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【中止・延期中でも】 オンライン上で楽しめる展覧会10選。

 「こんな時だからこそチャレンジしてみたい、 《おうちでアートを楽しむ10の方法》」の5番目。

⑤ webページ上で展覧会を鑑賞してみる

 美術館再開館のニュースも耳にするようになり、リアルな場での展覧会に行けそうな気配も見えてきましたが、一方でまだ再開の目処が立たない展覧会や休止のまま中止が決定した展覧会も。

 そんな中、さまざまな美術館で、オンライン上で展覧会を楽しめるコンテンツが発信されています。VRや動画など、家からオンライン上で楽しむことができる展覧会をまとめました。

■ VR・360°映像での展示

 特別な装置は必要なく、PCやスマホ上で、会場の雰囲気そのままに高解像度で作品(サイトによっては解説も)を楽しむことができます。通常の展覧会ではみられないような、会場全体の構成を上から眺められる視点も楽しいです。

 1)「ピーター・ドイグ展」 @東京国立近代美術館

ピータードイグ展

 当初予定会期:2020年2月26日〜6月14日

 2020年のなかの大注目の展覧会の1つでありながら、最初の平日3日間のみ開館後、クローズしたままの展覧会。イギリスが誇る現代の「画家の中の画家」、日本初個展です。こちらの展覧会風景がVRで公開されています。非常に高解像度で実際に展覧会の会場を訪れているようにじっくりと作品をみていくことができます。(リンク先ページの中段をご覧ください。)

 また、休館中に限り、ピーター・ドイグ展カタログ中の小説家・小野正嗣さんの書き下ろしエッセイ展覧会企画者の桝田主任研究員の論考も特別公開されています。

 2) 「未来と芸術展」 @森美術館

未来と芸術展

 当初予定会期:2019年11月19日〜2020年3月29日

 2月より会期途中で臨時休館し、公開休止のまま開終了となってしまった『未来と芸術展』の3Dウォークスルーが公開されています。森美術館の前館長で、本展覧会が携わる最後の展示となった南條史生さんによる動画での解説などもあり、とても見応えのあるページとなっています。

 3) 「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」 @川崎市岡本太郎美術館

バシェ音響彫刻

 当初予定会期:2020年04月25日-2020年7月12日

 こちらは、7月までなので再オープンで実際の展示を見るチャンスもまだありそうですが、YouTube上で360°映像も公開されています。PC上で見る限りあまり解像度が高くないのが少し残念ですが。企画展だけでなく、常設展、エントランスなど美術館全体の様子も見られるのが嬉しいです。

 4) 「mt art project at 3331 ARTS CHIYODA in TOKYO」 @アーツ千代田3331

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 当初予定会期:2020年05月07日(木)~2020年05月17日(日)

 マスキングテープ「mt」を使った国内外のアーティストによる作品展。淺井裕介さんやHogaleeといったアーティストのマスキングテープアートをつかったインスタレーションが制作されましたが、残念ながら展示は公開されることなく中止に。特設サイトで写真や動画による作品紹介がなされているほか、会場のVRも公開。VRの会場全体像を見ると、展示室を大胆につかったインスタレーションの規模を見ることもできて面白いです。

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通常ではありえない、上空から展示全体を見る体験もできてしまいます!

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■ 動画・写真での紹介

 5) 「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」 @東京都現代美術館

オラファー・エリアソン ときに川は橋となるのコピー

 当初予定会期:2020年3月14日(土)- 6月14日(日)

 会場設営も完了しているもののオープンが見送られているオラファー・エリアソン展。今月の美術手帳でも巻頭で特集されていますが、まだ観客は入れない状態です。

 スタジオ・オラファー・エリアソンが制作した展覧会の特設サイトは、英語版のみながら、多数の写真と動画、テキストによって構成され、まるで図録のような見応えのある特設サイトとなっています。

 また、東京都現代美術館のwebサイト内には、展示風景を1分間にまとめた動画や、オラファー・エリアソンによる講演会「アートをエコロジーの視点で見直すこと | Olafur Eliasson - Art and Ecological Awareness (2019)」の8分間のダイジェスト版 なども公開されています。

 6) 「太田の美術vol.3「2020年のさざえ堂——現代の螺旋と100枚の絵」」 @太田市美術館・図書館

2020年のさざえ堂

 当初予定会期:2020年2月6日(木)~2020年5月10日(日)

 会期半ばで閉幕となった「2020年のさざえ堂——現代の螺旋と100枚の絵」。三瀬夏之介さん、蓮沼執太さん、持田敦子さん 3人のアーティストが、「さざえ堂」「螺旋」をテーマにした作品展示展示を行ったほか、さざえ堂の「百観音巡礼」に倣い 画家・高橋大輔さんが計100点の絵画作品を行った展覧会の展示風景映像ノーカットバージョンが公開されています。約25分の充実した内容です。(1分間のダイジェスト版もあります。)

 7) 「開館記念展 京都の美術 250年の夢」 @京都市京セラ美術館

開館記念展_京都の美術

 当初予定会期:2020年4月18日-2020年6月14日

 3月21日にリニューアルオープン予定だったものの、開館延期となっていた京都市京セラ美術館。5月26日(火)より、京都府在住の方限定で事前予約・定員制にて開館が決定しましたが、見られる展覧会は「「杉本博司 瑠璃の浄土」」と「コレクションルーム」のみ。京都府外からの観覧も、まだしばらくかかりそうです。

 ニコニコ動画内の「ニコニコ美術館」では、この”コロナ禍で「まだ入場客がひとりもいない」美術館”を橋本麻里さんが紹介しています。

 ニコニコ美術館では、このほかにも中止・延期となった展覧会の動画が多数公開されていて有り難いです。

 8) 「澄川喜一 そりとむくり」 @横浜美術館

そりとむくり

 当初予定会期:2020年2月15日〜5月24日

 2月29日より休館となり、休館のまま閉幕が決定した展覧会。テレビ奈川にて放送を予定していた映像を編集してた動画が公開されました。澄川喜一さんご本人へのインタビューや、本展担当学芸員による展覧会解説、会場の様子などが収録されています。このほか、同展覧会のダイジェストレポートなども横浜美術館のwebサイトから読むことができます。(「日経VR」での360°映像による展覧会風景も公開されていましたが、こちらは終了してしまったようです。)

 また、「オンラインで楽しむ横浜美術館」として、「横浜美術館コレクション展」や、ことし開催予定の「ヨコハマトリエンナーレ2020」など、他の展覧会についてのコンテンツも充実しています。

 9) 建築倉庫ミュージアム

 こちらは過去の展示のものになりますが、「建築倉庫ミュージアム オンラインコンテンツ」として、展覧会解説や建築家・構造家のインタビューなどがYoutubeで公開されたほか、建築家や設計事務所からの600点以上の建築模型を保管されている模型保管倉庫を紹介する「【模型保管庫ツアー】IGTV」なども公開されました。建築倉庫ミュージアムは入館料が3,000円オーバーと少し価格的ハードルが高いこともあり、動画で見られ、詳しい解説も聴けるというのは大変嬉しいです。

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■ オンラインを中心とした展覧会

 10) 「ダークアンデパンダン

 ウェブサイト公開会期:5月15日〜29日(もしくはBANされるまで)

 卯城竜太(Chim↑Pom)、キュンチョメ、松田修、涌井智仁らによって主催されたもので、誰もがアクセスできるウェブサイトと、主催者によってキュレーションされた観客のみが観覧できるリアルな場での展覧会で構成。(美術手帳webより引用)

 主催者のChim↑Pom、松田修さん、キュンチョメさんらのほか、志賀理江子さん、小泉明郎さん、毛利悠子さんらもが作品を投稿しているとのことで期待していましたが、「Secret」の作品が多く、一般の人間は見るのが難しそうなのがちょっと残念… 「アンデパンダン」の名前の通り 規約に同意すれば誰もが作品投稿ができるということで、日を追うごとに少しずつ作品が増えています。

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 リアルな場での展覧会がみられない一方で、無料で混雑も気にせずにゆったりと展覧会を楽しめるというのは、本当に有り難いですね。これからも気になるwebサイトがあれば追記していきたいと思います。


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