ことのはたんご | 難易度分析・作製から1ヶ月の振り返り
はじめに
本投稿では単語推理ゲームである「ことのはたんご」に関する難易度の分析とこれまでの履歴、作製からの1ヶ月の振り返りに関してだらだらと記述しています。
「ことのはたんご」をしらない方はこちらもしくはAUTOMATON様の記事から確認してみて下さい。
履歴
制作から執筆まで全34回単語が更新されています。聞きなじみのないものから一般的な単語な単語、外来語や2種類を組み合わせた単語などさまざまな「たんご」が出題されてきました。開発から1ヶ月の単語をここに掲載します。(第1回から第5回まではデータを保存する事が無かったため、それらの「たんご」は不明です)
第6回
「年収:ネンシュウ」第7回
「良材:リョウザイ」第8回
「学級:ガッキュウ」第9回
「梅擬:ウメモドキ」第10回
「足の甲:アシノコウ」
(燃焼:ネンショウ)第11回
「連休:レンキュウ」第12回
「米俵:コメダワラ」第13回
「横領:オウリョウ」第14回
「官僚:カンリョウ」第15回
「サディスト:サディスト」第16回
「形象:ケイショウ」第17回
「雪煙:ユキケムリ」第18回
「駐在:チュウザイ」第19回
「免罪符:メンザイフ」第20回
「大曲:タイキョク」第21回
「入園:ニュウエン」第22回
「熱帯夜:ネッタイヤ」第23回
「朝ご飯:アサゴハン」第24回
「バスタオル:バスタオル」第25回
「強豪:キョウゴウ」第26回
「濃緑:ノウリョク」第27回
「墨汁:ボクジュウ」第28回
「巡察:ジュンサツ」第29回
「冬景色:フユゲシキ」第30回
「ハンバーグ:ハンバーグ」
(伽羅蕗:キャラブキ)第31回
「圧縮:アッシュク」第32回
「アミノ酸:アミノサン」第33回
「赤ワイン:アカワイン」
たんご振り返り
一番印象に残っているたんごは「梅擬:ウメモドキ」です。リリースしてから初めての一般的ではない単語であり、反響も大きかった事から出題単語に関して深く考えさせられました。ことのはたんごのドメインやnoteの名前に記載してあるとおり、ハンドルネームとしてplumを利用する事が多々ありました。plumとは梅のことであるため、今振り返ってみると私は梅と何か深い関わりがあったのかも知れないと思わされています……。
「米俵:コメダワラ」に関しては友人と二時間ほど掛けながら解いたけど正解に至らなかったという苦い思い出があります。
「連休:レンキュウ」に関しては下記ツイートで大いに笑わせていただいた記憶があります。
出現単語に関して
「知らない単語の問題」、「外来語の問題」、「2種類を組み合わせて出来た単語の問題」等が色々あげられていました。
「知らない単語の問題」
この問題に関してはこちらのnote記事でも示したように
🟢 「植物名・動物名・料理名・音楽・地学・科学・宗教」等専門的な用語に関して、一般的ではない単語を除く
(例:氷川様・クビレズタ・ウメモドキ)
🟢 日本語において何らかの意味を表す一般的ではない単語は概ね出題する
(例:醜業、教程、緞帳、巡察)
の基準を元に出題しています。
「外来語の問題」
日本語においては「テレビ」「リモコン」「ハンドル」「アニメーション」「ガラス」など外来語の使用頻度が非常に高く、単語として一般的に根付いているという判断より出題します。
一般的ではない単語に関しては概ね「サディスト」を下回る認知度の場合では出題しない方向です。
ちなみに英語Wordleにおいても「SUSHI」のような外来語が出題される可能性は存在していました(NewYorkTimes版に変更されてどうなったかは不明だが。)
「2種類を組み合わせて出来た単語の問題」
「赤ワイン」が顕著な例ですが、人によっては「バスタオル」「アミノ酸」「雪煙」なども二種類を組み合わせた単語の様に考えると思います。
と国立国語研究所においても述べられているとおり単語に明確な基準は無いと思います。そのため、本アプリケーションにおいては「足の甲」のように単語内に助詞の入っている単語は除き、「赤ワイン」「バスタオル」のような二単語を組み合わせた単語は出題します。
まとめ
Wordleの作者様がおっしゃっている様に、出題単語を決めることが多くの労力を注ぐ必要があると思いました。
難易度分析
第16回より作者のTwitterにてTwitter上の回答を集計して次の日の始まりにそのデータをツイートしている。(33回の単語は赤ワインです。時差の影響により海外からツイートを覗くとネタバレになることを避けるため、正解の単語を記載していません。)
こちらのデータを用いてデータ分析を行っていこうと思う。
前提条件としてツイートより抽出しているため、「難易度が高く諦めたケース」「クリアしたが成績が微妙だったケース」「失敗したためツイートしないケース」に関してはデータの取得が出来ておらず、データにやや偏りが存在していることを留意していただきたい。
可視化
データを取得している16回から33回までのデータを棒グラフとして表した物がこちら。(N=1380~2929、前半が8回が平均1500、後半8回が平均2500程度)
この先考察に関して1-3を前半、4-6を中盤、7-10を後半、Xを失敗として定めている。
一文字違い型
図1における「ケイショウ・チュウザイ・ニュウエン・キョウゴウ」にあたる前半の回答率が低く、中盤から後半までは10%程度でとどまり、失敗が圧倒的多数である型。
ケイショウにおいては〇イショウに当たる単語が本辞書では「相性・詠唱・最小・冷笑・水晶・類焼・矮小・対象・代償」などの一般的な単語や「内証・賠償・罪障・併称・米商・霓裳・追従」など計27単語定められている。
同様にチュウザイでは「中継・酎ハイ」を初めとしたチュウ〇イ系が21単語、ニュウエンでは「入館・入院」を初めとしたニュウ〇ン系が22単語、キョウゴウでは「共闘・凶暴」を初めとしたキョウ〇ウ系が17単語存在している。
前述のnote記事のように、ある程度当てはまる単語をまとめて潰す抽出戦法を用いないと100%正答につなげることが難しく、またそれを用いた場合でも確実に正解できるか解らない、一番ストレスのたまる型だと思う。
中盤頂点型
図1における「タイキョク・アサゴハン・ノウリョク・ハンバーグ・アッシュク・アミノサン・アカワイン」にあたる4~6の中盤において最頻値が存在しており、正規分布に似た形をとる型。
正解率が比較的高い傾向にあるため、一般的な単語かつ同音異義語もなく、一番ストレスフリーに取り組める単語だと思われる。
30, 31, 32, 33と執筆前の時点でこの型が頻出しており、作者がなんとなく思った下記ツイートは概ね当たっていると思われる。
中後半平ら型
(テーブルマウンテン的な)
図1における「メンザイフ・ネッタイヤ・バスタオル・ボクジュウ・ジュンサツ・フユゲシキ」にあたる前半の回答率が低く、中盤及び後半がほぼ平らな型。特段同音異義語の用にストレスはたまらないが、知らない単語や緑の評価からは予想がつかない単語である可能性が高い。
ほどよく難しく、ほどよく簡単なちょうど良い難易度の様に思える。
右肩上がり型
図1における「ユキケムリ」にあたる前半の回答率が低く、中盤及び後半になっても急激な変化が起きず、右肩上がりにデータ数が増加する型。単純に試行回数及び入力単語数の増加により答えにつながったように思える。データ量が少ないため正統な考察は行えないが、緑の評価から予想しにくく、「ユ・ケ・ム」を利用する単語が少ない事から、緑の評価も得られにくい単語のように思える。
特徴のあるたんごを考察
図1の「タイキョク」においては、あまり一般的な単語ではないのにもかかわらず、非常に高い正答率を示している。この要因として考えられることは、「イ・キ・ク」は出現頻度の高い文字であること。また「キ」に関しては拗音(キャなど)につながる事が多いためそれに合わせて「キャ・キュ・キョ」の2文字まで解る可能性が高いことから、比較的容易に緑の評価を得ることができ、早めの正解や低い失敗率につながっている様に思える。
「キョウゴウ」に関しては「ウ」が2回使われている事が原因で後ろ二つが確定しない場合、その候補単語は150単語になるため、比較的高い失敗率につながっている様に思える。
振り返り
分析の所ではやや堅い雰囲気になったが、改めてこの一ヶ月間を振り返ってみる。
作製
1月20日にどこのサイト様だったかは忘れたが、Wordleに関する記事を見つけ、「これすごく面白い」「日本語で作ったら面白そう」と思った事が始まりです。
その日のうちに、辞書を見つけ、ちょうど金土日と比較的予定が開いていたことからほぼ16時間程度ぶっ通しで作製を続け、23日(第2回)に完成しました。
個人的にはこの時点では満足しており、大学のTwitterアカウントでつぶやく程度で、あまり広く利用されてはいませんでした。
しかし、個人的には日本語版Wordleが非常に楽しく、もっと皆に遊んでもらいたいという気持ちになり、広めることを決意し、1/27日に「AUTOMATON」様を初めとした各ゲームdev系サイトにプレリリース記事を送信し、「AUTOMATON」様に掲載していただきました。
これにより私の作った「ことのはたんご」が広く知られ、皆様に遊んでいただけるようになったと思います。日々皆さんの失敗したツイートや成功したツイートを見て、制作して良かったと心から思っています。
バージョン
開発当初は勉強が足りず、CSSを初めとしたレイアウトの崩れ、UIの不便さ。スマートフォンにおいて文字をタップすると拡大されるなどと言ったご迷惑をおかけして申し訳ございません。プレイして気になった点をどんどん改良して行く予定ですので、気長に僕の成長を待っていただけると幸いです。
バージョンの表記は[大規模アップデート.中規模アップデート.単語の追加を初めとした小規模アップデート]としています
ver 1.0.0
発表当初は残り候補数も表示されず、また「がぎぐげご」等の配置がよこになっているなどだいぶ不便な物でした。
今ではリリースを急ぐためとはいえ、もう少し検証すべきだったのではと思います。
ver 2.0.0
がぎぐげごの配置やスマホにおけるzoomの問題、「シシオドシ」のような複数回文字使うケースの処理、キーボードの切り替え、色覚補正機能、残り候補数推移の追加等を行ったバージョンです。
当初はスマートフォンからの利用客の事を想定しておらず、PCのみで作製検証を行っていたため、スマホユーザーには多大な迷惑を掛けたと思います。それの尻拭いのバージョンです。またゲームプレイの難易度が高いことから、進捗が視覚的に解るように残り候補数推移を表示しました(アイディアはフォロワーさんからいただきました!)。
ver 3.1.0
前日の単語の表示昨日や残り候補数推移を非表示にする機能、入力中のオレンジのボックスをタップする事で入力欄がそこに移動する様にする機能、正誤が確定した際の確定演出機能など、利便性や体験の質の向上につながるアップデートを行いました。
今後
コードが汚く、無駄な処理が多いためそれの改善を行いコードをきれいにする予定です。
新規単語登録
新規単語登録を申請していただいた皆さんありがとうございます!!
取得した辞書のみではなかなか網羅性が低く、利用者の皆さんには多大な迷惑をおかけしていますが、プレイしていただきありがとうございます。
フォームより申請された単語はもちろん、エゴサーチにより無いといわれた単語やプレイしていて「ねーのかよ」と思った単語などを入力可能なことのはとして追加しており、執筆時点(2022/02/24)で合計972単語追加しています。
これから先もよりよいアプリケーションが作れる様に協力していただけると助かります。
メディア掲載
こちらから働きかけて掲載していただいた「AUTOMATON」様はもちろん、様々なメディアに掲載していただいたためそれらを紹介します。各メディアの皆様ありがとうございます。
1/27 AUTOMATON
2/2 The Japan Times
2/5 Gigazine
2/5 マイナビニュース
最後に
プレイしていただいた皆さん、そしてわざわざnoteを見に来ていただいた皆さんありがとうございます。忙しいさなかでしたが、空いた時間を利用してこのアプリ開発を行ったことは楽しく、皆さんにプレイしていただきさらにうれしいです。個人的にこの30日間は今までの人生の中で1番短い時間と感じられるほどあっという間にすぎていました。
今後も暇があればぜひ「ことのはたんご」をよろしくお願いします。
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