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愛をこめて

2021年が終了するまで、あと3時間と50分。

そんな頃に私は、明日食べるローストビーフに焦げ目を付けながら、仕上げ用のオーブンの予熱を温めていた。

そしてお蕎麦を茹でる。今年は鴨南蛮。お蕎麦は一旦冷水でしめた後、こんがり焼いたネギと鴨を載せる。

食べ終わって会話している頃、オーブンが『焼きあがったよ!』と言うのだけど、まだ開けない。もう少しだけ落ち着くまで。

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職場では、多くの人が働いているので、今年も多くのトラブルがあった。

色々考えてみたけれど、この年末に改めて思う。

全ての人に良い環境、職場など存在するはずがない。温度も湿度もやり方も。

けれども縁あって自分がやりたいことをやらせて貰える環境があるなら進むしかない。何を言われても信念を持って。

というわけで、ほとんどの争いごとに関して蚊帳の外に位置していた。何故ならそういった姿勢の人間には、モノを言って来れる人さえ少ないから。

何はともあれ、今日は2021年の最終日。例えば私なんぞは明日の元旦も出勤なのだが、とりあえずは一区切り。

あらゆる人々が、帰り際の口々に『今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。良いお年を。』と言い合う。喧嘩し合っていた者同士も、笑顔をこぼしながら、心からそう言い合っていた。

入所したてで施設にまだ慣れていなかった婆ちゃんも、夕飯で出た年越し蕎麦の天ぷらに歓声をあげ、楽しそうに過ごしていた。何だか、嬉しいなあ。そんなフロアの歓声を背に後にした今年最後の施設。

玄関の外、すぐに見上げたところにある燕の巣はカサカサに乾いているが、春にはまたここへ戻って来るのだろう。さようなら、2021年のこの施設。ありがとう。

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私的には、春先に『そうだ、ブログのお引越しでもしよう。』と、このnoteという場所に出会った。

そこで沢山の物語に出会い、沢山の親切に触れた。長いこと書いていると、そこにある嘘と真実が分かる。

全てではないけれど、ここで多くの真実を観た。そして、多くの優しい人に出会った。これは、今年の出来事の中でも大きな嬉しいギフトだった。

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今年は、出会って下さってありがとうございました。そして、前のブログから繋がって下さっている方々も、ありがとうございました。

来年も良い年でありますように。是非とも、良いお年を。

ありがとうございました。とても楽しかったです。

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