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社会科オタクになったお話/part,1
小学生の頃、社会という教科が嫌いだった。
下水処理場に行く等の社会科見学には、レポート類の提出が必ずあった。
それが当時の私には、どうも面白くなかったのだ。
転機は、小学5年生。
塾の授業で「社会(主に地理分野)」が初めて入ってきた。
最初は、地図記号や縮尺の単元だった。
初っ端から縮尺の計算で躓いて嫌になった。
その授業終わりにコツを聞きに行ったら、驚くほどわかりやすくて第一関門クリアだ。
それでもまだ、社会が好き!にはならなかった。
小学校の社会の授業では、開始10分ほど地図帳クイズというものをしていた。
具体的に、先生がある国名を言うので生徒はその国の首都を見つけてその場所を言うという内容だ。
そしてもちろんのこと、早押しクイズだ。
早押しが苦手な私にとって、これも最初は面白くなかった。
1度だけ、フランスの首都の問題を即答したことがあって、あの瞬間の自分の目が輝いていた。
それから毎日地図帳を家に持ち帰り、学校に持って行きを繰り返した。
両親に心配されるほど病的に地図帳で勉強していた。
80ヶ国の首都は覚えていたし、場所も大まかに把握していた。
だから、毎度1番に答えていた。
それが自信に変わり、いつしか地図が好きになっていた。
そのせいで板書はしたが、先生の話は聞かずに45分間永遠と地図帳を眺めていた。
気付いた時には、世界地図は大体頭の中で再現が可能だった。
そうして夏休みには、塾で都道府県テストといった同じ学年の塾生全員と競うテストがあった。
都道府県の形だけでどれが何なのかを判断したり、〇〇の産地はどこかと問われたり、47都道府県名と県庁所在地を書いたりと、当時は結構難易度の高いテストだった。
世界地図は好きでも、特に日本地図には興味を持たなかった。
そんな私はプレテストで28/100を取った。
危機感を持った私は、必死で日本地図を勉強した。
毎日3回は母自作のプリントを解いて慣れることにした。
すると、本番では87/100で全教室の中で私が1位だった。
その後も、地理が楽しくて面白くて好きになった。
そんなこんなで世界と日本の地図をインプットし終えた頃に、私の社会の成績は学校でも塾でも1番になった。
その名残で今でも地図を眺めることがひとつの趣味となっている。
だいぶ前に聞いた、
「地図を読み解ける者は自ずと地理が好きになる」
という高校の地理総合の先生の言葉に共感できる。
あの時、地図帳クイズをしてくれた先生のお陰だろう。
これが社会科を好きになった第一段階だ。
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