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Amazon プライムビデオお薦め③『愛がなんだ』

本日お薦めする映画はこちら、『愛がなんだ』です。

タイトル通り「愛がなんだ」と思う方は是非、さらには「愛とはなんだ」と考えてしまっている方にもお薦めです。

作中に出てくる愛すべきダメ人間たちはまさしく私たち自身です。愛すべきダメ人間であるが故に憎むべきダメ人間でもあり、許せないダメ人間でもあります。でも、やはり『愛がなんだ』というタイトルから考えると、だからこそ(「愛がなんだ」と言ってしまうからこそ)のダメ人間でもあるし、言えてしまうからこそのダメではない人間だとも言えるでしょう(で、「結局どっちなんだ」という問いには是非、あなた自身がこの映画を見て考えてみてください)。

私見ですが、「愛がなんだ」と言える人間は「愛」というものを盲目的に信じてしまっている人間よりは実は一枚上手です(というかそう信じたいです。ダメ人間としては)。「愛」とは他者に対して向けられるものでもあると同時に自分自身に対しても向けられるものでもあります。あなたの愛は他者への愛ではなく結局は自己愛ではないのか、この問いは「愛」について考えるときに避けては通れない問いです。そしてこの作品はオフビートな笑いも取り入れながら、実はその問い(テーマ)についてストレートに切り込んでいる作品です。角田光代さんによる同名小説が原作のようですが(というかいつもの通り小説の方は読んでいませんが)、映画は映画として映画的な手法で(つまりはストーリーとしてではなくシーンを見せていくことにより)このテーマに切り込んでいます。

と、まあ、映画のシーン自体には敢えて踏み込まない形での紹介となりましたが、少しでも気になった方は是非ご覧ください!見た後で「愛がなんだ」と言い切れるか言い切れないか、それを考えることが、映画を通して自分自身を見つめ直す契機となるでしょう。



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