考と管理思考

本日も私論を述べます。

創造と管理というのは文字面からして異なるものであると思うのですが、意外と創造・管理思考を意図的に分けながら仕事をしている、あるいは自分の仕事を見つめてみることができていないのではないかと思うので、書き連ねてみたいと思います。

創造思考と管理思考は仕事において大きな違いがあると思います。

まず、創造思考と管理思考を以下のように定義しておきます。
entrepreneurial⇒創造思考
administrative⇒管理思考
と読み替えてください。

・entrepreneurial: “the pursuit of opportunity without regard to resources currently controlled”「現在管理しているリソースにとらわれずに機会を追求する」(ChatGPT訳)
・administrative :”Administrators allow their existing resources and their
job descriptions to constrain their visions and actions”「管理者は、現在のリソースと職務記述書が彼らのビジョンと行動を制約することを許しています。」(ChatGPT訳)

STEVENSON, Howard H.; JARILLO, J. Carlos. A paradigm of entrepreneurship: Entrepreneurial management. In: Entrepreneurship. Springer, Berlin, Heidelberg, 2007. p. 155-170.

違い①資源を取りに行くか与えられるか
以下は上記をそのまま踏まえたものになります。
創造思考の場合は、資源というのは自分から取りに行きます。そもそも創造というのは何か新たなものを作りたいと思うから始まるわけで、その思いついたときにすべての資源がそろっているという状況はめったにないのではないでしょうか?そうすると、与えられる・手持ちにある資源だけではなく創造するために必要な資源を自ら取りに行く必要があります。
一方で、管理思考の場合は、与えられた資源をどのように目標に向けて最適化を図るのかという思考と言えます。その状態を所与のものとし、どのように与えられた目標を実現するのかということを重要視します。

違い②資源を増やすか分け合うか
違い①の流れで記述すると、管理思考の場合は資源が増えない前提なので、創り出した価値を分け合う思考になる傾向があると思います。つまり、100万円があるとして、それは増えずに今いるメンバーでどのように分け合うのかという思考です。これは、出し抜くや比較して得する人を敵のように扱い、平等に配分しようというルールを作ることになるでしょう。
では、創造思考はどうか?創造思考は基本的に資源を増やしていく増える前提の思考です。なぜなら、何か新しいものを作り続けることで価値の創造を目指すからです。100万円を分け合うのではなく、増やそうとします。

違い③時間軸と視点
今までの意見を踏まえると、以下のような違いが時間軸と視点という観点でも浮き彫りになると考えます。

創造思考⇒時間軸が長く、視野が広い
管理思考⇒時間軸が短く、視野が狭い

創造思考は資源を取りに行って何かを作るので、時間がかかります。結果が出るのかわからないですし、結果が出る時間もいつになるか不明です。視野を広く考えておかないと、何が役に立つのか予想がつきません。この点で、視野を広くして物事を考えないといけません。
一方で、管理思考は与えられたものの中で何かを実行するので、細かく進捗を数値に落とすことができます。つまり、すぐに何らかの結果がわかります。この時、一転突破で実行するため時間軸が短く視野が狭いと言えるのではないでしょうか。

その2つの思考について、どちらがいいという絶対的な指標はありません。状況や環境によって優位性は変わるからです。しかし、誰かと一緒に仕事をするとき、あるいは議論するときは、どちらの傾向がある人なのかを把握して進めないと、議論が空転したり、相性が悪くなって(分かり合えないので)パフォーマンスが下がったりします。

騒動思考と管理思考を一つの観点として自らの傾向や他者の傾向を把握することは、より良い仕事に貢献するはずだと思います。


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