とある日の道すがら
何度か怒鳴り合いの喧嘩をした栄養士さんと買い物へ行った。実はこれで二度目。
ご利用者様のおやつについて考察しつつ仕入れるために二人短い道中を歩くショッピングである。
私はこの施設に派遣としてやって来た頃から数えると既に1年が過ぎた。
私が来る前にも、大の大人、大男を含め、色んな人が彼女と口論になっていると聞いた。相当激しかったのだと。
結果、誰も何も言わなくなった。
『こんな企画をやりたい』と誰かが発案する時『やれば良いじゃん。』という私に、決まって『○○さんがうるさいから面倒臭い。』と皆が言う。
その状況を間違った方向にプラスと捉えた○○さんは、『私が怖いから皆が逆らえない。私は偉いんだ。』と思うようになってしまった。そうして10年くらい経っていたらしい。
その後私と出会った。何がどうダメだと思うのか訴えかけたところ、頭ごなしに怒鳴って来たので、私も声を荒げた。それが利用者様にとってよろしくないことだったから。
月日が流れた。人が変わることは難しいことだ。
けれども、今はこうして一緒に買い物へ出かけたり企画を立てたりしている。
私はかつて怒っていたのだが、その怒りも、その意味も伝わって良かったなあと思う。もちろん彼女の要望も聞き入れこれから協力して行こうと言う計画がある。
これからどうして行くのか?
皆が色んなことを言える施設にしていきたい。例え時に怒鳴り合いになろうとも。いや、怒鳴らなくて済むことなら怒鳴りたくない。だから決して私に怒鳴らないでくれ。
そう言ったら、隣でゲラゲラ笑いだしたのが今日の彼女だった。
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