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アマゾンプライムお薦めビデオ③ 139:とにかくぶっ飛んでいる。というかぶっ飛びたかったらこれを観ろ!『ヘルドライバー』

個人的な話になるがここ数日のどの痛みがひどく、しかし検査をしてもコロナでもインフルエンザでもなく、熱もない。ただ、薬を処方してもらったので、それを飲んではボーとしてしまう(薬が強かったからだろう)、という日々が続いていた。ここは一発元気の出るバカ映画(いい意味で!)を!と思い観てみたのが以前から気にはなっていた『ヘルドライバー』であった。そしてそれは正解であった。

まあ、残酷表現はあり、裸もありで、人にはお勧めできないが(といいながらしっかりお薦めしているが)、とにかくこの手の映画の魅力はそのエクストリーム性というか非常識性というか、ばかばかしさ(繰り返すが誉め言葉です)にある。そう、残酷だけではだめなのである。そこに新しさと予想外の驚きとちょっとしたユーモア(ブラックも含む)があるからこその映画としての面白さなのである。

この監督、西村喜廣氏は、そもそもは特殊造型、特殊メイクの人らしい。しかし、学生時代から自主製作映画作りをはじめ(しかもなお、あのお洒落で有名な青山学院大学出身!)園子温監督や井口昇監督とも旧知の仲とのこと(ちなみに井口昇監督は本作に出演者としてクレジットされていたが、どこに出ていたのか分からなかった。ちなみに清水崇監督も出ていたらしい)。しかし、いわゆるメジャー路線に進まないところがいい!まさに我が道を行くという感じで、自分のやりたい映画、要はエクストリームな映画を作り続けている監督さんである。

なお、この映画についてさらに言えば、低予算であるが故にビッグネーム俳優こそ出ていないが、出ている役者さんたちも皆いい。主演の原裕美子さんはファッションモデルであり、この映画に出たのは何かの間違いではなかったのかと思ってしまうほどだが(実際、この映画以降、映像作品にはあまりでていないようである)、とにかくカッコいい!あとはゾンビ映画ということもあり、流血(しかも大量!)や裸のシーンもあるからか、穂花氏や早乙女ルイ氏といった当時の人気セクシー女優さんたちもでているが、井口昇監督作品や川崎実監督作品を観てもいつも感じさせることであるが、本作にも出ている亜紗美氏同様、彼女らはセクシー女優ではなく「女優」であることを改めて確認させてくれる。そして我らがたけし軍団からはガタルカナル鷹氏と柳ユーレイこと柳憂怜氏。そしてそしてさらには危険すぎて地上波では見ることのできない幻の芸人鳥肌実氏も、出ている。特に柳ユーレイこと柳憂怜氏は、もはやこのころには役者の方に軸足を置いていたのであろう。とにかく渋くてカッコいい!最初は誰だか分からなかったくらいである。

そしてこの人の幅の広さというか映画人脈の広さにはいつも驚かされるのであるが、この頃には既に超人気俳優となっていた斎藤工氏もしっかりと出ている。ある意味この人が出る映画、というかこの人が自ら敢えて出演していく映画には間違いはないとも言っていいだろう。自身も監督をされているが、映画というものをよく理解し、愛している人である。



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