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コミュニケーションが苦手な若手社員を「簡単に動かす方法」について

「何かあったら質問して」は非効果的。若者の自発性が低くなっている今こそ、管理職はアプローチを変える必要があるのだ

はじめに

「今の若者は自分から行動しない」
最近よく耳にする言葉です。確かに自主的(積極的)に行動する若者は少ないと感じることもあります。色々な要因があると思いますが、私はSNSが若者の行動パターンを変えたと分析しており、若者へのアプローチを少し工夫するだけで上手くコミュニケーションがとれると考えています。
今回はコミュニケーションが苦手な若手を「簡単に動かす方法」に関するご提案です。少しでもご参考にして頂ければ幸いです。

【ご参考】ホウレンソウ

職場の代表的なコミュニケーションとして、日本社会で徹底されている“ホウレンソウ”。ホウレンソウは報告、連絡、相談の頭文字をとった造語で、意思決定事項などを適宜チーム内で共有するものです。
そんな当たり前とされているホウレンソウですが、現代の若者は得意ではありません。これは若者の責任ではなく、時代の流れとして当然のことだと思います。

【問題点】ホウレンソウが苦手な理由

そもそもなぜ若者はホウレンソウが苦手なのか。それは若者の成長過程でSNSが普及した影響で「意思表示が一方的になった」ことが主因と考えます。例えば誰かに相談する時でもSNSがある場合とそうでない場合で以下のような違いが生まれます。

【誰かに相談する時】
・非SNS世代:友人や家族に相談し、その場で回答を受け取る
・SNS世代:LINEやTwitterに相談を投稿し、時間差で回答がくる
どちらの行動も目的は一緒ですが、アクションに決定的な違いがあります。

【アクション】
・非SNS世代:友人や家族に直接相談
・SNS世代:SNS上に悩みを「ポストする」だけ
当然SNS世代も “誰か” に相談したいわけですが、アクション自体がSNSにポストしているだけなので誰かに直接相談するという経験値が不足しているという訳です。

部活で例えるとわかりやすいです。
「やばい寝坊だ。監督に連絡しないと」
という時、“直接監督に連絡して伝える“ のか、“ただメッセージを残す” かでは目的は一緒ですがアクションは全然違いますよね。難易度も全く違います。

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【本題】若手に「簡単に動いてもらう」方法

問題点を踏まえ、一つの結論を導き出します。それは、

若手とのコミュニケーションにおいて、 “非SNS世代” のやり方(直接相談させる)よりも “SNS世代” のやり方(単に意思表示させるだけ)を採用すべき

ということです。Googleをはじめとしたシリコンバレー企業が生産性を高めるべく様々な改革を取り入れたように、「チームのパフォーマンスを高める」ことや「社内の問題を解決する」施策については、積極的に導入すべきと考えます。そこで、以下の方法を提案します。
テーマは「単に意思表示するだけの手段」と「気軽に意思表示する環境作り」です。

【若手が簡単に意思表示する方法】
現状を表現できる「置き紙」を作る
→ その時の状態を一目でわかる置き紙(Excellent, Good, Neutral, Bad, Terribleといったもの)を作成し、若手のデスクにおいてもらいます。若手はそれをアップデートするだけで上司に直接連絡する必要はありません。それをチーム員の皆さんが都度見るようにします。メールボックスと同じ感覚です。

② チーム全員に「ニックネーム」をつける
→ SNSやバーチャルの世界ではニックネームをつけることが多いですが、実際にニックネームで呼び合う職場も存在します。上司に親しみやすいニックネームをつけることで関係性は変わるでしょう。そして前回説明したアグネス流ではありませんが、新人の加入などでチーム員が入れ替わった時にニックネームを変更すると、その度脳内が刺激されるので効果的だと思います。

③ 「ライングループ」を作る
→ “相手のフィールドで戦う” ではありませんが、相手が報告しやすいツールを活用する方法です。ただし、ここで礼儀作法にこだわってはいけません。ライン内容も(緊急、状況不良、ビッグニュースなど)一目でわかるようなコメントを許容してください。

上述した方法はあくまでも提案ですが、皆さんのスタイルに合った方法もあると思いますので、若手に意思表示させるアクションという観点でやり方を模索してみてください。きっと若手は自然にホウレンソウを始めます。
またこういったやり方を継続すれば関係性が構築され、次第に直接コミュニケーションできるようになると思います。

ホウレンソウにおいて、礼儀作法のプライオリティは低くすべき

礼儀作法を気にされる方多いと思います。礼儀作法は他国に真似できない日本の文化ですが、ホウレンソウに持ち込むことは賢明ではありません。礼儀作法や上司との関係性が原因となって重大な報告をしづらいという状況があってはいけません。「重大な報告」と「礼儀作法」を天秤にかければ、重大な報告が優先されるべきだからです。

礼儀作法のハードルを下げることによって、若手は格段にホウレンソウをしやすくなります。ここで意地を張って、「礼儀作法は重要だ」とか「私の時代では考えられない」と言っても何も生まれません。時代に適応し変化することの方がはるかに重要だと考えます。

総括

時代の変化に伴いアプローチを変える必要がある、と認識するだけでも「若手のやりやすさ」や「帰属意識」に変化がでると思います。先ずは3回気軽に試していただければ幸いです。

Twitter(@official_pld)、インスタ(@pldofficial9)もやってますので、何かあれば気軽にメッセージください。Homepage (www.pldjapan.com)もありますので、ぜひご覧ください。

長文となりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました



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