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デザイナー TURBO - インタビュー #03|turning point

今回お話を伺った方
TURBOさん:会社員をしながらパターン作家活動をしているデザイナー

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<TURBOさんのターニングポイント>
大学時代:1人暮らしを始めてインテリアに興味を持った
29歳:結婚&子供が生まれた
31歳:外部への繋がりを増やしはじめた

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ニシグチ:まず、子供の頃からさかのぼってお話を聞きたいんですが・・
やっぱり昔から絵とか描いてました?

TURBO:それが全然なんです。迷路を描いたり、すごろくのようなゲームを作ったりはしてましたけど。絵を描いていたというのはあまり記憶にないですね。

ニシグチ:意外・・。学校も普通科ですか?

TURBO:普通科です。小・中・高校共に兵庫県のごくごく普通の学校でした。
あ、でも小1と中3の時に絵で賞は獲ったんですよ。小1の時に描いた絵は先生にもすごく褒められました。けど、その後も特に好きで描いていたという記憶はないんです・・。

ニシグチ:ぇえ・・あっさりしてますね。大学はどこに行ったんですか?

TURBO:大阪にある大学の経営学部です。それも、とりあえず行っとくか・・という感じで。親から「私立に行くならバイトしろ」と言われていたんで、4年間毎日新聞配達をやっていました。学費も一人暮らしの費用も自分で賄っていたんです。毎日3時半起きで配って、授業がない日は夕刊も。だから全然浮かれた大学生ではなかったです。相変わらずやりたいこともなかったんですよね~。

ニシグチ:なんか全然デザイン方面に行きそうな気配がないんですけど。
どこからこうなったのか?ですよ!

TURBO:ですよね・・(笑)
大学に入って1人暮らしをするうちにインテリアに興味が湧いてきたんですよ。部屋を改造したりDIYでちょっとした家具を作ったりして。堀江付近も好きでよく行っていました。なので、ここがターニングポイントですね。今とちょっと方向性は違うけど、初めてやりたいことが見つかったという。

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ニシグチ:やっと出た!インテリアから入ったんですね。

TURBO:そうなんです。で、大学卒業後に空間デザインを勉強するために1年間専門学校に行きました。模型を作ったり、製図・インテリア・カラーなどの基礎知識を勉強して。設計事務所のインターンで数週間働いてから、今の会社に入りました。

ニシグチ:大学を出てからすぐに就職したわけじゃなかったんですね。
で、今の会社に勤めてもう・・?

TURBO:13年です。長いですよね~。
仕事は最初のうちは空間デザイン/グラフィックが多かったんですけど、今はデジタルサイネージを中心とした提案、それに伴った空間演出やサインデザインなどをやっています。なのでデザイン/提案書作成はもちろん、施工に関する知識もありますし、現場に行って指示したりパースを描いたり幅広くやらせてもらってます。
(※デジタルサイネージ・・平面ディスプレイやプロジェクタなどで映像や文字を表示する情報・広告媒体)

ニシグチ:(実績を見せてもらいながら)すごいですね!見たことある店も多いし。それだけ長い間勤めているということは、やっぱり良い会社なんですか?

TURBO:そうですね・・。会社自体が商社で全国的に色々な事業をやっているので、チャレンジしやすい環境なんですよ。実は他の会社も調べてみた時期があったんですけど、カレーの作り方で言うと”ジャガイモを切る係”みたいな、特定のことをする仕事が多い印象だったので。今の会社でいろいろなことができる方が僕はいいなと思いました。そのぶん、特化した部分というのをパターン(図案、模様)に絞って個人的にやっていこうと、今試みています。

ニシグチ:なるほど。でも外に出だしたり、作家活動を始めたというのは何かきっかけがあったんですか?

TURBO:29歳の時に2つあって、1つは会社の最優秀クリエイター賞をいただいたことです。会社では結果を残せたという感じがありました。
そしてもう1つは、結婚し子供が生まれたことです。共働きなので、子育てもあるし以前のような働き方ができなくなりました。それまではずーっと仕事のことに集中できて、休日も本屋に寄って情報収集してから出社するなど、自分のペースでできたし時間がたくさん使えたんですけど、それができなくなって。

ある程度の到達点に達したので何か新しいことをはじめよう、他の人はどうしているんだろう?と思って、社外のクリエイターさんとつながるようになりました。で、会社の実績を見せるのも良いんですけど、個人的に発信しているものの方が面白いんじゃないかと思って、そのきっかけ作りとしてもともと作っていたパターンの発信を始めたんです。お会いした方にはそれを見せるようにしていましたね。

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(見せていただいたパターンの一部。詳しくはインスタグラムhttps://www.instagram.com/turbo1019/?hl=jaをご覧ください!)

ニシグチ:そういうことだったんですね!確かに会社でやった仕事は自分の実績ではないですしね・・。パターンの発信はインスタグラムだけですか?

TURBO:インスタグラムとTwitter、あとVALUというSNSでやっています。インスタは人に勧められて始めたんですけど、最初はストックがあったのでそれを毎日アップしていきました。応援してくれる方も増えてきて、今で1450日超えになります。5年目に突入して、大学時代の新聞配達より続きましたね(笑)。やることが拡がってきたので少しづつやり方も変えていく予定です。

ニシグチ:5年目って!ものすごいですよ。
いつもどうやって作っているんですか?

TURBO:パターンのアイディアはその場でパッと考えることが多いです。
お題を募集したりとかもたまに。作り方はiPadで描いたり紙工作で作ったり手描きだったり様々、最終的にはIllustratorに持っていってパターン化しています。自分の制作ストックの中から仕事に使う時もよくありますね。

ニシグチ:パターンをつくるのって相当難しいと思うんですけど。つながるように計算しないとダメでしょう?

TURBO:まぁそうですね・・。テクノロジーが解決してくれています(笑)
人に教えたりもしていますけど意外とみなさんすぐ作れるようになりますよ。
     
ニシグチ:そうなんですか?・・絶対難しいと思うけどなぁ。
あと、 TURBOさんはいろいろ商品もつくってますよね?あれもSNSつながりって聞いたんですけど。

TURBO:そうです。例えばこの高知ブランドの財布はVALUで知り合った、高知出身の中島匠一さん というアーティストが作っています。高知を盛り上げたいということで、パターンでお手伝いさせてもらいました。VALU上で優待というシステムがあって、彼の作ったロゴをパターン化させていただきました。ちなみに黄色いのは文旦という高知の特産品をイメージして作られたモデルです。今では高知の色々なお店に置かれています。

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ニシグチ:作りも売り方もしっかりしてて、すごいな〜。他にもコラボというかお手伝いしていることってあるんですか?

TURBO:パターンでいうと、中西怪奇菓子工房さんの目玉ゼリーをモチーフにした壁紙。

面白い商品がたくさんあります。

あとは仕事での知識を活かして知り合いのお店をお手伝いしました。
Cafeほっぷっさんのガラス面デザイン/施工ディレクションとファブリックパネル納品/ショップカード。

吹田にあるとても居心地のよいカフェです。

自分の子供の通っていた保育園のサインやテキスタイルデザインの提供などもしています。

あと、こういうものも作っています。作家さん繋がりで出会ったものづくりの方と一緒に作ったブローチです。猫がパターンの服を着ています。

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ニシグチ:かわいい・・。いろいろ作ってますね!
僕もなにかグッズをつくるときはTURBOさんに相談しますわ。
こういうパターンを作るときに参考にしているクリエイターっていたりします?

TURBO:ぜひぜひ。なんでもご相談ください。

色彩を参考にしているのがインゲラ アリアニウスさんというストックホルムのイラストレーターです。黒を使っていても暗い印象にはならず、かわいい。すごいな〜と思います。

あとは服部一成さんは昔からずっと好きなデザイナーです。大学生の時に本屋で手に取った流行通信のアートディレクションをしていたのが服部さんで。その時は知らずに、働き始めてからちゃんと知ったんですけど。大阪で展示があった時に見にいってサインもしてもらいました。フォントの使い方やCDや本の背表紙部分とかヤバいです。大好きですね(笑)

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ニシグチ:へぇ~。やっぱりいろいろな人の作品を見てるんですね。
TURBOさん自身はデザインの仕事をする上で意識していることはありますか?

TURBO:その時々で変わりますけど・・最近は「時間で仕事をしない」と決めています。

ニシグチ:出た!名言。かっこいいじゃないですか!
だらだらやらない。効率を上げるということですかね。

TURBO:そうですね。日頃から意識して動いています。
あと、デザインはキリが無いから、何と結びつけてゴールにするかですね。
締め切りだったり商品化だったり、それを設定するとやりやすいです。

ニシグチ:そんなTURBOさんの今後の展望は?

TURBO:パターンの魅力は展開性。しっかりと商品にしてアピールしていきたいですね。ちょうど印刷メーカーさんと組んで面白いことしようと企んでますし、拡げていきたいですね。
会社でやっている仕事に関しては、映像を作るクリエイターの方やインタラクティブ動画(仕掛けを組み込んだ動画)を作れる方とつながりたいので・・ご連絡ください!

今回のインタビューもひとつのターニングポイントになれば良いなと思います!ありがとうございました!

ニシグチ:こちらこそ、勉強になりました!ありがとうございました。

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話を聞いた人:上司ニシグチ
撮影&ライティング:UNO
バナーデザイン&記事編集:秋山楓
撮影場所:大阪市内某所

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〈取材を終えて〉
TURBOさんは、私と同じ会社員デザイナー。年齢も近くて子どももいて、アフターファイブの創作活動にも力を入れているあたりも同じでしたが、ただひとつ、男前であることは同じではありませんでした(笑)TURBOさんとは普段から交流があり、普段どんなことを考えて行動しているのか気になっていたのですが、なかなかマジメにお話をする機会がなかったので、今回は思い切ってオファーさせていただきました。会社員でいながら、しっかりと未来を見据えて行動されている話を聞いて、私自身とても参考になりました!TURBOさん、今回は本当にありがとうございました!

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