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【コラム】インバウンドの入国規制が緩和。渋谷の街の今。

報道でもご存知の通りですが海外からの入国規制が緩和され多くの外国人観光客が来日してくれる日々が戻ってきそうです。
特に、日本と同じように水際対策緩和の台湾と香港では、リベンジ旅行の一番人気として「日本」は「東京」だと言う動向調査も発表されています。近くのアジア圏からのインバウンド回復は目前かと思います。
ちょうど個人旅行でベトナムから帰国した日が11日の朝だったので、僕自身も多くの外国人入国者の列を羽田空港で目撃したところでした。
入国手続きの煩雑さ、システムの不具合に関しては思うところが多くあるのですが、それはここでは割愛します。

さて、2019年のインバウンド観光客は3,000万超。それが、99%減の24万人レベルまで落ち込み、インバウンド観光市場は急速に冷え込みました。1年遅れで開催されたオリンピック・パラリンピック東京大会も無観客開催となりその経済的な恩恵は限定的なものとなりました。そしてコロナ禍から3年が経ち、世界的にもワクチン接種が進み国際観光市場が徐々に解禁され、日本もいよいよ外国人観光客の受け入れ、インバウンド市場の急速な拡大が期待されます。
また国内観光の全国的な補助制度もスタートし、日本各地の観光地は多くの日本人観光客で賑わっています。多くの観光地にとっては、ようやく長く先の見えなかった日々に光がさしてたという状況でしょう。

渋谷の街はどうでしょうか。
この3年間の間に、渋谷スクランブルスクエア、MIYASHITA PARKなどの大型の商業施設の開業、新たなホテルも増え観光インフラは再開発事業の波に乗り、より充実してきています。数年ぶりに渋谷に訪れる外国人観光客にとっては新たなランドスケープ、ショッピングを体験できる街としてこれまで以上に楽しんでもらえることと思います。
渋谷区観光協会では、コロナ禍で「地域の文化事業を存続させる」という方針で、地域発の渋谷音楽祭や渋谷芸術祭の推進や、SOCIAL INNOVATION WEEK(以下、SIW)を通じて渋谷での新たなソーシャルプロジェクトの立ち上げに注力してきました。

渋谷音楽祭は、FM TOKYOやTikTokなど国内外のメディアブランドと組むことで、独自性を強めつつ、特にアジア圏の外国人観光客にPRできる音楽イベントへと育てていきたいと思います。渋谷芸術祭は、昨年以降マンガやアニメキャラクターと連携したアート祭としての可能性を模索しています。こちらも、国内外のコンテンツファンに楽しんでもらえる内容になると思います。
SIWでは、新たなテクノロジーを使った街の付加価値づくりへの取り組みが注目を集めています。KDDIと渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会で取り組んでいるバーチャル渋谷は、今年の「バーチャル渋谷 ハロウィーンフェス」で、さまざまなコンテンツIPとの連携だけでなく、かつて渋谷に存在した「ひばり号」の再現など地域の歴史との接続にもチャレンジしています。これからは、遠隔地から接続するメタバースだけでなく、実際の空間へのARやXRなどの技術による観光インフラ、観光資源の創出に期待をしています。


また、昨年のSIWから生まれた「画のないグルメガイド」という視覚障害を持った方々の感性で編集した渋谷のグルメガイドもリリースさせていただき、渋谷の街から新たな観光ソリューションのモデル事業へのチャレンジもスタートします。

来年2023年11月にはハチ公生誕100年を迎えます。秋田県大館市と渋谷区ではこのアニバーサリーを盛り上げるための連携協定を結び、両自治体を挙げてさまざまな記念プロジェクト、お土産などの創出に力を入れていきます。

今年は、渋谷駅前エリアでの「渋谷・鹿児島おはら祭り」、表参道での「スーパーよさこい」なども開催をすることができました。このような日本の文化を感じる地域祭事への期待もより高まるばかりです。多世代、多地域、多ジャンルの魅力が集まる多様性の街、「ちがいを ちからに 変える街」、渋谷区の魅力づくりにこれからも貢献していきたいと、スタッフ一同考えています。

一般財団法人渋谷区観光協会 
代表理事 金山淳吾

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