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御礼 / 頭がマンタになった日に

『孤狼の血2』にスキをつけて下さり、ありがとうございました。嬉しかったです💖

孤狼

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髪の毛を、5~6年ぶりにショートボブにしたくなり、サンプルの写真を持って美容室へ行く。

例えば、こういうふうに、スッキリしたい。

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前下がりで、襟足を薄くして貰いたかった。

ずっとロングだったので、少々勇気が要る。だから、せめて一番長いところでも顎より下の長さにして欲しい。

まあ、写真を見せたから大丈夫だろうと思ったけど、念のため、そんな要望も添えてみる。

ところが、切り始めからしてビックリした。前下がりだと言っているのに、突然短くハサミを入れられたからだった。

1番長いところがそんなに短いと、ワカメちゃんになってしまうじゃないか。

面倒臭がりの私なりに、途中途中で『あれ?ちょっと待って。』と、何度も写真を見せたのだけど、汗をいっぱいかいた美容師さんは『分かってます。分かってます。』と。なんか、言われるのもムカつくという雰囲気だった。出た。出来ないのに変なプライドがある人種。

結果、修正してくれず、そのまま突っ走っていらした。

途中で、言うのをあきらめた私。

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どうして、途中で言うのを止めたのか?と言うと、この手のタイプの人は、あんまり言うと『私だって頑張ってるんですよ!』とか言い出すから。

仕事なので、頑張るのは当たり前だし、頑張っていない人はいないだろうと思う。

ところが、”頼んだ仕事になってないよ。出来てないよ。”と言われると、『私だって頑張っているんですよ!』と言って逆切れする人が量産されているのが今の世の中だ。

私は古い人間なので、『頑張っているんですよ!(分からないあなたや世の中がいけないんです!)』を免罪符にして努力しない人が嫌いなんだよね。

もしもこれが自分が育てるべき人だったら、一生懸命話すけれど、客である場合は、そこでお付き合いはおしまい。

とは言うものの、こんなクサクサした気持ちで帰宅する自分は、人間が小さいな~と落ち込んでいた。

すると、Kちゃんが『うーん、それも可愛いと思うけど、確かにオーダーとは全然違うね。口でふんわり表現したんじゃなくて写真を持って行ったんだから、これ以上のヒントはないよね?やってくれなくちゃね。』と。

こんな些細な話に、いちいち共感してくれるのが嬉しくて、『そうなんだよ。例え、あなたにとっては一人のおばちゃんの頭なんだろうけど、私にとっては私の頭なんだぞ!と、腹立っちゃってさあー。』と愚痴を言う。『何で、こんなマンタみたいに広がってんの?!』と。

ところが、一瞬居なくなったKちゃんが、今度はハサミと櫛を持って現れた。

!!!!

ま、まさか。

しかし、もはや、マンタとワカメちゃんのハーフみたいな髪型になってしまったのだから、これ以上、何を恐れることがあろうか。

で、もう、どうでも良い気持ちでKちゃんがハサミを入れるのを許したところ、10分後、何と、まあまあ良い感じになった。

最初の希望通りにするには長さが足りなかったけれど、少なくとも『あ、私の髪型だ。』と安心できる程度に修復された。

それでも、まだおかしいけどね。海の仲間感がゼロではないけどね

これは、たまたまヘアスタイルの話なのだけど、世間に出ると『違う!』と傷ついて帰って来ることが多い。

一つ一つは、とても小さな取るに足らないことだけど、そんな時、ほんの少し共感してくれる人が居るだけでも嬉しい。

ただ、まさかハサミを用いて、自ら修復にかかる程の人が居るとは。海の仲間は非常に驚いたのだった。

早く伸びて、人間になりたい。

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今日が良い1日でありますように。

いってらっしゃいませ。

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