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魔女じゃねーし

風邪で寝込んでいる時に古い友人から電話がかかって来た。ラインではなくて直電。

「休み?今日、休みだったの?」と早口で訊かれて、かろうじて「うん。」と答えたが”風邪ひいてますねん。”と伝えさせてはくれなかった。

何だろう、自分が動く時って周辺の人も皆動くというこの現象。例え今は遠く離れていても。
この人もまた転職して10月から新しい職場でのスタートを切った人。

新しい場所や新しく出会った人々というのは、色々と困惑することが多いのだろう。それで色々話したくなったのだと思う。
何故だか数ある生物のうち、人間という生き物に限っては一旦情報を整理してからではないと次へ進めないらしい。

そこで熱で朦朧としつつ、彼女の話にで出てくる登場人物たちを頭の中でなぞらえていたところ、内心は「うんうん、わかる、わかる。」と言う気持ち。よくいるよね、そういう人。
しかし、それが一人や二人じゃなくて次々と登場して来る。
待て待て。いったい何人の人々の話をするつもりだ。

今思い出した。この話をしている彼女自身が昔から自分と違う人を見つけると興奮し続ける人だった。相槌を打つのも難しいほど喋りまくっている。
人間関係において極度の不安や恐怖に陥る人というのは、他者と極端に仲良くしたい、もの凄く共感し合いたい、べたべたしたい!という思いが強い人でもある。

そのうち、「どうしてこんなに変な人ばかりいるのかな?!(怒)」という言葉の後に、少し合間が空いたので、かろうじて発言した。
「それはだね!」と。

「・・・。うん、それは?」

私もあなたも、自分のことをまともだと思い込んでいるせいだよ。

さすがにしばらく間が空いたのだけど、こんなことで収まるはずもなく、「でもね」とか「って言うか~」と繰り返し、彼女の変な人探し、その人のどこが変なのか?裁判は続くのだった。
「どうして」と問題定義しているかのようでいて、実はきちんと考えているわけでは無いので無理はない。

職場にお友達探しに行ってはいけないよ。

が、こういう私なので、多くのお友達探ししている人々に遭遇し、よく魔女狩りに合う。狩られないけどね。

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