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キミの世界線にうつりこむ君 第三章

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第三章をまとめています(星崎碧編)
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2023年12月の記事一覧

連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』第四十一話 わたしは“わたし“で

連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』第四十一話 わたしは“わたし“で

驚く星崎を前に、語りかける榛名。

「星崎会長の話を途中で遮るようで申し訳ありません。新聞部の榛名つかさと申します。少しだけ、私からもお話しさせて欲しいことがあります」
星崎と観客に一言断り、さっきまで星崎に向けられていた視線は榛名に集まる。

「私は星崎会長のファンで、今回新聞部では星崎会長について特集することになり、取材を行う予定でした。
その最中に、生徒会劇の配役決めが行われるという話を聞き

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連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』第四十話 『ロミオとジュリエット』

連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』第四十話 『ロミオとジュリエット』

盛り上がりをみせている水標祭。
行列ができたり、写真を撮っているお客さんがいたりと賑わっている。
そのなかで

「体育館はどこだ・・・」
パンフレットを凝視しながら体育館へ向かおうとする蓮がいた。

「あの・・・体育館ってどこにありますか」
近くにいる白衣の男性に尋ねると

「あれ、碧さんのお兄さんじゃないですか」
声をかけた相手は青野先生だった。

「先日はありがとうございました」
一礼する蓮。

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連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』第三十九話 水標祭へ向けて

連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』第三十九話 水標祭へ向けて

ミンミンゼミの鳴き声が響いている。
夏休みの真っ最中の、体育館では生徒会が『ロミオとジュリエット』の練習をしている。

「さあ、ティボルト、さっき貴様のくれた悪党呼ばわりは、今こそ貴様に返してやる。ーさあ、貴様か俺か、どっちかがマキューシオと道連れだ、いいか」
ロミオ役の星崎が威圧感のあるセリフを言うと

「この青二才めが、どうせこの世で相棒の貴様だ、これからも仲好く行け!」
ティボルト役の関谷が

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