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アーティストが音楽サブスク未配信だと困る理由と分析

皆さんは、音楽サブスクリプションサービス(以下、音楽サブスク配信)を利用していますか。音楽サブスク配信とは、インターネット上に配信された楽曲を月額料金で多く聞けるサービスです。もちろん、無料で聞くことができます。音楽サブスク配信は、2010年代後半から拡大して、現在の音楽配信の主流になりました。従来の音楽CDやアナログレコードのような物理媒体、ダウンロード配信を買って聞く方法から、音楽を持たずに、インターネットを通して聞く環境が増加しました。

ブリは現在、無料コースで音楽サブスクを使っています。愛用しているのはSpotifyとAWAです。この2つのサービスは良いので、気に入っています。あと、アーティストによって、どちらかに配信されている場合があるので、この2つを選んで、使っています。

Spotify(スポティファイ)の音楽再生画面。
スウェーデンのSpotify社が2008年からサービス開始。
AWA(アワ)の音楽再生画面。
日本のサイバーエージェント社、エイベックス社が
共同運営で2015年からサービス開始。

ところが、ブリの知る推しアーティストたちのなかには、音楽サブスク配信を一切配信していない、または一部の楽曲のみを配信している状況にあります。楽曲を配信できない理由は複数あります。楽曲の著作権の事情、アーティスト自身の音楽的方針、従来の音楽媒体で表現したい姿勢など、アーティストや運営によって、配信が難しい状況があります。
一部の邦楽ファンの間では、以下の意見を持った方々がいます。

「推しアーティストの楽曲が、もっと広く聞かれてほしい。配信されていないと周りに聞かせるのが難しい」
「昔聞いていたアーティストを再び聞きたいから、今の音楽環境で配信してほしい」
「わざわざ音楽CDとダウンロード配信を買うのが面倒だから、気軽に聞きたい」

一部の邦楽ファンの意見より

この記事では、邦楽ファンがなぜに音楽サブスク配信を望む背景、未配信だと起こる問題点について、ブリなりにまとめました。特定のアーティスト、レコード会社の名前を一切出しません。あと、「アーティストが音楽サブスク配信をしないことが悪い」と書く記事ではありません。



♪コレクション負担が重い

年々増える音楽は、もはや数え切れないほどの楽曲数になりました。ブリのように20年近く、推しアーティストの音楽を集めて、聞いてきた邦楽ファンにとって、相当な楽曲数、アルバム数になります。ブリのコレクションは、CDにすると1000枚超、音楽ファイルだと10000個、80ギガバイトを超えます。実際に持つCDは10枚程度にしています。音楽ファイルとして持つか、サブスク配信で聞くか、アーティストによって、分けて扱っています。
かつてCDかアナログレコードで音楽を持っていた、邦楽ファンにとって、現在のサブスク配信で聞いてみたいと願う方々がいます。「もう一度あのアルバムを聞きたい」と思うファンにとって、再びCDか、ダウンロード配信で買ったりするのが、非常に面倒だからです。費用と保管場所に困って、持つことに悩む方にとって、再び集めるのに苦労してしまうのです。スマートフォンに音楽を入れたいと思っても、推しアーティストの数が多いほど、容量の問題に悩みます。
特に、初めてアーティストに興味持った人にとって、楽曲を買う費用や保管場所に困る方がいます。未知の音楽にお金を出して買うことに、新しいファンは渋ってしまうのです。サブスク配信を求める人々は、「手軽に聞ける環境が欲しい」と願っているのです。

近年、CDショップやレンタルCD店、中古店のCD買取、CDを再生できる機械が減少しています。CDへの需要が減っているのです。アナログレコードやカセットテープのような過去の媒体を集めるマニアがいますが、少数です。物理媒体を持つ手間と費用を減らす姿勢を持った、邦楽ファンが増えています。


♪リバイバルヒットが出にくくなる

過去の名曲は、今日の若い邦楽ファンにとって、「知らない音楽」となりました。サブスク配信によって、過去の名曲が若い邦楽ファンに知られて、音楽の魅力が再評価されています。ある日突然、過去の名曲が意外な形で、注目されて、想像しなかった展開に驚きます。それが音楽のおもしろいところです。
過去の名曲のなかには、サブスク配信ではなく、動画サイトでミュージックビデオか、音源のみの動画を載せた、公式チャンネルを運営している様子があります。若い邦楽ファンは、動画サイトではなく、SNSを見る機会が多いです。動画サイトの公式チャンネルを運営していても、アーティストの存在すら分からないのです。SNSと連携して、動画サイトへの入口を用意しないと、気づかれないのです。
あと、動画サイトで代表曲のみを乗せても、動画サイトに載っていないアルバム曲、隠れた名曲が気づかれません。代表曲だけではなく、本当にアーティストが表現したいことがアルバム曲にあるかもしれないのです。非公式チャンネルやSNSで、第三者が無断で楽曲を載せていることがあります。これは、熱心なファンが拡散したいか、アクセス数稼ぎの目的で載せた人のしわざです。
サブスク配信にない楽曲は、若い邦楽ファンにとって、「存在すらない」と思われているのです。名曲を知るきっかけがあっても、聞く方法が限られていると、若い邦楽ファンは楽曲を共有しづらいのです。


♪違法アップロードの横行

どうしても音楽を聞きたいと考える、一部の邦楽ファンは、当然さまざまな方法で行動します。時間も、費用も、手間もかからない方法で、音楽を聞こうとします。それは違法なものでした。なんと、無料で音楽が聞けるアプリが現れて、日本の音楽団体は警戒しました。違法の音楽アプリは、無断で音楽がアップロードされて、無料で聞ける状態になっていたのです。特に、資金力のない若い邦楽ファンが、合法のサブスク配信で聞けないアーティストのためか、サブスク配信の無料コースが不便で困るのか、違法の音楽アプリを使い続けてしまうことが起きました。
違法の音楽アプリに限らず、動画サイト、SNSでも、音楽が違法アップロードがされました。SNSを通して、違法アップロードのサイトへつながるように仕掛けた様子もありました。資金力のない人々の願いにつけこんだ、非合法の場所が絶えません。

実は、記事冒頭に挙げたSpotify社は、音楽サブスク配信事業を開始したきっかけが、音楽の違法アップロード問題からでした。サブスク配信サービスを運営するSpotify社は、2006年にスウェーデンで設立され、2008年にサービスを開始しました。設立当時、スウェーデン国内の音楽界は、音楽の違法アップロード、海賊版の拡大により、音楽の売上低下に悩んでいました。Spotify社は、再生数に応じて、アーティストに合法に収入が入る仕組みを整え、無料でも全ての音楽が聞ける、広告付きの音楽環境を用意しました。「無料だと聞ける曲が少ない」という不便さを変えて、無料で広告付きで聞けるコース、有料で広告なしで便利機能をつけて聞けるコースを作りました。この方法が、今日のサブスク配信サービスの見本となりました。

以前、別の記事で不便な環境や違法アップロードについて、簡潔に書きました。聞ける方法が限られていると、第三者が聞きたい人の想いにつけこみやすいのです。


♪まとめると手軽な環境を望みたい

以上、楽曲が音楽サブスク配信にないと困る問題をまとめました。
日本は、かつて普及していた音楽CDが売れなくなり、ダウンロード配信も減少しました。ついに、音楽を持たない生活を過ごす邦楽ファンが増加しました。物理媒体にある音楽は、邦楽ファンのコレクション負担と資金不足、アーティストの再評価の減少といった、経済面と知名度の問題があります。
配信できないアーティストには、さまざまな問題が残されていて、邦楽ファンの力では解決できません。アーティストとファンの架け橋になる、音楽が「存在すらない」と思われたら、さびしいものです。
今もサブスク配信に対する、多くの意見がありますが、個人的理由をつけて、違法行為をしてはいけません。


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