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何ラウンド目かの

先日、介護職のトップの青年が「何だか鼻水が出るので念のため検査して下さい。」とのことで抗原キットを持ってきた。ご自身の鼻を綿棒でグリグリすることが困難なのだとのこと。

うちの施設は平時からマスク2枚に手袋をしているのだが、この時、たまたまフェイスガードをするのを怠った。

検体を摂る時は、鼻の中で綿棒を5回回して5秒ステイするのだが、2秒で「はー-くっしょいっ!」とくしゃみをされ、思い切り浴びてしまった。

わ。

が、浴びてしまったものは仕方がない。そんなに謝らないで良いよと言いつつ採取した液をプレートに垂らしていたところ、みるみる沁み込んで行くのはいつものこと。

が、一本目にくっきり線が現れた時には「・・・・・。あれ?」。

もう最近ではしょっちゅう抗原検査しているので、検査すること自体が日常。
だったもので、久しぶりに目が覚めた。ガードすることの大切さを怠った自分を悔やんだ。
そう思った時には2本の線がくっきりと出た。

頭を抱え込んでしゃがみ込んだ彼が一言目に言ったのは「わあああ。すみません。え?どうしよ!俺、10日も仕事に出れないの?どうやって(現場を)回すの?」という呟きと叫び。

なんだかなー、こういう人に限って働き者で、誰よりも人と接触しているんだよなあ。

私も嗽や消毒をしながら「しょうがないですよ。もう、どこから来たウイルスなのかも分からないんだから。」と慰める。

その先の大変さを知ってるよ。現場も隔離やら居室から出れないなど大変なことばかりだけど、この人も自宅へ帰ったら子供を抱っこすることすら出来ない。そんな日々を10日以上も過ごすのだ。(近頃7日説もあるが、高齢者施設ではそんなこと言ってられないのよね。確実性が求められる。)

かくしてまたその対策をするための人手不足、人命云々の恐怖の日々が始まった。

2年前と多少違うのは、薬が届くことの速さかな。
帰り際に届いて、残業してセットして来た。

施設長が、わざわざ頭を下げに来られる。もちろん施設長のせいじゃないのに。

目が充血していた。

また頑張らなければならないな。

そこから5日経った。

私は毎日陰性。このまま行けば良いが。

酷く疲れるのだけど、そのことばかり考えていても仕方がないので、やはり今日も体力温存。食べて休んで寝て、大切な時間を大切な人と過ごしたい。

今日という日をよく頑張った。ただ、それだけ。

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