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都市経営プロフェッショナルスクール@PPP アワード2023@POTLUCK YAESU

 Plat Fukuoka cyclingの安樂は今年から開講となる都市経営プロフェッショナルスクール・九州キャンパスに参加しています。
 8月26日から27日の2日間に集合研修の最後に行われたPublic Private Partnership AWARD 2023@POTLUCK YAESU(以下「PPPアワード2023」という)をレポートします。

 このPPPアワード2023は、私も参加している公民連携・都市経営プロフェッショナルスクールを修了したメンバーで構成されるNPO法人自治経営の方々、私にとっては先輩方にあたる方々と都市経営プロフェッショナルスクールが主催したイベントです。

今こそ真の公民連携を見極めるための評価軸を考える

 なぜいま公民連携のアワードを行うかについて、木下さんから地方が自ら稼ぐために必要な評価軸をつくる必要があること。評価軸として、以下の5つの視点で評価が行われました。

行政:都市経営課題を設定し、目指すビジョン、戦略、目標、戦術を設定しているなど。
住民:単なるワークショップではない、住民の意識醸成・合意形成を狙ったビジョン・デザイン会議などの実施など。
事業:継続性のある実施体制、採算がとれる事業計画となっているかなど。
経済:地域内経済循環が生まれているかなど
政治:事業の決定権を持つ首長および部長級管理職のリーダーシップなど

PPPアワード2023審査方法スライドより

上記の多角的な視点から客観的に評価することで、「真の公民連携事業」はどういうものなのか、好事例とその事業のプロセスについて迫っていくべく、選考を通過した7事業が公開でのプレゼンテーションの上で審査されました。

プロフェッショナルスクールと同じ3分のプレゼンテーションでかたる内容そしって軸

 都市経営プロフェッショナルスクールでは自身の都市経営課題について3分で発表を行っています。PPPアワード2023では同じく3分でのプレゼンテーションが行われました。事業によっては事業開始から10年間を3分で語るという困難を受講生としては、先輩方のプレゼンを聞ける絶好の機会となりました。

 先輩方のプレゼンテーションを聞いて共通しているのは、時にはどんなに地元に怒号で怒られてもひたすら謝り続けたり、その地域がどんなに事業が難しそうでも、独立し自身がリスクを負っても、それぞれが決めた対象とした地域から絶対に逃げずに、向き合い事業を進めそして1つの到達点に至っているということです。

 特に最優秀賞を受賞した大阪府大東市の市営住宅の再生事業であるMORINEKIは、東心株式会社が民間資金を調達し、施設を建設し一部を市営住宅の借り上げとして20年間使いますが、20年より先は大東市はリスクを負わなくて済むことになり、20年後借り上げ分を自分たちで運用する必要がでてくることになります。だから単なる市営住宅事業をやるのではなく、エリアの価値をあげるようなプログラムを組んでいる。結果それは市営住宅の住民だけでなく、周辺に住む誰もがウェルビーイングなライフスタイルを営んでいる風景を作りたいという入江智子さんの自己目標がカタチになったのだと思います。

 そして、各事業でピンチになった時、ピンチというリスクをきち
んと背負えるリーダーがいたということです。
 ここでもMORINEKIの事例として、銀行融資における交渉で融資拒否のリスクを避けるため大東市からの出資を億単位で増やす決断を迫ったとき、市長は次の選挙で負けてもいいという覚悟で補正予算を議会に出すこと決断。結果自己資本率が高まり、融資が決定し、いまのMORINEKIが誕生できているのです。
 おそらくそこには運というものもあるのだと思いますが、ここで私の手持ちノートに貼っておりおみくじのささやきを紹介いたします。

われわれがわれわれの運、不運をつくる。そしてわれわれはこれを運命と呼んでいる。

おみくじ三番半吉より

 今回ノミネートされた事業は現時点の結果として私たちの目の前にその姿があるというものではありますが、単に運がいいということではなく、多くのその人それぞれの努力と苦難があった結果なのだということです。決して運がよかっただけでは、語ることはできるものではないということです。

 各エントリー者のプレゼンテーションで印象に残ったのは、木伏緑地のプロジェクトをエントリーした長澤幸多さんがのべた「良い問いは最も優れた答えより偉大である。」です。プレゼンテーションは3分しかありませんが、その後の質疑も重要です。最も自分が伝えたいことだけをプレゼンテーションで伝え、そのあとの質疑の場でいい質問を引き出し、それに十分な時間で答えるというも方法です。それはMORINEKIのプレゼンのほとんどがMORINEKIで撮影した日々の様子を放映してプレゼンを終え、あとの質疑で質問を引き出し質疑を通したところまでをプレゼンしていました。入江さんが伝えたかったのは、事業の内容ではなく、人が住んでいるMORINEKIのあくまで日常の姿そのものであったということです。

真の公民連携の「評価」と「軸」について

 今回のPPPアワード2023は公民連携の評価軸をもとに評価している。その「評価」について、時代に価値観で大きく変化するということ。岡崎正信さんがいまの施設のコンテンツやサービスがこの先10年後でも残るものと、残らないものをきちんと見定める必要をスクールでは指摘います。そして「軸」については、プロジェクトは人選でほぼその成功率が決まるものです。最後の評価軸は「人」なのだということです。
 最後に清水義次さんが目標と何を達成したいを語ること。自己目標を明確にしてきたことで、このスクールが始まってからの5年間で修了したOB・OGgsここにきてプレゼンをしている。

 今回のPPPアワード2023は受講生にとっては最高の共教材となったといえる。それはどのような評価軸でコーチ陣も私たちの提案する事業評価を行っていることがみえてきたいところです。いつかそちら側のイスに座る日を目指して、まずは11月岩手・オガールでの合宿にむけて戦略を描き、取り組んでいきます。


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